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やくそく花火  作者: 紀舟
2/2

後篇


 佳菜美の頬が赤く染まる。

 見つかってしまうかもしれないどきどきと、亮介に近距離で見つめられているどきどきと、今鳴っている心臓はどちらのものだろう。

 クラスの男子たちも気になるけれど、亮介の瞳から目が離せない。

 亮介の瞳を覗き込めば惚けた顔の自分が映る。


 私の瞳にも亮介が映っているのかしら。


 佳菜美の中の亮介と亮介の中の佳菜美。

 お互いを瞳の中に閉じ込める。

 二人だけしかいない世界に住めたなら、どんなに良いだろう。でも、現実はそうじゃない。


「気のせいじゃない? なんも聞こえないよ」

「そうか?」


 少年たちの声が二人の間に割って入る。

 そのうち、訝しんでいた少年たちはお互いを軽く叩き合ったり追いかけ合ったり、ふざけ始めた。

 まだ来ていない上山君をこの場で待つようだ。


「そういえば、浅村も呼んだんだろ?」


 不意に隣の亮介の名前が話題に上り、佳菜美は視線を少年たちに向けた。

 さっき、誘われたけど断ったと言っていたのは彼らからの誘いだったようだ。


「誘いはしたけど断られた。何か他にあるんだって」

「マジか。つれねーな」

 

 彼らよりも自分を優先してくれたことに優越感を感じ、笑みが溢れる。

 亮介はどんな顔をしてるだろう。

 知りたくて、再び彼の顔を覗き込んだ。

 しかし、亮介は照れているわけでも気まずそうな顔をするでもなく、無表情で地面を見ていた。瞳を捉えることができない。

 その表情に嫌な予感を感じ、佳菜美は持ったままだったシャツの裾を引っ張る。

 亮介は何も言わず裾を持った手に己の手を重ね、指を絡めてきた。


「あいつ、これで最後の祭りなのに。俺たちに付き合ってくれてもいいじゃねぇか」

「そうだよね。もう、会えなくなるのに」

「え?」


 少年たちの言葉に佳菜美は驚いて立ち上がりそうになった。

 止めたのは、亮介だ。亮介の繋いだ手がなだめるように、力強く握られる。

 それから頭が真っ白になり、いつ上山君が来て少年たちがその場を去ったのか、佳菜美は覚えていなかった。

 気がつけばまた小さな社の前で、亮介と二人きり。

 少年たちが来る前までのうきうきとした気分はどこかへ飛んでいき、重苦しい空気がその場を支配していた。


「ごめん、もっと早くに伝えたかったんだけど」


 上体を起こし、すまなそうに亮介が手を差し伸べてきた。

 握りしめていたTシャツの裾はいつの間にか外されていた。

 亮介の手を茫然と見つめる。


「せっかく、また会えたのに」

「……ごめん」


 離れ離れになって、また会えて、これはもう運命だと思った。

 自分と亮介は離れられない運命なのだと。

 でも違った。

 

 2年前と同じ、心を凍りつかせたあの言葉。

 夏で汗ばむ肌は暑いのに、どうしてこんなに寒いんだろう。

 佳菜美は地べたに座ったままどうすることもできなかった。


「ねぇ、それが言いたくて今日、私の約束を優先したの?」

「……それも、ある」

「……どうすることも、できないのかな」

「親が決めたことだし。俺にはどうすることもできない」


 親、かぁ……。

 視界の隅で金魚が揺蕩たゆたう。

 子供っぽい柄の金魚。まるで無力な佳菜美を嘲笑うかのように。


 もっと私が大人だったら。


 考えても仕方のない、もしも、を考えてしまう。

 もしも私が大人だったなら、こんな子供っぽい金魚柄ではなく、あのお姉さんみたいに綺麗な桔梗の浴衣が着れたのに。

 もしも私が大人だったなら、亮介の後を追ってこの村を出ていくことだってできたのに。

 

 気が付くと佳菜美は大粒の涙をこぼしていた。

 泣いたってどうしようもないのに、辛くて、これからの寂しさを想い、涙はとめどなく溢れてくる。

 彼のいない毎日は心にぽっかり穴が開いたみたいだった。

 何をやっても楽しくなくて、そのくせ悲しいことがあるとすべてがダメなんじゃないかと倒れそうになる。

 欠けた心は温まることなく2年間過ごしてきた。

 

 また、会えなくて一人泣くの?

 涙で冷たくなった身体一つ、引き摺りながら亮介のいない日常を送らなければならないの?


