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戦乙女の帰還  作者: 鷺草
乙女の再出発
25/44

乙女は傭兵登録をする


徐々に増えてくブックマークと評価に小躍りしてます。

ありがとうございますヽ(*´∀`)ノ♪


「そんなんダメです。もっと腰入れて、本気で踊らんと伝わりませんよ!」


……さいですか(´-ω-`)





信用第一。


いかに傭兵が自由度の高い職業だとしても、最低限守らなければならない事である。

自分本意な傭兵など、それこそゴロツキと変わり無いのだから。

だから、彼が怒り心頭なのは理解出来る。

理解は出来るが――


「――頼むから、もう少し広い場所でやってくれ」


何も入口を塞がずとも良いのではないか。

私は今正しく、この建物の中に用があるのだ。


「あ?何だ、嬢ちゃん」

「ただの新規登録希望者だよ。説教は入口そこから離れて続けて貰えると有り難い」

「……あぁ悪ぃ。ちょっと待ってろ」


ようやく自分が何処に留まっているか、理解してくれたらしい。

男は【ツンフト】の本部から出てきて――


「ゥオラッ!!」


――そのまま掴んでいた二人を投げ飛ばしてしまった。

投げられた方角には池があったはずなので、恐らく無事だろう。

もっとも、無事でなくとも興味はないが。


「……良いのか、アレで」

「アレぐらい出来なきゃ、傭兵としてやってけねぇよ」


果たしてそうだろうか。

傭兵はアンナマリアの頃に経験済みだが、あの頃の私に出来たかどうか……。

人を投げた経験など無いので、詳細は分からないが、案外出来たのかもしれない。


「で、新規登録だったな。ついてこい、嬢ちゃん」


男に続いて中に入れてもらう。

日が傾き始めたばかりの時間帯なので、それほど人は多くはない。

それでも依頼を見繕う者や、依頼の完了報告を行っている者もいる。

更に奥の部屋から時折話し声が聞こえるし、「訓練場」という名の隣接している空き地からも、威勢の良い声と模擬刀を打ち合う音が届く。


現在でも、傭兵稼業は繁盛しているようで何よりだ。


「嬢ちゃん、読み書きは出来るか?」

「問題ない」

「楽で助かるね。じゃあ、これ読んで問題なきゃ下の所にサインしてくれ」


渡された紙に目を通す。

初めに言ったが、いかに傭兵が自由度の高い職とは言え、守らなければならない事がある。

この紙は、それを簡潔に纏めた事が記されており、一番最後には署名するスペースが用意されている。要は同意書だ。


一.自分の力量に応じた仕事を選ぶ。

一.任務中の不測の事態は自己対応。

一.それに関する報酬の交渉も自己対応。

一.でも後でちゃんと報告してくれ。

一.受けた依頼は責任もって完了させる。

一.それでも無理そうなら帰って来い。安全第二。

一.人様に迷惑は絶対かけるな。信用第一。

一.傭兵の名を落とす行動を取った奴は、池に沈める。


「……随分と砕けた文言になったな」


アンナマリアの頃にも当然、同意書にサインはしたが、この様な話し言葉では書かれてはいなかった。


おまけに、最後に一項目増えている。


これに従って、あの二人は投げ飛ばされたのか。

実際に沈められなかっただけ、良かったのかもしれない。


「内容が頭に入りやすくて、良いじゃねぇか。つーか何だその言い方。前にも傭兵登録した事あんのか?」

「ああ、まぁな」

「おいおい、二重登録は困るぞ!登録証の再発行なら別でやってやる。確認するから名前言え」


慌てた男に同意書を取り上げられてしまった。

署名は済ませていたので、特に問題はないが。


「既に死亡処理されている筈だから、問題はないだろう。あの頃は、アンナマリアの名で登録していたよ」

「アンナ、マリア……」

「戦乙女の情報は、とっくに届いてるんじゃないのか?ルドー先輩・・


そう、私は彼を知っている。

この男――ゼルドナは、アンナマリアに傭兵の仕事のイロハを教え、時にはパーティーを組んで一緒に依頼をこなした人物の一人である。

今年四十五歳になる彼は、【水神の申し子】の【恩寵】を賜る現役のAランク傭兵であり、現在は【ツンフト】の本部長を兼任しているようだ。


「……ぉぉお前かぁぁぁーー!!!!」


本部長殿の絶叫は、王都の広い範囲に響き渡ったと言う――。





【よくある質問9】

A.この回で、アンナちゃんは傭兵登録出来たんでしょうか。


Q.アンナちゃんのサインが入った同意書を、ゼルドナ氏が受け取った(取り上げた)ので、登録完了……なんですかね(´-ω-`)?登録証を貰ってないので、まだとも言えます。


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