ロリック POV:噂の重み
初めてヴィルヘルムの妹を見たとき、俺は七歳だった。エルスベスは、確か三歳くらい。家の外の階段に座っていた。母親は裏庭で忙しくしていた。午後の日差しが長い影を落とす中、彼女は独りだった。完全に、まったくの独りだった。
そのまま通り過ぎるところだった。ほとんど、そうしていた。
でも、何かが俺を立ち止まらせた。何かが、俺を軒先の影に引き戻し、見つめさせた。
彼女は、これといって特別なことはしていなかった。ただ、座っていただけだ。膝の上には人形――あの、擦り切れた、継ぎ接ぎだらけの、縫い付けた目と褪せたドレスのやつ。彼女はそれを大切そうに、優しく抱えていた。まるで、世界で一番大切なものであるかのように。
彼女が動き、人形の位置を直した時、その横顔が一瞬見えた。
悲しそうでは、なかった。最初にそう思った。悲しんでいると思っていた。村の噂は、彼女を哀れで壊れた者のように描いていた。でも、彼女の表情は……穏やかだった。集中していた。彼女は自分だけの世界にいた。人形が本当の友達である、静かな場所。
*人形で遊んでるんだな*、と思った。*ただの……子どもなんだ*。その気づきは、あまりに当然で、恥ずかしいほど当然だった。でも、村は長いこと、彼女が*何であるか*――無色で、欠陥で、間違っている――を語りすぎて、彼女が一人の人間でもあることを忘れさせていた。人形を持った、小さな女の子だ。
長く見すぎた。家の向こう側を、子どもたちの集団が通り過ぎていった。笑い合い、追いかけっこをしている。彼らは庭に入ってこなかった。声をかけもしなかった。彼女の方に、ちらりと視線すら向けなかった。まるで、彼女の周りには見えない壁があるかのようだった。社会から完全に排除するという、本能になるまで完成された障壁。
エルスベスは顔を上げなかった。ただ人形と遊び続けていた。その小さな指で擦り切れたドレスを整え、唇は微かに動き、彼女だけに聞こえる静かな会話をしている。
*いつも、独りなんだな。*
その考えは、重くのしかかった。自分の子ども時代を思う――遊び、喧嘩、絶え間ない兄弟や近所の子らの騒音。自分から求めなければ、真の孤独など知らなかった。この少女は……その中に生きていた。毎日。人に囲まれながら、決して一緒にはいない。
小さな子ども、五歳くらいの男の子が、転がるボールを追いかけて裏庭に迷い込んだ。エルスベスを見て、立ち止まった。一瞬、好奇心に満ちた、無邪気な顔をした。その瞬間、どこからか母親の声が、鋭く警告するように響き、男の子はボールを掴んで逃げ出した。まるで彼女の家の裏庭そのものが呪われているかのように。
エルスベスは反応しなかった。ひるみもしなかった。ただ人形のドレスを整え続け、その顔は注意深く、ひどく無表情だった。
胸が締め付けられた。
*奴らは、子どもに彼女を避けるよう教えてるんだ*、と気づいた。*その理由すらわからないうちに。*
耳にした噂を、何の気なしに使っていた言葉を思い出す。*無色。欠陥。空白*。ただの音の羅列で、便利なレッテルだった。でも、この小さく、孤独な姿を見て、初めてその言葉が本当は何を意味するのか理解した。
これだ。この空虚さ。この沈黙。世界から何も期待しないことを学ぶ子供。世界がとっくに、彼女は何も値しないと決めたからだ。
俺が抱いていた偏見――それは、俺自身のものではなかった。借り物だった。受け継いだものだった。周りの空気から吸収したものだった。それが本当かどうか、一度たりとも問うたことはなかった。ただ……受け入れていた。
*ただの女の子だ。*
その思いが繰り返す。単純で、打ちのめすほどに。人形を持った、ただの女の子。誰も遊んでくれないから、独りで遊んでいるだけの。
胸の奥で、何かが変わった。心地悪い、まるで恥のようなものと、その下にある、もっと柔らかな何か。それを育てれば、もしかしたら、気遣いに変わるかもしれない何か。