 二度目はもう、耐えられそうにない。


「俺がもっと大人だったら、佳菜美のそばを離れないのに」


 涙で滲む視界が突然暗くなった。

 背中に腕が回り引き寄せられ、ぎゅっと固く抱きしめられた。

 亮介に包まれる。

 熱い。

 亮介の体温がその腕から、その胸から熱く伝わる。


「引っ越しなんて親の都合で振り回されて、情けねぇよな」


 さらにきつく抱きしめられた。息が苦しくなるほどきつく。

 抱きしめた力が強ければ強いほど彼の無念も伝えてくる。


「俺さ、2年前転校した時“またね”って言っただろ?」

 

 覚えている。それに対して佳菜美はお別れを言うことも手を振ることもできなかった。


「“さよなら”はなんか違うなって。それを言うと、もう佳菜美には会えない気がして」


 さよならは別れの言葉だ。

 何の約束もない挨拶だ。

 だから佳菜美もあの時なにも言えなかった。

 これで亮介に会うのを最後にしたくなかったから。


「だから“またね”って。“また会おうね”って」


 亮介の声をくうを震わせる音だけでなく、身体でも感じたくて、彼の心を丸ごとすべて感じたくて二人の隙間を1ミリも作らないように身を寄せる。


 “またね”の意味なんて考えたことなかった。


「でも思っただけだった。“また会おうね”って思って、そのまま何かすることもなく2年も過ぎちゃって、そして君にまた偶然出会えた」

「うん、それは私も運命だって思った」


 佳菜美は、猫が甘えるように頬を亮介に擦りつけた。


「運命か……本当にそうなのかな?」

「え?」

「俺はただの偶然だと思ってる。俺の親と佳菜美の親は同じ会社だしあり得ないことじゃない」


 佳菜美もそれは知っていたことだけど、二人の出会いは運命だと信じたかった。


「次も同じように会えるとは思えないんだ」


 運命の片割れの拒絶に、亮介の腕から逃れようと、藻掻く。


「待って!」


 佳菜美は全力で離れようと力を込めたが、亮介の力はそれ以上に強く、腕の檻からは出られない。

 小学生の頃は同じくらいの力だったはずなのに、いつの間にこんなに強く男の子らしくなったんだろう。


「逃げないで! 聞いて欲しいんだ」


 否定の言葉は聞きたくない。

 会えなくなるのなら、何も聞かずに消えてしまいたかった。


「俺、“またね”って言ったあのこと、少し後悔したんだ。“また会おうね”は願望なんだよな」


 願望?


「約束じゃないんだ。俺がそうしたいだけ、具体的じゃない」

「うん?」

「本当にまた佳菜美に会いたいなら、運命なんてあやふやなものに頼らずに、偶然を必然に変えないとならなかったんだ」


 亮介はそう言って、少し身体を離し佳菜美を見た。

 合わなかった瞳が再び合う。


「ねえ、佳菜美。約束するよ。“また、君に会いに行くよ”」


 佳菜美はその言葉に目を見開いた。


「一緒の中学に行ったり、同じ町に暮らすことは出来ないけれど、どんなに遠くたって会いに行くことはできるんだ。貯めてたお年玉を使ったっていいし、そのうちバイトだってできるようになるし」


