5話 継承
「お前は・・・・・お前は本当に悪魔なのか?」
「さっきからそう言っているだろうだろう。」
「確かにさっきのあれは普通の人間には無理か・・・・・」
僕の脳裏には未だにさっきの残虐的な光景が残っている。
しかし僕が今、体感している感情は恐怖ではない・・・・圧倒的な興奮だ。
「解った。認めるよ、君は悪魔だ。」
「ふう、やっと解ったか。面倒くさい奴だ。」
「それで、君は何をしに来たんだ。僕の魂でも取りに来たのか?」
「魂?・・・・・・確かに昔はそう言うこともやったが最近は魂なんて欲しがる奴は居ない。」
「じゃあ、何の用なんだ?」
「我輩がわざわざやって来たのは貴様に力を与えるためだ。」
「力?」
「ああ」
「どんな、力を?」
「持っている力は悪魔それぞれで違うが・・我輩が持っている力は【破壊】というごく単純な物でな。まあ、簡単に言えば異常な筋力だ。」
「へえ。」
「さて、本題だ。我輩は貴様にこの力をやる、どうだ欲しいか?」
「まあ、欲しいけど。そんな事をして君に何の得があるんだ?」
「ふむ、それでは話してやろう。理由をな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・我輩達が住んでいる魔界には100人程の人外が居る。そして、そいつらのランクは魔人と悪魔に別れていて魔人が92人、悪魔が8人という具合に存在していた。悪魔の方が魔人よりも10倍は強く賢かった。
いわば王が8人いたのだ。しかし魔界には娯楽というものは存在しない、寿命に限りの無い悪魔達は暇で仕方が無かった。200年程前は暇つぶしで人間狩をやり100年程前は暇つぶしに人間の魂を食べた。そして今度こそ本当にやる事が無くなりぼうっとしながら過ごしていたある日、良い事を思いついた。それは、自分達の選んだ人間に力を与え戦わせるという物だった。そして、そのゲームが始まり2週間程たち我輩は人間界にはチャットというコミニケーション広場がある事を知った。そして、そこに真っ先に来たのがお前だったと言うわけだ。 解ったか?」
悪魔が長い長い説明を終えた。
よくこんな長文を息継ぎをしないで言えるもんだ。
「つまり君は僕を選手にしたいわけだ。」
「そうだ。」
「解ったよ。僕は君の選手になる。」
「そうか・・・では契約をする。」
「どうやるんだ?」
「これを飲め。」
僕の前に赤い色をした飲み物が置かれた。
誰かの血のようだ。
「これは、何だ?」
「我輩の血だ。これを飲めば契約成立となる。」
「解ったよ。」
ゴクリ
多少恐怖感はあったが僕は躊躇わずにその液体を飲み干した。
そして、その数秒後僕の体に異常なほどの激痛が来た。
「<!?~@くJCうぇうCJCんんKSN!!!」
僕は殆ど悲鳴にならない様な悲鳴を上げ倒れた。
そして、その激痛が30秒ほど続き僕は力を手に入れた。
誰にも決して止められないような強大な力を。