その日は、彼女に近づかなかった。まだ、準備ができていなかった。でも、俺は変わってその場を去った。その小さな姿のイメージが、記憶に刻み込まれて――石の壁の上で独り、唯一の友達と黙って話す、その姿が。世界が見えない線の向こう側を通り過ぎていく間もずっと。
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俺たちは友達だった。ヴィルヘルムと俺は。一緒に育ち、一緒に戦い方を覚え、一緒に衛兵訓練を夢見るような友達だ。自分の家よりも彼の家にいることの方が多かった。鍛冶場の暖かさ、フリーダがいつも焼きたてのパンを用意してくれていること。
彼の妹は、ただ……そこにいた。
静かだった。いつも静かだった。彼女はあの擦り切れた人形と一緒に隅っこに座っているか、母親の小さな手伝いをしているか、あるいは頭の中に作り上げた世界にただ消えているだけだった。無視していたわけでは、正確にはない。ただ、見えていなかったのだ。彼女は家具だった。背景だった。額の無色の印が彼女について一番興味深いことで、それさえも、しばらくすると気にしなくなっていた。
でも、村は気にしていた。
井戸端で、市場で、子どもたちが聞くべきではない大人の会話の合間で、囁きを耳にした。
「まったく色が出ないんだと。一瞬たりとも。」
「可哀想に。辛い人生だろうな。」
「家族も大変だ。人は噂するからな。」
疑問を持たずにそれを吸収した。彼女は違う。違うということは距離を置くということ。それがルールで、教えられたと意識することなく、それに従っていた。
ヴィルヘルムを呼びに行くとき、雨の日でも外でノックして待っていた。もし庭で彼女を見かければ、目をそらした。小道で彼女とすれ違うときは、反対側に何か面白いものを見つけた。残酷さからじゃない――名前を呼んで罵ったことは一度もない。ただ、**不在**。意図的な、見ないふり。
年月が経った。俺は成長した。彼女も成長した。何も変わらなかった。
そして、ある午後、全てが変わった。
その数日後、ようやくヴィルヘルムに尋ねた。鍛冶場で、彼がナイフを叩いている間、父親は店の前にいた。何気ないふりをして、たまたま思いついたかのように訊ねた。
「お前の妹、あの……ほら、色の件。」
ヴィルヘルムの顔が強張った。何かが一瞬走る――怒り、防御――それを彼が抑える前に。彼の特徴を横切った。彼がそれを制御する前に。「彼女がどうした?」
肩をすくめた。不安定な場所に足を踏み入れたような気分だった。「別に。ただ……人が噂してる。お前は気にしてるのかって。」
彼は長い間黙っていた。練習用の刃の端を砥石で研いでいた。話し出した時、その声は低く、平坦だった。
「彼女は俺の妹だ。それだけが大事だ。」
*それだけが大事だ。*
その言葉は、静かな水の中の石のように、俺の胸に落ちた。自分の兄弟たちのことを思う――騒がしくて、普通で、色属性を持つ兄弟たち。彼らを愛している。それは簡単なことだった。乗り越えるものは何もなかった。
ヴィルヘルムにとっては、簡単じゃなかった。それは見て取れた。彼の目の奥の悲しみ、彼女と世界の間に自分を置く、あの保護するような姿勢、愛の中にさえも保っている注意深い距離――それら全てが、俺には完全には理解できない重みを物語っていた。
*それでも、彼は彼女を愛してるんだ。*
その気づきは、俺を不安にさせた。*彼女が……そういう存在でも。*
その夜、横になったまま、あの会話が繰り返し再生された。石壁の上の少女のことを考えた。ヴィルヘルムの静かな宣言のことを考えた。村の判断を、それが本当かどうか一度も問わずに、ずっと受け入れてきた年月のことを考えた。
*俺は、彼女について、実際に何を知っている?*
その問いは、心地悪かった。答えはさらに悪かった。何も。噂以外には何も知らない。囁き。彼女は劣っていると決めつけた人々の、集団的な残酷さ。
