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年末なんだよ

まだ続けようと思います。

ちゃんと読めるよう努力します。

朝から婆さん達に付き合って、なんとなく疲れたせいかいつもより出勤時間が遅くなった。

午後7時半ころに自宅を出てターミナル駅に着いたのは8時過ぎ。

すでにタクシープールには2列ほどの順番待ちが発生している。

この駅以外は[縄張り]があって勝手に入ることはできない。そこにいるドライバーに出てけと言われるからだ。

駅に乗せて行ってお客を降ろしたとき、タクシーが1台もいなくてお客がいれば乗せて行くドライバーもいるが、[泥棒]と呼ばれる行為であまり良い事とはされていない。それでもお客さんには関係ないので手を挙げられれば乗せないと行けないのもあるんだが。

40分ほどかかって回ってきた順番で乗せたのは繁華街。ワンメーターの距離。

昔ならお釣りは要らないとチップになったが、クレジットカードやペイでもらうことが増えたので、うまみもない。

結局、最初の1時間は時給600円にもならない。メータは800円でも経費を考えると3割引いて500円ちょっと。

2回目3回目と回数をかさね5回目の順番待ちで12時をまわった。

この駅の最終電車の到着時間は12:24。

これで終わりだなって考えていれば、最後も繁華街の手前、500円だった。

【24:12】

戻っても乗せられるか分からないし、そのまま繁華街の大通りを抜けよう。少し進んだところにある駐車できるスペース停車し、通りを眺めた。

ほぼ、人はいない。

バブルのころ通ったビリヤード場、居酒屋やバー、残っているのはチェーン店。

コンビニの入ったマンションになったタバコ屋。

寂しい感じがするが地方の繁華街なんてこんなもんだろう。

東京が特別なんだと思う。

ちょっとチャラい感じの3人組が歩いてきた。

チャラいというかいかにもホストって感じだ。

そのうちの1人が寄ってきたのでドアを開ける。

「高井団地まで。」

座ってすぐに言われたので、

「国道で行っていいですか?」

と、道順を提案、了承があったので、車をだした。

5分ほどで繁華街から国道へ、国道を10分も走れば両側にちらほらたんぼや畑が見えてくる。

「たっくんパパてすよね?」

バックミラーでチラッと見ただけだとわからなかったけど、長男と同級生のかずくんだった。

「全然わからなかったよ、メイクしてるんだね。」

髪をキメ、メイクをし少し派手な感じのスーツ。よく見れば分かるぐらいの面影しかなかった。

頑張って、営業かけて、酒を飲み、カラオケを歌って、衣装にお金をかける。それでもお客がつかないと売り上げがない。問題にもなったような売掛にならないように遊んでもらっても、それほど売り上げにならないそうだ。

「ホストって思ったほど儲からなくて、もうやめようかと思ってるんです。」

「月並みだけど、何でも一緒だよ。オジサンなんか今日の売り上げ8000円ちょっとだよ。経費抜いたら5000円位、それでも生活してるんだから。」

偉そうなことも言えず、かと言ってためになるようなことも言えない、ダメな大人に相談されてもね。

「それでも踏ん切りつけないとズルズル行っちゃいそうで。」

「そうだね。自分で決めないとね。」

高齢者の免許も結局自分で返納決めないと、まだ乗れる、おれは大丈夫ってズルズル乗ってて事故起こしたりしちゃうんだよね。子供が辞めろって言われて爺さんドライバーなんかおれはまだ大丈夫って、駅のロータリーにつっこんでたし。

「俺が言うことじゃないけど、自分で決めたなら、ホスト続けても辞めてもいいんじゃないかな?オジサン、ズルズル30年もドライバーやってるけど、決めたのは自分だから、誰かのせいにできないんだよ。親に辞めろって言われて、次の仕事についてうまくいかないとき、親のせいだって次の仕事も続かないよ?」

「そうですよね、、」

そのまま黙ってしまった。

高井団地は駅から20数分でついた。 

かずくんだと分かった時点でメータは止めた。

降りるとき、いつもなら5000円は行くのにっ払おうとしてけど、オジサンの偉そうな話に付き合ってくれたこと、帰り道だからと1500円だけもらった。

頑張りますと降りていった。

ここからなら15分もかからず帰れるし、帰って寝るか。

知り合いを乗せることもおおいけど、まさか子供の同級生を乗せるとは思ってもみなかった。

乗せてもおかしくはないんだけど。

その上、悩み相談とか似合わない。

ここは少し高台のせいなのか、たまたまなのか、ほぼ正面に月が見えた。細く口角が上がった口元みたいなつきだった。

お前なんかが偉そうにって、月が笑ってるように思えた。

やっと、タイトルの回収ができました。

まだまだ書きます。

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