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妖御伽譚 上  作者: 鮎弓千景
古き屋敷にてー蠱術家の輪廻ー
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蠱術の憑き物16

中へ入ると、これ以上外へ邪気がなだれこまないように扉を後ろ手で静かに閉めた。


「気をつけろ、辭。奴はどこに潜んでいるか分からないからな。」


隣にいたお稲荷さんがヨジヨジと肩へ登ってきて、暗闇の先を威嚇しながらそう忠告する。


「分かっています…

では、行きますよ、お稲荷さん。」

「あぁ。」


一歩、また一歩、歩を進めて最初に向かったのは、入って左手にある扉だった。

ゴクリと息を呑み、ゆっくりと扉を開ける。

開けると、そこはリビングのようだった。


天井には蜘蛛の巣がはっている。

部屋の中央に置かれたローテーブルには、埃が積もっていた。


足を踏み入れると、足元に何かが当たった。

視線を下へと見やると、私は思わずひっ、と小さく悲鳴をあげる。


「こりゃ、ひどいな…

喰い荒らされ方が尋常じゃない。

お前は慣れてないんだからあまり見るな。」


床にはたくさんの人の残骸が転がっていた。

どれも損傷が激しくて、服装でようやっと性別が分かるくらいだ。


あまりの酷さに片手で口元を覆う。

言葉が出なかった。


「辭、この部屋には奴が潜んでいる気配はなさそうだ。

次に行こう…」


そうお稲荷さんに言われて、黙ってその部屋を出て扉を閉める。


「大丈夫か?」

「はい…」


心配して声をかけてくれたお稲荷さんに、私はやっと声を絞り出して返事をすることだけが精一杯だった。


次の部屋は、お風呂場だったが何故か鍵がかかっていて開かなかった。

お稲荷さんも不思議そうにしていたが、リビング以外はヤバそうな匂いはしないから、と呟いている。


一階建ての屋敷。

不思議なことに、最初に開けたリビングとトイレと書物庫以外は何かの力に封じられているのか、鍵がかかっていて開くことはなかった。


後は奥へと進まなかった。

私が最後に開けたのはトイレだったのだが、トイレの部屋以降がボロボロに崩れていた。

瓦礫(がれき)に埋もれていて先には進めなかったのだ。

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