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妖御伽譚 上  作者: 鮎弓千景
西の都ー花の京都にてー
11/133

お稲荷さん7

 眩いまでの光は一際出た後、ゆっくりと消え去った。今の今まで使ったことがなかった降霊術。成功したのかどうかも怪しい。

 恐る恐る視界を庇っていた腕を退けて、目を開き陣の中心を見た。


 「え……?」


 思わず声が漏れる。陣の中心には白い何かがいた。しかも、モゾモゾと動いている。

 一目で分かった。術が失敗したと。


 「どうして、失敗したのですか?! 陣は完璧だったのです!」


 そう、完璧だったのに。


 「馬鹿だな、辭ー」

 「? !」


 モゾモゾと動いていた白い何かが、むくりと起き上がる。それは綺麗に輝く白い狐だった。狐、と一言で言っても子狐程の大きさ。白い狐は私を見て、迷わず辭と呼んだ。


 「どうして失敗したか、教えてやろうか」


 トテトテと可愛らしい足音で辭の足元まで近づいてくる。


 「知っているのですか?」

 「ああ、知ってる」


 辭の焦げ茶色の瞳と白い狐の黒い瞳が交わった。お互い少しばかりの無言で見つめ合う。

 チャリっと簪が揺れ、茶色の髪が白い狐の瞳に映る。

 辭は白と視線を合わせるようにしゃがみ込んだ。その瞳は茶色に隠されていてどんな顔をしているのか分からない。


 「教えてください。どうして、術が失敗したのか」


 (狐さんは知っているのでしょう?)



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