元気娘は御伽話の主人公を観察する 参
少しずつ増えてくブックマークや評価に、ニマニマしながら書いていってる今日この頃です。
皆様ありがとうございます(*´ω`*)
さて今更ながら、この世界は、圧倒的ツッコミ不足です。
きっと画面の向こうで、皆様が何処かしらにツッコミを入れてくれてると信じています。
ようやく、道の突き当たりにある部屋以外の、全ての部屋のアリさん退治が終わりました。
ねぇねとフロイトさんペアの合計が一三八匹、シェス達の合計が一四二匹。シェス達の勝利です。
さらに討伐時間も、シェス達の方が早かったので、完全勝利なのです。キリッ。
「そ、そんな馬鹿な……!」
「討伐数は仕方ないだろう。奴ら、持ち場にしている部屋から出なかったしな」
「しかもアンナさん、いちげきで アリさんを やっつけるんですよー。すごいすごい」
(やっぱゴリラだ……)
今は、ねぇね達が担当していた最後の部屋のミツを集めながら、全部の触角を一まとめにしています。
ねぇね達のとシェス達の分は、あわせて二八〇匹。
でも、ねぇねが六本燃やしたから、集まったのは二七四本の触角でした。
これに最初の部屋の分を合わせて、これまでで二九九本の成果です。うじゃうじゃなのです……。
最後の部屋にもアリさんはいるハズなので、シェス達の触角のお持ち帰りは、三〇〇越えが確定です。
……ねぇねが全部燃やさなければですけど。
ちなみにアリさんの女王様は、「襟巻き」という、顔と胸の間の女王様にだけあるフワフワを、討伐の証に持って帰ります。
「終わったぞ」
ミツを入れたツボは、三つめに突入しています。
道に出ると、アンナさんが部屋をふさいでくれます。
アリさんの巣はスゴいので、ほっとくと別の魔獣の家にされるのです。
「さぁ!最後の部屋では討伐数が二倍の、ボーナスステージよ!!」
「むぅー。ねぇねズルいのですー!」
「……ならば、そちらの圧勝だな」
……んん?
なんでシェス達じゃなくて、ねぇね達が圧勝なんでしょー?
でも、そのナゾに答えてくれたのは、アンナさんじゃなかったのです。
ギュィィィッッ!!!!
聞こえてきたのは、ガラスをひっかいた時の様な音でした。ぞぞー……っとしたのです。
「な、何なのよ!?」
「何かが、オレの壁に攻撃して来やがった!」
フロイトさんが、入口の方を見ながら叫んだのです。
入口は、アンナさんの提案で、フロイトさんの守護魔法でふさいでます。
もう別の魔獣が、お家の下見にきたんでしょーか?
……にしても、頑張りすぎです。
さっきから、キィーキィーってうるさいのです!
「どうする!?多分、三分も保たないぞ!」
「そのまえに、シェスのみみが しぬのですー!」
「二十秒もあれば問題ない」
キィーキィーうるさい中で、アンナさんだけ笑ってます。
「私が行く。ロイとフランメは、このまま女王蟻を頼む。シェスターは……来るか?」
「とーぜんです。シェスが おーえんして あげます」
どーやらシェスは、アンナさんに連れてってもらえるみたいです。
べつに、アンナさんを「つれてけー……」って睨んでた結果じゃないのです。
「待ちなさい!行くなら私が……」
「焼肉にしないと誓えるなら、代わっても良い」
「アンナ、任せたわよ!ケチョンケチョンにやっておしまいっ!!」
ねぇねが、アンナさんにゴーサインを出しました。
これで、ねぇねとフロイトさんがアリさんの女王の討伐、シェス達が入口のキィーキィーの解消を担当することで決まりです。
「ロイ」
「何だ?入口の壁ならまだちゃんと……」
「女王の襟巻きだけは死守で頼む」
「そこかよ……当然だろ。オマエも、ヘマすんなよ」
「大丈夫だ。私だって、挽き肉にされたくはないからな」
「オマエやっぱ意味分かんねー……」
アンナさんは、ちゃんとシェスの話を覚えてたみたいです。
カッコつけて「私が行く」って言ったのです。
「負けました」なんて結果だったら、シェスのポンポンが黙ってないのです。
「それじゃあ、今から二十秒後に守護魔法の解除を頼む。シェスター、行くぞ」
「おー」
アンナさんはそれだけ言うと、入口へ走っていきます。
「あー、アレは……」
シェスも続こーとしたら、フロイトさんの声がしたのです。
「どうしたんですかー?」
「いや、アイツの顔が……」
「……かお?」
シェスには普通のアンナさんの顔に見えたけど、何かついてたんでしょーか?
「昔、オレを笑顔でボッコボコにしてくれた時と同じだなーって……」
フロイトさんは、ちょっと目が死んでます。
いったいどんな幼少期を、アンナさんとフロイトさんは過ごしてたんでしょー……?
◇◆◇
フロイトさんとお話した分、アンナさんに遅れをとってしまいました。
少し前に、キィーキィーの音は止まっています。
なんとかシェスの耳は、生き残りました。ほっ。
外に出ると、傾いたお日さまが眩しーです。
それに――
グエェェェェェ!!
――せっかくキィーキィー言わなくなったのに、今度はヘンな鳴き声がうるさいのです!
アンナさんはすでに、グエーの魔獣と向きあっています。
魔獣はアンナさん二人分くらいの大きさで、全身がうすい茶色をした毛でモッコモコです。
ツメとキバが無かったら、可愛かったのに……。
……あ、目もグワッてしてるし、やっぱり可愛くないのです。
「――ビーネン蟻の蜜に、シャーフベーアの素材。今日はツイてるな。」
アンナさんは、グエーの魔獣――シャーフベーアを見上げながら言います。
シャーフベーアはアンナさんめがけて、鋭いツメを振り下ろします。
ドォーン!とハデな音がして、煙もモクモクですが、もうそこにアンナさんはいません。
アンナさんはシャーフベーアの後ろで、空間魔法にモコモコな物をしまっています。
煙が晴れると、シャーフベーアの左のわき腹がハゲてます。
ツメを避けるついでに、アンナさんが刈り取ったみたいです。
「歓迎するよ。貴様は今夜のご馳走だ――。」
シャーフベーアに剣を向けながら、アンナさんは今日一番の笑顔をしてます。
食べるのは良ーですけど、ちゃんとシェス達の取り分は、別でとっておいてほしーのです……。
これにてシェスターはターンエンドです。長かった…。
次回からは、再びアンナちゃんのターンをお楽しみ下さい。