一晩で変わったわけじゃない。村の世論の重みは、簡単には脱ぎ捨てられない大きなものだ。でも、何かが変わっていた――気づかぬうちに築き上げてきた思い込みの壁に、ひびが入った。
エルスベスが色属性の検査を受ける前日、ヴィルヘルムを迎えに彼の家に行った。
彼らは台所にいた。それだけで異例で、俺は入り口で立ち止まった。ヴィルヘルムがエルスベスの手伝いをしていた。彼女が豆のさやをむいている間。
そして、突然、何の脈絡もなく、エルスベスが俺に尋ねたんだ。自分の検査の時、怖かったかって。俺は正直に言った。自分が無色だったらどうしようって、怖かったって。
翌日、検査は俺たち二人が恐れていたことを確定させた。エルスベスは無色だった。
司祭の顔が全てを物語っていた。あの訓練された同情。あの注意深い距離。彼女が突然、壊れ物になったかのように。憐れむべきものになったかのように。
でも、彼女が教会を出て歩くのを見た時、その背筋は噂にもかかわらず伸びていて、俺は予期せぬものを感じた。
悲しみじゃない。
**心配**。
だって、次に何が起きるか知っていたから。教会は始まりに過ぎない。本当の傷は村から来る。彼女を避けて道を渡る隣人たち。親が急に遊べない理由を見つける子どもたち。人をゆっくりとすり減らし、ついには自分がそれに値すると思い込ませる、あのゆっくりとした、容赦ない孤立。
前にも見たことがあった。自分自身も経験した。
そして、俺は心の底から怖かった――本気で怖かった――それが彼女を壊してしまうんじゃないかと。
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それから数日後のある午後、ヨルンと彼の仲間のバカどもがエルスベスを苛めているのを見つけた。最初は、介入しようか躊躇した。でも、階段の上のあの少女のことを考えた。人形のことを。沈黙のことを。まるで世界で唯一の大切なものであるかのように、人形のドレスを整えていたあの仕草を。
顎が強張った。自分が何をしているか気づく前に、体が動いていた。角を曲がり、路地へと足を踏み出していた。*今日*、俺は選んだ。介入した。何か言った。そして、胸の奥深くで、長い間眠っていた何かが目を覚まし、伸びをした。
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俺たちの誰も、次に起こることへの準備はできていなかった。
広場は混沌としていた――悲鳴、炎、崩れる梁の砕ける音。そして、その中心には、俺には処理できないものがあった。純粋な炎の塊、そびえ立ち、恐ろしく、無差別な破壊とは無縁の意志を持って動いている。
その時、彼女が見えた。
エルスベスは瓦礫の中に跪いていた。彼女の父が、彼女の隣に折れ曲がって倒れている。遠くからでも、彼の変わり果てた姿がわかった――焦げた服、恐ろしいほどの動かなさ。そして、彼女のあげた声は……人間のものじゃなかった。魂が砕ける音だった。
彼女に向かって歩き出した。何ができると思ったのかはわからない。ただ、動かなければ、とだけ思った。
三歩も進まなかった。
彼女から光が爆発した。火じゃない――別のものだ。もっと古いもの。ペンが彼女の手に現れた。エレメンタルの炎をかすませるほどの怒りを宿して輝き、彼女はそれを振るった――*描いた*。
円が次々と炸裂した。水、氷、風――三つの属性が同時に、彼女から波となってほとばしり出た。ありえないはずの力だ。彼女は、具現化した嵐だった。悲しみと怒りと、見つめるのも辛いほどの生々しい力の奔流。
止まった。動けなかった。息もできなかった。
エレメンタルがよろめいた。原初の炎の塊が、この少女に――人形と独りで遊ぶのを見てきたこの少女に、市場から一緒に歩いて帰ったこの少女に――押されていた。氷の槍がその体を貫く。水がその核に打ち寄せる。エレメンタルは叫んだ。その声は、勝利の叫びではなく、苦痛の声だった。
*彼女が、傷つけてる。*
その考えは、ありえなかった。エレメンタルは痛みを感じない。エレメンタルは退却しない。
