表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

冒険しながら人家を物色するババァ

― 4 ―


戦士ババァの血と欲望の旅が始まって3日が過ぎた。

相変わらずババァの戦い方は暴力的で、覚えた回復魔法でさえMP消費するからって理由で、薬草でまかなうほどだった。川を挟んだ橋を渡って敵のレベルもあがるってのに、ババァは貪欲にゴールドと経験地を稼いでいった。


「ガオォォー!」

「にひひっ、こりゃ強そうなモンスターだね!そうりゃ!」


襲い掛かる狼男の鋭い爪と牙を、はがねのつるぎで薙ぎ払っては斬り殺して毛皮を剥ぎ。


「ヒョッヒョーッ!」

「あん?戦士となったことで素の防御力が30を超え、防具も足した総防御力55を誇るあたしの鎧に傷をつけられると思っているのかい?このやろうが!」


鉄の手斧を振り回す獰猛なアックスマン達の攻撃は、欲望の虜となったババァに効くはずもなく。


「ファイアーボール!」

「痛つつ…!にひひっ…使い走りの魔法使いのくせにやってくれるじゃないかぁ…!戦利品落とさなかったら、あんたの一族皆殺しだからね!」


ダメージ7の火の魔法を使うマジシャン相手に、マジギレして、マジシャンの落とす宝箱アイテム『魔法使いの杖』(350ゴールド相当)を強要したりと、もうやりたい放題だった。


「にひひっ…ゴールドゴールド。たまらんね!この金貨を風呂にいれて、金貨の海でひと泳ぎしたい気分だよっ!」


今まで攻守ともに弱い(魔法を使わない場合)魔法使いとして鬱憤の溜まっていたババァは、攻守ともに優れる戦士になって、装備の充実と供に、とにかく半端ない強さで次の街まで駆け抜けた!


ヨネ レベル12

職業:戦士

HP:131 → 159

MP:42 → 42

装備:はがねのつるぎ

   :はがねのよろい

   :はがねのかぶと

所持品:やくそう×11 狼男の毛皮×105 手斧×79 魔法使いの杖×19 

所持金:5190ゴールド


「ふう、やっと辿り着いたかい。すっかり薬草も減ってしまったし、アイテムを売って、また買占めるとするかね!」


だが、ババァのついた街は、なんだか閑散としていた。

武器屋防具屋は勿論、アイテムを売り買いする道具屋、アイテム預かり屋まで居ない始末。

立て札は何物かにぶち壊された跡があり、宿屋の看板もボロボロに引き裂かれている。


「なんだいこのシケた街は。モンスターにでも襲われたのかねぇ…それじゃあ」


しかし、さすがは第二次世界大戦中、フィリピンマニラ沖で片手で重機関銃を撃ちながら、片手で高射砲を操って、足でバナナの皮をむいていたババァである。そこはそこで普通の人が良識の中で思う「町人はどうなった?」とか、「何でこうなった?」とか不安めいたことは考えず、逞しくも欲望に満ちた目と足で、金のありそうな人家を探し、情報集めと称して勝手に人の家のタンスや貴重品を物色した。


「にひひひっ…これぞ選ばれし者の特権ってやつだねぇ。うひょー!こいつは1000ゴールドじゃないか!にひひっ…役得役得」


ババァは金から食料から子ども用の靴下まで、ありとあらゆる物品を盗みに盗んだ!

そこらの悪徳集団窃盗団でも、この金と欲望にまみれたババァの前じゃ、どいつも形無しだ。

こいつに罪悪感なんて言葉があるのか?一瞬考えたが、そんなものはこいつの辞書にはねえ。

ババァの両手に掴まれた、膨らんだ唐草模様の風呂敷包みを見れば、もう何も言えねえよ。


バタン!


「おい貴様!何をやってるんだ!」


だがその時、金品の物色に勤しむババァの後ろから、いかにも戦士風の鎧兜を来た男が現れた!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