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妖御伽譚 上  作者: 鮎弓千景
西の都ー花の京都にてー2
17/133

小鬼達の悪戯

 京都二日目ー


 辭は朝から機嫌がよろしくない。どうしてか分かるだろうか?

 それは、お稲荷さんがお帰りにならなかったからだ。てっきり帰ると高を括っていたのだが。帰らなかった。


 そこで理由を聞くことにした。


 「あ? なんで帰らないかって? そんなの決まってるだろう? 俺が辭のパートナーだからだっ!!」


 見事なまでのどや顔でこう返された次第。辭はムカついたので、お稲荷さんを時雨の所に放り込んだ。

 そのすぐ後に、血相を変えて戻ってきたお稲荷さんが可愛らしかったのなんの。


 狐らしく、コーンと泣く所は見ていてほのぼのとする。で、詳しく話を聞くと、どうやら四神のお一人である西方の白虎様のお脚元で仕えていたのが白狐。

 それが、今辭のお隣にいるお稲荷さんというわけだ。


 その白虎様から、自分の代わりに辭とパートナーを組み、共に過ごしなさいとのお達しがあったのだと。

 辭がこの世を去るかなんかしない限り、帰れないからと脅されたらしい。


 だから名前を知っていたのか。妖の間でも、楿の名は有名だそう。


 「なんともお可哀想です……」

 「おぉ! 分かってくれたのか! 酷いと思わないか?!」

 「えぇ、分かります! 白虎様がお可哀想です!」

 「そうなんだよ……え。」

 「お稲荷さんを寄越さなくちゃいけない程、こき使われていたのですね」

 「ちげぇぇぇ!! 逆だ! 逆!!」


 コーンと鳴いて、だんだんと地団駄を踏むお稲荷さん。次第にはわーん!と鳴きながら、畳にシッポをハタハタと叩きつける始末。

 何だかウザくなってきたのは言うまでもない。


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