でも、これは退却した。
俺は凍りついたまま、妖精王が降臨し、その生物が頭を垂れて消え去り、混乱が徐々に静まるのを見ていた。でも、俺の目はその宇宙的な存在には向いていなかった。彼女に向いていた。
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ヴィルヘルムとエルスベスは、父と共に教会へ行った。彼らが中に入ってしばらくしてから、突然、教会から光が広がった。それが触れた傷ついた者たちは、傷が癒えた。砕けた骨が元通りになった。
彼女は、彼ら全員を癒した。
**全員を。**
俺は広場の端に立っていた。今はもう混乱はなく、無傷だった。彼女は、俺が今まで見た中で最も強い人間だった。力のせいじゃない――それは確かに、俺の想像をはるかに超えていたけど――彼女がその力で*したこと*のせいだ。彼らが彼女にしてきた全てのこと、彼らが言い放ってきた全てのことの後で、彼女は彼らを癒した。ためらいなく。無条件に。
理解が、胸の中で結晶した。ペンの光のように、硬く、明るく。
*これが、彼らが「無色」と呼んだものだ。これが、彼らが避けたものだ。これが。*
彼らを燃えさせるままにしておくこともできた少女。見捨てることもできた少女。どんな正義の基準でも、そうする*権利があった*と言える少女。
その代わりに、彼女は彼らを救った。
路地でのことを思い出した。あの少年たち。彼女の頬の涙。彼女がうつむきながら市場を歩き、彼らの断罪を雨のように浴びていた、あらゆる時を思い出した。石の壁、人形、果てしない孤独を思い出した。
*彼女は、決して弱くなかった。*
**待っていたんだ。**
何かを?誰かを?それともただ、耐えていただけなのか。それが彼女のすることで、彼女がずっとやってきたことだから。俺たちの残りが目をそらし、それを何でもないと呼んでいる間もずっと。
**途方もない。**
その言葉が、重く、永劫に、俺の中に沈み込んだ。彼女について、力について、強さとは何かについて、俺が知っていると思っていたこと全て――それは、一から作り直さなければならなかった。
彼女は弱くなかった。彼女は弱さの対極だった。灰色のドレスを纏った自然の力だった。そして俺は、世界が無理やり目を開かせるまで、それを見ることができなかった。
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朝は灰色で寒く、彼女が家から出てきた。俺は庭の端に立っていた。
あのペンダントは、襲撃の日からずっとポケットに入れていた。何年も前に小川で見つけて、ずっと持っていた。なぜか……**揺るがない**感じがしたから。壊れないもののように。
今、彼女は去ろうとしている。一晩中練習した言葉は、消え去った。
一歩踏み出した。心臓が激しく打っている。「エルスベス」――彼女の名前は、変に聞こえた。硬すぎて、生々しすぎた。
彼女が振り返った。あの灰色の瞳。まるで俺が本当に価値があるかのように、俺を見ている。
首から紐を外した。石は肌の温もりで暖かい。「大したものじゃない」――自分で言って、目を合わせられなかった。「ただの石だ。でも、しっかりしてる。変わらない。」
差し出した。*もっとマシなことを言えよ、バカ。伝えろ……*
でも、もっとマシな言葉は見つからなかった。ただ真実だけがあった――*これを持って行って。覚えていて。何か普通のものを。世界の他のもの全てがそうするときに、お前を見捨てないものを。*
彼女がそれを受け取る時、指が俺の指に触れた。その感触が、焼き印のように残った。
「他の全てがそうする時に、これを持っていろ」――そう言った。
足りない。決して足りないだろう。でも、それが、俺にできた全てだった。
