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翌朝、空一面青の世界が広がり、雲一つない撮影日和となった。今日撮影されるドラマは、白斗も好きな有名女優、黒崎凛も出演する人気ドラマ色恋の日々である。撮影現場に入ると、早くも彼女がカメラの前にスタンバイしていた。

(うわ!本物の凛さんだ!!やばいめっちゃ興奮する…やばい!ん?今こっちみた!?)


「おはようございます!本日は色恋にエキストラとして参加していただきありがとうございます。皆さんには、凛さん演じる教育実習生の日兎美月が勤務する色日中学校の生徒として、撮影に参加していただきます。」


白斗たちは、ディレクターから説明を受ける。最初のカットは、美月が赴任してきたことを伝えるために開かれた全校集会から始まる。白斗たちは、その全校集会に参加している生徒ととして現場に入る。


「それでは撮影始めます。よーいアクション!」


監督の声と共に、カメラが回る。白斗は、凛さんの演技を間近で見れることに、テンションが上がっていた。


「カット!ちょっと。ちょっとそこの君!」


「ん?え俺ですか?」


監督と目が合い、彼は返事をする。


「そうだよ!君だよ!撮影初めてなの?動きすぎて被っちゃってるよ。」


「え?ほんとですか?すみません!」


「初めての撮影でテンション上がってるのは分かるんだけどねー、キャストよりエキストラが目立ってどうするのよ。全く。」


どうやら、凛より白斗の姿が目立って、カメラに映りこんでしまっていたらしい。


「凜ちゃんごめんね。それじゃあ再開しまーす。よーい!」


(まじかーやらかしたー今度は気をつけなきゃ。)


全校集会が終わると次は、美月が担当になるクラスのシーンが始まった。そこには咲の姿もある。


「初めまして皆さん。今日から一か月このクラスでお世話になります。美しい月と書いて美月です。ふふ覚えやすいでしょ。よろしくね!」


「おい。集会でみたときから思ってたけど、めっちゃ綺麗な人だなー」


「は?お前見る目ねーのかよ。あんなおばさんのどこがいいんだよ。」


男子がざわついてる姿をみてクラス委員の青山が注意を促す。


「ちょっと男子うるさいんだけど!」


「お前に関係ねーだろ?」


「どうして先生になったんですか?」


「好きな人っていますか?」


今度は質問タイムが始まる。


(あれ?好きな人って聞いたとき俺をみたような。)


「なんて呼んだらいいですか?」


(ん。このかわいい声は?咲ちゃんだ!今日もかわいいなー…にへへ)


「ん?また君か。悪目立ちしてるから今日はもう帰ってもらっていいかな?」


「え、」


「全くどこの事務所の子だよ。」


(またやってしまった。)


「すみません。うちの俳優がどうかしましたか?」


「ん?ああスターカラーズさん。いやね彼の動きがどうも目にとまって、撮影が進められないんですよ。彼、ちゃんとレッスンとか教育されてますか?」


「申し訳ありません。入ったばかりなんですが、現場を経験させてあげたくて。」


「まあそれはいいと思うんだがね、これじゃあ撮影進められないから、今日は帰ってもらっていいかな?次はもっと自然にいれるようにしといてちょうだい。」


「はい。わかりました。白斗くん帰ろう。」


「はい。」


「失礼します。」


「よし!じゃあ続けまーす。よーいアクション!」


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