6話 開始
ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ
「・・・暑い」
僕こと真霧幽一は現在、1日に100万人もの人が来る大都市渋谷にきていた。
正直に言って僕はあまり人の多い場所は好きじゃない。
誰だって自分より下等な虫が大勢居る所には来たくは無いだろう。
そして、こんな僕が何故こんな所に居るのかと言うとその原因は僕の右手にある携帯にある。
今、流行っているリンゴがトレードマークの会社の携帯だ。
ただこれには、電話をしたり音楽を聞いたりする機能はついていない。
この携帯についている機能はたった2つだけ・・・。
1つは半径10kmにいる悪魔の力の所持者をレーダーで表示する機能、もう1つは武器に変わる機能だ。
武器に変える機能はまだ使っていないのでどうなるか具体的には解らないがあのクソ悪魔には自分の血を2、3滴かければ良いと言われた。
さて、話の続きだが僕がここ渋谷に居るのはこの悪魔携帯のレーダー機能に1人引っかかったからだ。
そして、そいつを追ってきた所ここまで来たわけだ。
しかし、僕は非常に焦っている。
さっきからレーダーの反応はあるが姿がいまいち見えない。
勿論、こいつ等を巻き込んで殺しても良いが相手の能力が分からない状態で攻撃するのは危険だ。
そうして、僕が道の真ん中で考え込んでいると後ろから誰かがぶつかって来た。
「誰だ!」
さっきまで緊張していたせいもあって僕はそいつに向かって大声で怒鳴った。
「す、すいません。」
そうすると、そこには涙目で謝っている小学生位の男の子が居た。
その子はもう一度、すいませんと謝ると急いで走り去っていった。
僕も何だか気が抜けてしまったのでハアァと1つ溜息をつくとまたレーダーを見て驚愕した。
レーダーにうつった赤い点、つまりは悪魔の力を持った人間は僕のもの凄く近くに居た。
そう、さっき走り去って行った少年の所に・・・・・・・・・・
ドガアアアアアアァァァァン!!!!!!
そして、あいつが悪魔だと僕が気がついた瞬間、背中で強烈な爆発が起き僕は吹っ飛んだ。