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手の中に残るもの  作者: シロアリ
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第4話

 私が目覚めたのは、病室のベットの上で、窓にかかったカーテン越しにはわかりにくいが夜が明けて間もないくらいだろう。


 左腕には点滴が刺されている。


 部屋を見回すに一人部屋のようだ。


 目をさましてからしばらくすると看護師が体温、血圧などを計測しにきた。


 看護師の話によると昨夜はベットの上で脱水症状により気を失ったところを発見した菊野さんが救急車を手配してくれたらしい。


 少し眠ったことで頭が整理されたのか、昨夜のような吐き気は無くなっている。


 そして、私の心は昨夜見た映像の男ティオ・フィーベルでも、二階堂真矢でもなく、二人を客観的に見た第3の存在が二人の記憶を元に形成した人格という感じに近い。


 当たり前のようにティオと真矢の人格が半々ではなく、ティオの方が生きてきた情報量が多かったことから大半がティオに引っ張られている感じだ。


 その後すぐに朝食が用意され、それを食べ終えると


「おはよう、体調はどう?」


 と滅多に家で会うことのない母が父を連れて入ってきて言った


「一晩寝たら楽になりました」


「そうか、何か体に異常があるといけない、ちゃんと検査してもらいなさい」


 父はそう言うとすぐに出て行ってしまった。


 忙しい中無理やり時間を作ってくれたのだろう。


「じゃあ、私も仕事に行くわね、検査して異常がなければ、菊野さんに家に送ってもらいなさい」


「はい」


 そう言うと母も出て行った。


 はぁ、母と父への寂しさなどの感情はほとんどそのまま真矢のを引き継いでしまったらしい。


 母が出て行ってすぐ看護師が検査室へ案内してくれた、血液検査、CTによる肺炎などの有無、MRIによる脳内検査などを行い、病室に帰って来る頃には昼になっていた。


 昼食を食べ終わると菊野さんが私の保護者として来てくれた。


 検査結果は胃が少し荒れている以外は特に異常はなかったことから、ストレス性のものでわないかとの事、すぐにでも退院して問題ないと言ってくれた。


 菊野さんは心底ホッとしていた。


 その後、菊野さんが退院の手続きをして、ここに来るために使った車を使って病院を後にした。


 菊野さんが運転中チラチラと見ながらこちらを何か伺っていた。


「真矢様は何かいきなり成長されたように見えましたが、昨夜何かあったのでしょうか?」


「前世を思い出したと言って信じますか?」


「俄かには信じられませんが、そうと仮定すると私の中ではつじつまが合いますね」


 そう言って笑った。


「まぁ、信じなくてもいいさ、その方がこちらとしては周りからは不気味がられなくてすみそうですしね」


 そんなことを話していると家に着いた。


 前世の記憶を持ってから改めて確認すると相当な金持ちなことがわかる。


 走って来た道に並んでいた家の2倍ほどの庭と2.5倍ほどの大きさの家である。


 これからは第一に情報を集めなければならない、6歳であった二階堂真矢の記憶ではこの地の情報が不足している。









次の投稿は時間がかかるかもしれません。


あと、面白いなろう小説あったら教えてください((。´・ω・)。´_ _))ペコ


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