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妖御伽譚 上  作者: 鮎弓千景
西の都ー花の京都にてー2
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小鬼達の悪戯17

***


 時刻は午前一時。

 宿の振り子時計が鳴る。今日が小鬼達の最後の宴会。


 辭は今、例の部屋の前にいる。肩にはお稲荷さんも。

 襖に手をかけて開けると、小鬼達はすでに集まっていた。どうやら、辭達が最後のようだ。


 部屋の中央へと足を進める。小鬼達が座布団を持ってきてくれた。それに腰を降ろす。

 すると、タンタンタンッと太鼓の音が聞こえた。


 それを合図に小鬼達は、酌にお酒を注ぎ盛り上がっている。辭にはお茶を手渡された。

 お稲荷さんは小鬼達と一緒になって騒いでいる。


 「さぁさ、辭様。お茶をどうぞ」

 「ありがとうございます」


 小鬼達にお茶を注いでもらいながら、一緒に騒ぐ。本来なら、こういうお祭り騒ぎは好きではないのだが。

 たまにはこういうのも悪くない。


 小鬼達にとって、これが最後の楽しい思い出になるのなら……

 辭達は時間を忘れて宴会を楽しんだ。


 「皆さん、とてもいい笑顔なのです」


 騒いでいる小鬼達とお稲荷さんを見ながら、辭はそう呟いた。

 時雨達も、こんな気持ちで小鬼さん達を見ていたのだろうか。

 まるで我が子を見守るかのような、そんな優しい眼差しで見ていたのだろうか?

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