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始
「大政奉還」「王政復古の大号令」、260年余り続いた江戸幕府……徳川の時代が終わる時が来た。
戊辰戦争、「錦旗」が荘重に掲げられた時、今まで幕府の為と身を挺して戦ってきたものたちが賊軍であると世に知らしめられたのだ。
これにより、旧幕府軍は「朝敵」とされ、撤退をせざる負えなかった。
官軍の印である錦旗は、薩長含む新政府軍の土気を大いに鼓舞させ、逆に徳川幕府側に大きな打撃を与えた。
それでも、最後まで諦めていない百姓集団がいた。
京都守護職、松平容保公預かり浪士組「新撰組」。
組織形態や名前を変えてもなお、旧幕府軍の為と死力を尽くし最後まで戦い続けた。
新選組は、武士とは、身分ではなく、生き様のことをいうのだと証明してみせた。
これは、元は百姓の出のものが多い彼らであるが、誰よりも武士らしく、時代の流れに逆らって奮闘し続けた者たちの、ほんの一部の軌跡である。