 そうか。子どもだから、大人じゃないからと諦めるんじゃなくて、今できることを考えて亮介に会えばいいのか。

 ただ待つのではなくて、会いに行けばいいんだ。


 佳菜美の目から一粒、涙がこぼれた。


「あ、ごめん! こんなことしか言えなくて」

「ううん、違うの。さっきは悲しくて泣いてたけど、今は、その、嬉しくて」


 ふふっ、と笑い、涙を手のひらで掬うようにぬぐった。


「私も……亮介に“また会いに行くよ”。電車でも飛行機でも! お金がなかったら自転車とか徒歩でも!」

「徒歩は無理なんじゃないかなぁ。逆にそれは佳菜美が怪我とかしないか俺が心配だ」


 亮介が教えてくれた引っ越し先は確かに自転車や、まして徒歩では行けない町だった。

 それでも不思議と2年前やさっきまで感じていた絶望感がない。

 私は亮介の約束を信じたい。そして自分の“会いに行く”という約束を果たしたい。

 そう、思えたから。

 寂しさはもちろんある。だけど同じくらいの希望があった。


「遠いなぁ」

「待っててくれる?」

「うん! 待つし、行く」


 言い合いながら二人で笑う。


「良かった。あの時みたいに泣き顔で別れるのは、俺も辛いから」

「ごめんなさい。亮介の気持ちも分かんないで、私、自分が寂しいってだけで、あの時泣いてた」

「いや、いいよ。俺と離れたくなくて泣いたとか、それはそれでちょっと嬉しい。それだけ思われてたんだなぁって」

「も、もう……」


 急に恥ずかしくなって下を向いた。照れ隠しに亮介をたしなめるように軽く叩く。

 亮介も自分の言ったことに頬を赤くした。

 しばらく二人は無言だった。

 たまに、まだ持っていたかき氷を亮介が食べて、がりがりと氷をかみ砕く音が社に響く。

 夕暮れの藍が濃くなるのを並んで見つめる。

 少しずつ夏の暑気も和らいで、さわさわと葉を揺らす涼しくて優しい風が亮介と佳菜美の間にも吹いた。


「この村の隣町に大学があるだろ」


 唐突に亮介がしゃべりだした。

 今まで話題にもならなかった話に、佳菜美は不思議そうな顔をする。


「うん」


 隣の町には田舎の土地の広さを利用して総合大学があった。

 佳菜美たちが住む村にも、そのおかげで大学に通う学生が住み、田舎の村には珍しく若者が多い。

 社に来る前ぶつかった桔梗柄の浴衣のお姉さんたちも、そこの学生かもしれなかった。


「俺、そこに行こうと思う」

「え!」


 それは自分がこの村にいるからだろうか、と思い佳菜美は慌てた。


「え、いくら会いに来てくれるって言っても、そんな亮介の人生左右することまで巻き込まなくていいよ!」


 自分がどこの大学に行くかなんて、佳菜美は考えたこともなかった。

 大学をどこにするか決めるということは、漠然とではあるが、将来何になりたいかはっきりしていないと決められないと佳菜美は思っていた。


「あ、いや。佳菜美だけのためでもないんだ。やってみたいことがあって、それをやるには隣町の大学の学科が良いみたいで」


 急に亮介が大人になってしまった気がした。


「ま、まだ私たちには早すぎない? 行く大学を決めるなんて」

「うん……それに行きたいと言ったって行ける保証はないからな」


 佳菜美に会いに行くのとはまた違う努力が必要だ、と言って笑う亮介。


 同い年、同じ2年間を過ごしてきたはずなのに、佳菜美はめそめそ泣いていじけていただけだった。

 亮介の考えていたことにびっくりする。


「私、なんにも考えてなかったんだなぁ」

「俺も佳菜美がいなけりゃ、こんなこと考えてなかったと思う」

「え?」

「佳菜美と会えなくなって、自分の無力さを知って、このままじゃだめだなー佳菜美に会いてぇなーって思って、じゃあどうすれば会える? って考えて、会いに行けばいいじゃんってなって」


 少し照れながら、隣りで話す亮介はきらきらしていた。


「じゃあ、どうやって会う? って考えて、そのうちいろいろ将来のことも考え始めたんだ。大人じゃない俺はどうやったら大人になれる? って」


 佳菜美は相槌を打ちながら先に亮介が大人になってしまいそうで、焦った。

 亮介は自分が成すべきことを成そうとしている。


「だから中学の俺が大学どこに行く、とか決められたのは佳菜美のおかげ」

「え?」

「佳菜美、ありがとうな」


 突然のお礼に佳菜美が固まる。


「そんな、私お礼を言われるようなことしてないよ」

「うん、でもいてくれるだけで、佳菜美と会ったことで、俺いろいろ考えられたし。一緒にいられるだけでエネルギーを貰えるような気がするんだ」


 亮介の中の私って、とんでもない聖人かなんかになってないかしら。

 ちょっと呆れる。けれど嬉しい。


「だからこれからも一緒にいてほしい。離れてもずっと」

「うん……でも、良いのかな。亮介と違って、私、将来のことなんて全然決めてない。こんなんで、亮介に不釣り合いじゃない?」

「そんなこと気にすることないさ。俺の方が普通よりちょっと早かっただけなんだし。佳菜美は佳菜美のペースで考えていけばいいさ」

「うーん、そうかなぁ……」

「そうだよ」


 優しい空気が二人を包んでいた。

 花火大会会場の喧騒も、先ほどまでいたクラスメイトの騒々しい会話ももうここにはない。

 