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ヴィルヘルムが短剣を渡すのを見た――彼の手が震えながら差し出すのを見た。母親が外套を整える。言葉は遠くて聞こえないけど、その意味は明らかだった。父親は、まだ弱々しいけど立っていて、長い間彼女を抱きしめた。
俺は待った。
妖精王が――たとえ力を抑えた姿でも、間違えようもなく――羊皮紙とペンを持って前に進み出た時、家族の涙が溢れた時、もう時間だとわかった。
彼女の手から光が生まれた――柔らかく、暖かく、あの襲撃の日の怒りとは全く違う。彼女は宙に描いた。咲き誇る印は、言葉にできないほど美しかった。
そしてそれは、金の粉となって砕け散り、彼女の家族の上に祝福そのものが可視化されたかのように、舞い降りた。
それが彼らの肩に、髪に降り積もるのを見た。彼らが魔法とは違うけど、魔法と言ってもいいほどの何かで輝くのを見た。母親の涙。父親の震える手。ヴィルヘルムの畏怖の念を込めた沈黙。
一粒の埃が、俺の方へ漂ってきた。動かなかった。それは俺の腕に落ち、囁くような約束のように暖かく、肌に染み込んだ。
一瞬、感じた――**揺るぎなさ**。**繋がり**。そこに立つ全員に注がずにはいられないほどの、広大な愛。
妖精王が手を差し伸べ、彼女はそれを取った。彼女が妖精王と共に去っていくのを見た。俺には想像もつかない運命へ。そして、胸の奥で何かが砕けるのを感じた。
*帰って来い*、と心の中で思った。言葉にならないまま。*帰って来い、そうしたら、何年も前に言うべきだったことを伝えるから。今、お前が見える。ずっと見ているって。*
でも、彼女はもう消えていた。彼女に値しない村と、ようやく自分が何を失ったのか理解し始めたばかりの少年を残して。
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ヴィルヘルムは鞴のところにいた。革を規則正しいリズムで動かしている。あの夜以来、彼はほとんど口をきいていなかった。家族の誰もがそうだった。
とうとう、我慢できなくなった。
「彼女は、何なんだ?」――言葉は、意図した以上に荒く出た。「お前の妹は、何なんだ?」
ヴィルヘルムの手が、鞴の上で止まった。二人の間で、火がパチパチとはぜて、長い影を落とす。
「彼女は、奴らがずっと呼んできた通りのものだ」――彼は静かに言った。「無色だ。」
「それはわかってる。でも、あれは……」俺は、おぼろげに、無力に手を動かした。「あの広場での出来事は、何でもなんかじゃなかった。あんなのは……今までに見たことがない。妖精王は彼女を『創造者』と呼んだ。それが何を意味するんだ?」
ヴィルヘルムは長い間黙っていた。話し出した時、その声は新たな理解の重みで沈んでいた。
「妖精王が昨夜、両親のところに来た。全部説明してくれた。」彼は鞴を置き、完全にこちらを向いた。「色っていうのはな、**限界**なんだ。**フィルター**だ。普通の人間は一つの属性、一つの流れを得る。火とか水とか風とか。それは……人生で一つの道具だけを与えられるようなものだ。」
ゆっくりとうなずきながら、理解しようとした。
「エルスベスには、フィルターがない。」ヴィルヘルムの声が少し掠れた。「彼女は何も持たずに生まれた。なぜなら、**全てを持って**生まれたからだ。一つのものになる前の、原初の可能性。妖精王は言った。彼女の魂は、源そのものと共鳴している――属性に分かれる前の、魔法の源泉と。」
その言葉は、深い水の中の石のように、俺の胸に落ちた。
彼らがずっと欠陥と呼んできたもの全てが……実は、**才能**だったんだ。
長い年月のことを思った。数え切れない囁き。彼女がうつむきながら市場を歩き、彼らの無言の断罪を雨のように浴びていた、あらゆる時を。路地での少年たち、その残酷に上げられた手。言葉を発する前に彼女を避けることを覚えた子どもたち。
**彼らは間違っていた。全員が。俺も含めて。**
「妖精王は、前に彼女のような者を育てたことがある」とヴィルヘルムは続けた。声はかすかだった。「その者は……墜ちた。力に蝕まれて。魔王の将軍の一人になった。だから、エレメンタルが襲ってきたんだ――自然の秩序を超えた何かを感じ取って、それを破壊しようとした。」
