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戦乙女の帰還  作者: 鷺草
乙女の再出発
29/44

乙女はパーティーを組む


この回を書くにあたり、前回の会話の内容を微妙に修正しました。

具体的には某所を三文字程削りました。


当然、内容的には変更ありません(*´-`)





「な、何でよ!?」


いきなり挑まれた勝負を拒否した所、涙目の彼女に詰め寄られる結果となった。

少々、精神面が弱いのでは無いだろうか。


「何でも何も、【白の戦乙女】はアンナマリアで、私の二つ名ではない」

「うっ……」


どうやら舌戦は物凄く弱いらしい。

女性は早くも、言葉に詰まってしまった。


そもそも私は、あの二つ名がそれほど好きではない。

【白の戦乙女】とは、【黒の武将】であるベルンハルトとの対比の意味合いが強く、白というのは騎乗していた馬を差す。

ベルンハルトの対である事に悪い気はしないが、如何せんアンナマリア自身には、白の要素が皆無だった。

遠征で地方に赴いたり、戦場でも馬から離れてしまえば、【白の戦乙女】の謂れから紹介せねばならない事が多々あったものだ。


「それに、二つもランクが下の者に勝負を挑むなど、今度は貴女が弱い者苛めのレッテルを貼られるぞ」

「うぅっ……」


もっとも、これは私が心配せねばならない事かもしれない。

そろそろ本当に、彼女は泣きそうな顔になっている。


傭兵のランクというのは、各々に配布されているタグの色を見れば分かる。

魔獣課で支給されるタグとの違いは、二個一対の造りではない事。

そして、そもそもの素材が異なる。

魔獣課のタグは、魔力を含む金属製である。

対して傭兵の身分証代わりのタグは、魔力を含む水晶――魔水晶で出来ている。


魔水晶は水晶の名が付く通り、宝石としても人気で、様々な色のバリエーションが存在する。

傭兵ではEランクから順に、白・緑・青・赤・紫・黄の魔水晶製のタグを、ランクアップの度に作り替えられる。

ちなみに、使用済みのタグは美しく加工され、【ツンフト】提携の宝飾店で庶民でも手にしやすい価格で販売されている。


このタグは目につく所に着用する事が義務付けられており、現在Dランクの私は緑色のタグを、利き手である右の腕に着けている。

対する彼女は、チョーカーの如く首元に着けている。

色は赤――Bランクの証である。

まだ若いのに、相当の実力者の様だ。


「そもそも――」

「ま、まだあるって言うのっ!?」


彼女の叫びは悲鳴に違い。

本当にBランクとしてやって行けているのか、こちらが心配になる。


「そもそも、知らない人物とは関わらないというのが、我が家の家訓だ」


おつかいを任された時に、毎回母さまに口を酸っぱくして言われたものだ。

仕組みは不明だが、防犯対策の一環であるらしい。

そういえば先日、見知らぬ賊に絡まれてしまった訳だが、あれは声をかけられる前に排除した方が良かったのだろうか。


「ふっふっふ……。よくぞ聞いてくれたわっ!」


泣きそうだった彼女が、一変して自信ありげな表情に変わる。何とも面白い女性だ。


ところで、私は無意識のうちに何か尋ねていただろうか。

彼女が賊を事前に排除すべきだったか、今から教えてくれるのか。


「弱冠十五歳にしてBランクに登り詰め、ノーネ様の一番弟子として活躍する。【炎天家(えんてんか)】のフランメとは、私の事よ!」


どうやら賊の対処法ではなく、自己紹介だったらしい。

「知らない人」とは言ったが、別に紹介して欲しかった訳ではない。


しかし、懐かしい名前が出てきたものである。

ゼルドナに目を向けると、首を縦に振られた。彼女の言葉は真実なのだろう。


ノーネというのは、アンナマリアと共に教会で育った、同じ歳の女性である。

それぞれに【恩寵】を賜った後、一緒に傭兵登録をし、一緒にゼルドナの指導を受けた。

後にもう一人を加えた四人のパーティーで依頼をこなす事が多かったが、アンナマリアの騎士団入りがきっかけで解散し、彼女はシスターとして生まれ育った教会に戻ったはずだ。

彼女はアンナマリア達の怪我の回復を行い、時には最前線で己の拳を振るう、【破壊僧】の加護に相応しい活躍を見せてくれていた。

そんな彼女の一番弟子が、目の前のフランメなのだと言う。なるほど、強いはずである。


それにしても、【炎天家】にしろ【破壊僧】にしろ、神々は大喜利でもしているのだろうか。

今度、戦の女神クリーナにでも聞いてみようと思う。


「さぁ、私と勝負して、常日頃ノーネ様の語っていらした力を、私にも見せてみなさい!」

「断る」

「だから何でよ!?」


何やらノーネに色々と聞いていた様だ。これは後で個別に聞いておこうと思う。


私の力量を知りたいという事なら、別に勝負でなくとも良いだろう。

報酬も出ないのに、時間だけ取られるなど愚の骨頂である。

折角なので、たまには先輩の言うことを聞いておこうと思う。


「今日はこれを彼女と受ける」


私が指定したのは、今までよりも難易度が高めの――ゼルドナの言う大きめの依頼である。





脳内進行を文字に起こしてみると、細かい所に気付く様になります。


え、宝石のタグ使い捨てなの?勿体無くね!?


…今回気になって、急きょ某所に一文を増やしました(´-ω-`)w


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