約束
拙い文章ですみませんm(__)m
それでも読んでくれる方がいるので週1話のペースは守ろうと思います。
「あぁ……あの時の」
「はい!!やっと思い出してもらえました~」
完全に思い出したわ……あったな~そんな事。
「あの後誰かに声かけられたりとか大丈夫だった?」
「あ、はい。少しびっくりしましたけど直ぐに帰りました」
「そっか良かった~……あの時はごめんね」
「えっ?なんで謝るんですか?」
小首を傾げる西山さん。小動物っぽいな~。
「いやだって……お礼と称して封筒押し付けて逃げたから……」
「あぁ……確かに驚きはしましたけど、でも私の方こそ助けてもらったのにまだお礼が」
「いやいやホント気にしなくていいから」
「でも私の気が収まりません!!」
ぐいっと顔を寄せてくる西山さん。
……見た目によらず以外と頑固だな。……それにしても近すぎない?
「おおっ!?唯ちゃん積極的~!!良いぞ~もっと景を困らせろ~」
俺が目のやり場に困っているのを素早く察知した修司が冷やかしてくる。
……アイツ……後で殺す。
修司の言葉で自分の状況に気付いたのかハッとなる西山さん。
「す、すすすみません!!いきなりこんな……」
「あぁいや……大丈夫だから、ね?」
「は、はい……」
よっぽど恥ずかしかったのか顔を真っ赤にして俯く西山さん。
「おっもうこんな時間か、じゃあ二次会行く人手上げてー」
修司を含め四人が手を上げた。
「小鳥遊先輩は行かないんですか?」
「うん、修司にも事前に言ってあるし。西山さんは行かないの?」
「えっと、門限があるので……本当は行きたいんですけど」
「そっかお家の人厳しいんだ?」
「はい……特にお父さんが……」
「あはは西山さん可愛いし娘なら尚更ほっとけないと思うよ」
「そそそんな、可愛いだなんて……」
顔を赤くする西山さん。言葉遣いも礼儀正しいしなんとなくだけどお嬢様っぽい雰囲気なんだよな。
「なんとなくじゃなくて唯ちゃんはガチでお嬢様だぞー」
「へーそうなの?あとナチュラルに俺の心を読むな」
「チャラ男のスキル『読心術』スゲーだろ?」
「どや顔されてもな……軽く犯罪じゃね?」
「使い時はわきまえてるから大丈夫!!ってそーじゃなくて唯ちゃん二次会来ない?」
「あの……」
「門限があるんだとよ」
「あーそりゃ残念……よしっ景!!家までお送りしろ」
「あぁそうだな前みたいな事になるかもだし」
「えっ……でも小鳥遊先輩にご迷惑が……」
「大丈夫大丈夫!!俺の調べによると唯ちゃん家と景ん家結構近かったはずだから」
「……修司よ、そろそろ出頭した方がいいんじゃないか?」
「あのなぁ唯ちゃんはお嬢様だぞ、そのお嬢様が普通の一戸建てに暮らしてると思うか?違うだろ?立派なお屋敷に住んでるから自然と情報が入ってくんの」
「ふむふむなるほど……で、本当は?」
「警察並みの尾行が成せる技!!」
「よーするにストーキングじゃねぇか」
「すんません嘘です悪ノリしましただからその拳を下ろして!?」
「まぁ制裁は後にして「制裁すんのかよ!?」うるさいぞ修司。俺でよければ近くまで送るけどどうする?」
「で、でも……」
中々踏ん切りがつかないようだ。遠慮しなくていいのに。
すると様子を見ていた修司が西山さんに近づき何か耳打ちをした。途端に顔を赤くする西山さん。
「修司セクハラは犯罪だぞ?」
「ちげーよ!!」
あれ?違ったのか、てっきり失礼な事でも聞いたと思ったんだが。話終えると修司がこっちに来た、ニヤニヤ顔で。
「じゃ任せたぞ、頑張りたまえ景くん」
「言われなくても送るっての、後その顔腹立つから止めれ」
「まあまあそう言うなって~……それじゃ唯ちゃん頑張れよ」
「は、はい!!……あの小鳥遊先輩よろしくお願いします」
修司が頑張れだか何だか言った気がするが気のせいか。
「よーし二次会組は俺に続けー!!じゃあな景、唯ちゃん」
「あんまり連れ回すなよ?」
「わーかってるって」
そう言い残して女の子を引き連れ消えていった。
「それじゃ行こうか?」
「あ、あの……」
「ん?どうかした西山さん?」
「その……名字じゃなくて……名前で呼んでもらえませんか!!」
「……え?」
☆
店を出て今は繁華街を二人で歩いている……んだけど会話が無くて気まずい。何か話題を作らないと……え?名前で呼んだのかって?あぁそうだよ呼んだよ『唯ちゃん』ってなんか文句あるか?
それより今はこの沈黙をどうにかせんと……
「ああそうだ俺の事も名前で読んでよ」
「へっ!?そそ、それって……け、けけけ、け、景先輩って読んでいいんですか?」
「景でも景先輩でもお好きなようにどうぞ?」
「よよ、呼び捨てなんてそんな……け、景先輩?」
「ん、なに?」
「えへへっ……ちょっと恥ずかしいです」
「まぁその内慣れるよ」
よしよしちゃんと会話出来てるぞ。その後も色々話しながら10分程が経った頃。繁華街を抜けて今は住宅街を歩いている。周りが静かだと自然と会話が途切れてしまう。また沈黙……気まずい。チラッと唯ちゃんの方を見るとなんだか落ち着きがない。どうしたんだ?
「あ、あの!!」
なんて思ってたら向こうから話しかけてきた。
「なに?」
「そそ、その……あの日助けてもらったお礼がしたいので……」
あぁそういえば合コンの時から言ってたな、あの時は修司が茶化してうやむやになったけどまた切り出してくるとは。ん~断っても頑固だしそれで気が済むならいいか。
「こ、今度の土曜日空いてませんか?」
「土曜日……うん大丈夫」
「ほ、本当ですか!?良かった~」
お礼って一体何をするつもりなんだろう?まぁ聞くのは野暮だから楽しみにしとこ。
その後は連絡先を交換し門限が迫っている事に気付いた。
「景先輩今日はありがとうございました」
「何かお礼言われることしたっけ?」
「はい!!色々と」
「?」
「ではまた連絡しますね?失礼します」
「うん、気を付けてね」
ペコリとお辞儀をすると足早に帰っていく。後ろ姿を見送って俺も帰る。
……はぁ~緊張した~……精神的に疲れました。帰ってシャワー入って寝よ。