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エーテルの光  作者: 鳳龍
第三章
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社会改革の始まり ①

サクラの発明が次第に成果を上げ、周囲の社会に大きな変革をもたらし始めた。農業革命と新しいエネルギー源の開発により、都市部の生産性が向上し、食糧供給も安定し始めた。しかし、サクラの革新が進むにつれ、旧態依然とした支配層や貴族たちの反発は強まっていった。


「サクラの技術はすごい。しかし、それが広まることが、貴族たちにとっては脅威になるのは明らかだ」。カインは、サクラの発明が周囲に与える影響を冷静に分析していた。


サクラは少し考え込み、答えた。「もちろん、私たちがやっていることは既存の体制を揺るがすものよ。でも、私はこの世界の人々にとって、本当に役立つことをしたい。それが、彼らの未来をより良くするための方法だと思うの」


サクラは、ただ技術を広めるだけでなく、社会全体を変えるための一歩を踏み出すことを決めた。それが、彼女の次の計画であった教育改革だった。異世界では魔法の教育はあっても、一般的な知識を学ぶ機会がほとんどなかった。サクラは、この不平等を解消するために、まず庶民にも学問の機会を与える教育制度を作ろうと考えた。


「最初は、小さな学校を作って、学びたい人たちに開放しましょう」。サクラはカインに提案した。「私の技術を使って、教育の効率を上げる方法も考えられるはず。あとは、教科書や教材を整えて、基礎的な知識を身につけることから始めるのよ」


カインはサクラの意気込みに賛同した。「君のその想い、しっかり受け止めるよ」


サクラは、まず最初に魔法と科学を融合させた製鉄技術を開発し、それを基に新たな産業を起こすことにした。新しい製鉄技術は、エーテルと現代科学を組み合わせて鉄の生成過程を効率化し、従来の方法よりも遥かに高い生産性を誇っていた。これにより、鉄の供給が増え、都市や村の建設に必要な資材が潤沢に提供されるようになった。


新しい産業が発展するにつれて、サクラの社会的地位も向上した。彼女は周囲の人々に支持され、次第に都市の支配層や有力者たちからも注目される存在となった。しかし、この変化はもちろん、すべての人々に歓迎されるわけではなかった。


ある日、サクラは王国の貴族たちとの会合に招かれることとなった。貴族たちの中には、サクラの改革を脅威と感じ、彼女を排除しようとする者もいた。


「サクラ殿、あなたの発明が広まることで、我々の立場が危うくなる」。保守的な貴族の中から前に進み出たジェラルドが、冷たい眼差しを向けながら言った。「貴女が導入した新しい農業技術やエネルギーシステムは、私たちの利益を損なう可能性がある。もう少し私たちの立場を考えたらどうかね?」



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