「ゆっくり考えて、それで佳菜美がこの村を離れることになったとしても、また、会えるだけ会いに行けばいい」

「そっか……そうだよね」


 約束だって目に見えないもので、物理的にも法的にもなんの効力もない。

 亮介を信じる。ただそれだけのことではあるけれど、お互いが信じ合っていれば大丈夫な気がしてきた。

 信じて、お互いに見合うよう成長する努力をするだけ。


「うん、私も頑張るよ」

「ああ」


 あたりはすっかり真っ暗になっていた。

 と、そこで夜空にパッと赤色の大きな花が咲き、ドンッと厳かな音が鳴った。

 花火大会が始まったようだ。


 赤い大きな花が一輪、木の葉の間の夜空に咲き、ついで青い小さな花たちがパチパチと音をたてて一斉に咲きだす。


「綺麗だ」

「うん、花火きれい……」

「花火もだけど、その、佳菜美も……綺麗だ」

「へ?」


 変な声が出た。

 一緒に空を見上げて花火を見ているものとばかり思っていたら、亮介はじっと佳菜美のことを見ていた。


「ど、どうしたの? 急に」

「いや、綺麗だなーって」

「うん、花火がね」

「だから、佳菜美もね」

「ちょっ、急にそんなこと……だって、浴衣も子供っぽい金魚だし、さっき隠れるのに尻もちついちゃったから土で汚れてるし、綺麗なんてそんなはずないよ……」

「どんな格好だって佳菜美は、その綺麗だ」


 慌てふためく佳菜美に畳み掛けるように、亮介は言った。


「は、はずかしいぃぃ……」

「……俺はもっと恥ずかしい」

「じ、自分で言っておいて何それぇ……」


 互いを突き合いながらけられらと笑う。


「もう一つ、約束してくれないか」

「え、なに?」


 お腹が捩れるくらい笑った後、亮介が真剣な顔で言った。


「もし、俺が大学に行ってこの村でまた暮らせるようになったら聞いて欲しいことがあるんだ」

「それは、今聞いちゃダメなの?」

「ああ」

「私たちが大学に行くまで、4年後かぁ」

「そうだな」

「長いね」

「ああ、長い」

「浪人しちゃダメだよ?」

「努力します」


 佳菜美にも聞いて欲しいことがあった。けれど亮介の様子に、止めることにする。

 そのかわり、亮介の顔に自分の顔を近づけた。

 亮介の唇に佳菜美は己のそれを重ね合せた。

 始めはビクリと体を震わせた亮介だったが、触れるだけの長い口づけに次第に力は抜け、佳菜美の肩を掴み引き寄せた。

 佳菜美がおそるおそる口をほんの少し開くと、亮介も合わせるように開き、彼の舌が佳菜美の口内へと侵入する。


 亮介の舌は冷たかった。冷たくて甘くて、少し酸っぱい果実のよう。

 直前までかき氷を食べていたからその味だろう。

 何の味かな。ぼんやり考えながら、ゆっくりと亮介の舌に自分の舌を絡める。

 深くなる口づけは佳菜美の唾液すら甘くしていく。

 りんごのようなパイナップルのような、あ、レモンみたいな味もする。


 歯がカチリとなり、呼吸が苦しくなって思いっきり吸い込むと、亮介の匂いと共に、夏独特の香りも佳菜美の中に入ってきた。


 これ、ブルーハワイだ。


 かき氷でしか食べない夏の味。

 ブルーハワイの香気が亮介から伝わり、佳菜美の喉へと落ちていく。


 ハワイかぁ……。

 亮介が行くところは遠いけれど、ハワイほどは遠くないなぁ。


 佳菜美は次第に薄れてゆく甘く爽やかな酸味を記憶に留めようと味わうことに集中した。

 冷たかった舌も熱を帯びていく。


 二人の上で花火が盛大に花開き、流星雨のように火の粉がはらはらと落ちてきた。




◇◆◇


 茜の空に白光が瞬き、どおんと大きな音がした。

 もうすぐ花火大会が始まる合図だ。


「す、すみません」

「大丈夫。あなたこそ怪我とかしなかった?」


 ぶつかってきた朝顔柄の浴衣を着た少女に佳菜美は声をかけた。

 

「はい、大丈夫です」


 少女はそう早口に言い、足早に立ち去る。

 いつかの私みたいだ。

 佳菜美はふふ、と笑い、自分も待ち合わせ場所へと歩を進めた。

 待ち合わせ場所はあの社だ。


 あれから4年。

 亮介は本当に隣町の大学に合格し、この春から通い始めていた。

 佳菜美も学科は違えど同じ大学に通っている。

 佳菜美もあの後、自分のことを真剣に考え自分の道を歩み出した。

 彼に合せるのではなく、彼に見合う自分になるために。


 亮介とは約束通り、互いに行き来しあい、今同じこの村に住んでいる。

 亮介は子どもの小さな約束を守ったのだ。

 もちろん4年も経っていれば、その間に喧嘩だってしたし、数か月音信不通になったこともあったけれど二人の交流は途切れることはなかった。


 よく頑張ったよなぁ。

 4年間を思い出し、佳菜美はひとりごちる。

 あとはもう一つの約束を叶えるだけだ。

 あの日亮介が言った「大学に入ったら聞いて欲しい」と言っていた約束を今日聞くのだ。


 桔梗柄の裾をからげ、子どもっぽく巾着を回す。足取りは軽い。


「考えてみれば、順番が逆なのよね。キスの方が先だなんて」


 亮介が何を言うかは分からない。

 分からないけれど、もし、彼が言わないのなら、佳菜美が言おうと思っていることがある。


「貴方が好きです」


 あの社までもう少し。

 夏の暑さにブルーハワイの味を思い出しながら、佳菜美は騒がしい田舎道を急いだ。

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