1話 日常
どうぞよろしく
世界は平凡。 人生は退屈。 他人は無価値。
この三つが僕の信条だった。
世界は常に面白くなく、興味をそそられなく、価値も無かった。
だから僕は、こんな世界を壊したいと思った。
だから僕は、悪魔と契約した。
ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!
いつも通りの時間に、いつも通りの音で、目覚まし時計が鳴り響いた。
僕はいつもの様にベットから体を起こし下へシャワーを浴びに行く。
シャワーを浴び終え制服に着替えると朝食を食べる。
両親が何か喋りかけて来るが僕は適当にあいづちを打つ。
そして、いつも通りの時間に家を出て学校へ向かう。
コツコツコツコツという規則正しい足音だけが誰もいない通学路にこだまする。
そのまま静かに歩き続け20分程すると学校に着いた。
そしてガラリと音を立て教室に入る。
その瞬間、僕が入った瞬間に教室の雰囲気が変わった。
女子は急に髪を整え始め、男子はこちらを見て明らかに不快そうな顔をする。
まあ、毎日の事だから僕も大して気にしない。
そしていつも通りチャイムが鳴り全員が慌しく席につく。
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キーン コーン カーン コーン
最後の授業の終了を告げるチャイムが鳴り生徒達が緊張から解放される。
僕も学校に長居していても仕方が無いので帰りの準備を始める。
引き出しから教科書を取り出し鞄に入れ帰ろうとする。
「あ、あの、真霧君」
しかし、すぐに帰ることはできなかった。
僕の背後から突然、声が架かってきたからだ。
真霧幽一それが僕の名だった。
「・・・何?」
帰宅を妨害されたので僕は多少、ぶっきらぼうに返事を返す。
「え、えっと、こ、今度、男女で遊園地に行こうと思ってるんだけど真霧君も「嫌だ」
「えっ」
「そんな暇は無い」
「で、でも」
「もう帰っていい?」
「あっ」
僕は彼女の返答も聞かずに勝手に帰ろうとする。
しかし、これもまた他人によって遮られる。
今度は男子だ4、5人は居る。
まあ、どうせいつも通りだろう。
僕の予想通り、彼等は僕を体育館裏まで連れて行くと腹部を殴り始めた。
「ガハッ!!!」
一撃一撃が鳩尾に決まり空気を強制に吐き出させられる。
しかし、まだ彼等の攻撃は終わらない。
「てめぇ調子こくなよ!!!」
「顔がいいなら偉そうにしてもいいのかよ!!!!」
一番偉そうなのはお前らだと言おうと思ったが呼吸困難で言葉が言えない。
そして、10分程やると彼等も飽きたのか去って行く。
僕はスクッと立ち上がると自宅へ向かって歩き出す。
「ふう、今日もいつも通りで平和だなあ」
そんな、言葉をつむぎながら。