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妖御伽譚 上  作者: 鮎弓千景
西の都ー花の京都にてー3
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夜道の訪問者28

一重は主に初級から中級の術を使う時に用いる。この間、お稲荷さんを降霊してしまった時に使った降霊術は、中級の術。


二重は上級から最上級を使う時に用いる。

これは封印の術や四神の力を使う術などが当てはまる。


辭の場合は、初級から最上級までの封印の術以外の全ての術を使うことができた。


そのうち初級から上級に関しては陣無し、呪を唱えるだけで術を使うことができる。


先程の朱雀や青龍の力を借りて使った術は上級。


歴代術師の中でも初級から上級までの全ての術を、陣無しで扱うことができた者はいなかった。


だから、それができる辭は歴代一の術師なのだ。


「……」


本当に、できるのか。

今の今まで一度もしたことがなかった封印。


意を決して決めたつもりなのに、構えた数珠は手の震えからか小さな音を立てる。


「大丈夫だ。」

「お稲荷さん。」

「辭ならできる。

俺はそう信じてるぞ。

俺だけじゃない。あの二人も、お前ならできるって信じてる。」


私は、二人の方を見た。

厄介と化した悪路神の火を相手に、必死に時間稼ぎをしている。


「信じてるんだ、あの二人は。

だから、身を(てい)して囮になるって言ったんだ。」

「私ができるって、信じてあのお二人は。」


辭は自分の両手で自らの頬をパンッと叩く。


何を今更怖気づいてるのか!

皆が、信じてくれてる!


私を信じて、力を貸してくれてる!

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