頭の中がぐらぐらした。人形を持った少女、路地の中の静かな存在、父を救い、純粋な炎の塊を傷つけた癒し手――彼女は、怪物と同じ可能性を宿している。
でも、彼女は怪物じゃない。それはわかっていた。初めて彼女が独りで遊んでいるのを見た時から、なぜかわかっていた。
「じゃあ、彼女は……」言葉が途切れた。
「彼女は、この世界で最も強力な存在だ」とヴィルヘルムは言った。「あるいは、そうなるだろう。修行を生き延びれば。そして、最も狙われる存在でもある。」
鍛冶場は、火のパチパチはぜる音を除いて、静まり返った。
炎を見つめた。思考は嵐だった。*欠陥。空白。無色。*その言葉は、とても簡単で、とても自然だった。知る前の俺自身も使っていた。*前は*、彼女が壁に座り、人形に話しかけているのを見ていた。*前は*、彼女が目に涙を浮かべて傷ついた者たちを癒すのを見ていた。
俺たちは彼女を「無」と呼んだ。そして彼女は、「全て」だった。
胸の奥で、何かが根本的に変わった。あの憐れみ――あの心地よくて、距離のある感情――は焼き尽くされ、代わりにもっと硬く、もっと激しいものが入ってきた。尊敬。その力に対してじゃない。それは確かに否定できないけど。**彼女自身**に対して。何年もの孤立を、残酷になることなく耐え抜いた少女に対して。自分を避けてきた人々を癒した少女に対して。広場に立ち、自分自身のことではなく、救った父のために涙を流した少女に対して。
「彼女は、一度だって……」声が詰まった。「あの長い年月、一度も反撃しなかった。彼らを呪わなかった。一度も……」路地での少年たち、彼女の静かな忍耐を思った。「どうやって?」
ヴィルヘルムはゆっくりと首を振った。「わからない。俺は何年も、哀れむような目で彼女を見て、距離を置いて愛することで、彼女を守っていると思ってた。それで十分だと。そうじゃなかった。決して十分じゃなかった。」
その告白は、生々しく、正直に、二人の間に漂った。
もっと早くに声を上げ、介入し、遠くから見ているだけの観察者ではなく、友達になれたはずの、あらゆる時を思った。市場。井戸端。擦り切れた人形以外に誰もいなかった、あの長い年月。
「ごめん」と心の中で思った。その言葉は、もういない、もう星の光の領域へと通じる門をくぐってしまった少女に向けられていた。*もっと早く気づかなくて、本当にごめん。*
でも、今、気づくことが大事だ。今、理解することが大事だ。
「彼女は永遠にいなくなったわけじゃない」と、俺は静かに言った。自分自身に言うように、あるいはヴィルヘルムに言うように。「妖精王は、手紙を書けるって言ってた。あのペンと羊皮紙で。血をインクにして。」
ヴィルヘルムはうなずいた。「母さんがもう最初の手紙を書いた。泣きながら書いてたけど、書いた。」
自分の手を見下ろした――普通の手。物を持ち上げ、建て、戦うことができるが、魔法は使えない。創造はできない。かつてエルスベスの苦しむ者たちに振り上げられたが、あの路地での日まで、彼女を守るために振るわれたことのない手。
灰色の服の少女、無色の者、静かな影――彼女は、そんなもののどれでもなかった。彼女はエルスベスだった。そして彼女は、今までも、これからもずっと、**それだけで十分**だった。
本当はバレンタインデーに投稿する予定だった、ロリック視点のお話です。
少し遅れてしまってすみません……!
リアルの事情でタイミングを逃してしまいました。
甘い雰囲気というよりは、「想いの重さ」に焦点を当てた回になっています。
エルズベスを取り巻く噂や、ロリック自身の葛藤を、少しでも感じ取っていただけたら嬉しいです。
いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします。




