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接近

「すみません。初めての現場でテンション上がちゃって。」


二人は現場を後にして、みどりの車が止めてある駐車場に向かっていた。


「気にすることないわよ。失敗は誰にでもあるんだから。それに監督の目にとまるだけの魅力が、君にはあるの!私がスカウトしたのだって、それが理由の一つでもあるんだから、もっと自信もっていいのよ。」


「ありがとうございます。ただプロとして、自覚が足りてなかったです。」


「まあね、君が主役の物語なら、大いに目立っちゃっていいと思う。ただ今回君は、あくまでエキストラ。主役の人に被るなんて、絶対にしちゃだめ。だから、監督さんもあそこまで厳しく言ってくれたんだと思う。それに、撮影中どこか気持ちが虚ろだったでしょ?それも原因の一つだと思うなー」


「え、そんなに様子変でしたか?」


「えー、何か糸が切れたみたいに、集中できてなかったわよ。」


(確かにあの時、凛さんや咲ちゃんに見とれてはいたけど、外からみてて分かるくらいに、集中できてなかったのか。)


「初めてだし、仕方ないねって言ってあげたいけど、監督さんも言ってたように厳しくしていかないとね。今回の失敗をばねにして、明日からレッスン頑張るのよ。」


「はい。頑張ります!」


「よし!良い子ね。」


彼女が彼にエールを送ると、思わず彼はにやけてしまう。


「うん?どうしたの?」


「あ!いえなんでも。」


(やべー見惚れてたー。みどりさんのためにも、頑張んないとだな。)


「危ない!」


「え?」


みどりが声をあげた次の瞬間、白斗の体は勢いよく、彼女の身体に引き寄せられる。二人の時間が止まる。


(え!なにが起きた?てかやばい。この体制は、めっちゃどきどきする。)


「きゃっ!ごめんなさい。」


「あ!いえ!こちらこそ!」


お互いに照れながら距離をとる。二人の横を勢いよく過ぎ去っていった、バイクが止まり男が降りて来る。


「ああわりぃー、めっちゃ急いでて。」


(ん?どこかでみたことあるような。)


「あれー?てかみどりちゃんじゃん!どうしたのー?こんなとこで。てかそいつだれ?」


「あ、あなたには関係ないでしょ!行こう白斗くん。」


彼女は、彼の手をとり車に乗り込む。


「ふーん。あいつが新しく連れてきた男か、あ!やべ!時間ギリじゃん!急がねーと!」


男がその場からいなくなると、みどりはその場でため息をつく。


「えっと、危なかったですね。俺も不注意でした。大丈夫ですか?」


「ばか!大丈夫じゃないわよ!あなたまで私の前からいなくなるの!?」


「え、」


「いえ。ごめんなさい大丈夫。今度から気を付けてね、白斗くんはもう特別な存在なんだから…ううん、なんでもない。さ!帰ろうか。」


(みどりさんどうしちゃったんだろ?まあ特別な存在ってのは嬉しいけど、どうせ事務所にとっててことだろうな。てかさっきの男、どっかで会った気がするけど誰だろ?知り合いぽかったよな?芸能関係者だよな?あそこにいたってことは。暗くてよく顔見えなかったなー。)

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