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少年B(1)

 未熟児だった・・・

 だから人より劣っていた。身長も低かったし、しゃべれるようになるまで時間がかかった・・・しかし僕の周りには優しさが溢れていた。親はこの上なく愛情を僕に注ぎ込んでくれたし、2つ下の妹も人より劣っている僕を嫌うことなく・・・ときには守ってくれた。幼稚園、小学校、中学校、中には僕をいじめてくる奴もいたが、本当に・・

・本当にイイやつばっかりで本当に僕は幸せだった・・・・


 全てを失った今、心からそう思える・・・だが、この話は今することではない・・・

 

16歳、高校に入って1年が経ち環境の変化にも慣れてきた頃(身長は惨めになるくらい低かったが)、僕は新しくできた友達の家に遊びに行っていた。とても楽しかった・・・新しい友達の新たな一面、僕の知らなかったゲームや漫画、あっというまに時が過ぎて気づいたら帰らなければならない時間で・・・


 その友達の家は僕が普段通らない地区にあった。そして僕はその友達の家からさほど遠くない公園を通りかかって・・・そして・・・見た。


 一人の小さい少年が、二人の体格の良い少年に、いじめ・・・いや・・・暴行をうけていたのを・・・


 その瞬間、僕の頭の中には多くの僕のかけがえのない友達の顔が思い浮かんだ・・・みんな昔いじめられていた僕を、庇い、助け、僕と一緒に闘ってくれた最高の親友だった。


 (僕の番だ!)


そう・・・そう・・・思った・・・

本当に心から・・・そう・・・思った。


だが、僕には体を動かすことができなかった。いや、体を動かす必要などなかった。一言・・・「やめなよ」「いじめはよくないよ」・・・それだけでどんなに救われることか・・・僕は・・・僕は痛いほど知っているはずなのに・・・


 


 「お兄ちゃん!お願い!助けてよう・・・痛いよぅ・・・」




その懇願は僕の耳に入ってこなかった。僕は、僕を目で脅迫する、僕より何歳か年下で、僕より背が高く、いかにも僕より強そうな二人を見て、いじめられている少年のことにはひと目もくれずに、目を合わせて、目をそらして・・・・後ろを向いて・・・・クラス最下位の脚力を駆使して・・・思いっきり






逃げた・・・・


導入が長くてすいません。

もう少しでタイトルのような展開になりますのでお待ちください。

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