近付く距離
北本先輩、今日はバイトじゃないんだな。
前まではバイトの北本先輩とは、ご自宅で会うことはほとんどなかったのに。
最近はカテキョの日によく会う。
そして、前みたいに大学終わりに遊びに連れていかれて、そのままカテキョになんて事もある。
帰りにバイクで自宅まで送ってもらえると言う得点つきだ。
「お兄ちゃん、最近、先生のカテキョの日に合わせてバイトを休みにしてるんですよ。私の先生なのに」
ぶすっとした顔で涼香ちゃんが言う。
なるほど、そうなんだ。
北本先輩ってマメだなぁ。
「そんなのでバイトは大丈夫なのかな?」
「お兄ちゃんなんて困ったら良いんです」
プリプリ怒ってる涼香ちゃんは、北本先輩が私に構うのが嫌らしい。
北本先輩が自宅で私に構い出してから、会わせなくなかったと愚痴を溢していたし。
「そんなに怒らないで涼香ちゃんの可愛い顔が見たいな」
やっぱり可愛い子は笑ってた方が良いもんね。
「は~い」
ほら、こんなに素直で可愛い。
「さ、この問題やっちゃおうか」
涼香ちゃんの手元のプリントを指差した。
「頑張る。今度のテストも良い点取りたい」
「うん、その勢いだよ」
二人で笑い合って、本日の課題を進める。
涼香ちゃんは元々頭が良いので、教えたことをしっかりと吸収してくれるので、教えがいあるんだよね。
彼女のもっと上を目指したい! て言う向上心に私も俄然やる気が出る。
涼香ちゃんの集中力を利用して、サクサクと勉強を進める。
この間、鏡花さんが言ってたけど、塾でも志望校の合格ラインに達してるってお墨付きを貰ったらしい。
教えてる子の学力が上がってるって聞くのは凄く嬉しいよ。
涼香ちゃんの頑張りが目に見えるのは、本当に彼女が頑張ってるからだ。
教えがいのあるこで、私も誇らしい。




