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『第二話』

不思議な夢を見る寿子。

そして以前に知人から聞いた不可思議な話を思い出す。

一連の出来事にはどの様な意味があるのだろうか、しかし

寿子にはまだその答えは解らない。


寿子がこの家に嫁いで来る前から中庭にずっと

ある大きな石。あの石はいつどこから持って来ら

れたものなのだろうか。勿論寿子に解る訳あるまい。

そして勿論不思議だとも思うまい。


ある雨の日の午後だった。

寿子が中庭を掃除していると、白い帽子の男が立っていた。

寿子ははっとした。何故ならここは中庭、誰かが入って

来たならばそれは不審人物に過ぎない。

寿子は思わず・・・・・・



「ドロボー!」



と叫んだ。

しかしその男は目の前からいなくなってしまった。



「今のは何だったの?」



驚きと恐怖心でしばらくその場から動けない寿子。

辺りは信じられない位静まり返っている。

それは寿子にとってはまるで、一瞬別世界にでも

トリップしていたかの様な感覚に捉われていたに違いない。


又数日経った日の午後、

寿子は家事の疲れからうとうとし始めた。そして夢を見た。


山肌に聳える祠の中に向かって若いお坊さんが何かを

弔っているのだろうか。寿子の耳には何も聞こえないが、

そんな光景だけが浮かんできた。

夢の中の寿子はそれとなく近付いてみた。

ふと覗き込むとそこには文字が刻まれた3つの大きな石

が台の上に乗せられていた。

寿子は思った。



「この文字はなんとなく塔婆等に用いられている文字質だ・・・」



その途端、寿子は目を覚ました。

体中が脂汗でいっぱいになっていた。

余程怖い夢でも見たかの様に。

寿子は不思議な感覚に捕らわれた。

まるで目に見えない何かに支配されているかの様に。

そんな時ふと思い出した知人からの話。

以前聞いたことがあった隣村での話、

小さな田舎道を走ると白い5件の立ち並ぶ借家、

その少し奥に知人が住んでいた。

白い借家から更に道を進むと大きな石が道路の真ん中に現れる。

そして何故かそこで二股に道を隔てているとゆう。



「寿子さん知ってる?うちの近所の話」


「ええっどんな話かしら?」



「うちの近くに白い借家があるでしょ?

さらにその奥へと進むと大きな石が置いてあって、

何故だか道を隔ててしまってるのよ。

だから道が二本になっていて狭くってねぇ」


「あらそうなの~。それじゃ普段の交通手段は車じゃなく

単車か自転車かしらね?」


「それもそうなんだけど、もう一つ不思議な出来事があるのよ」


「不思議な出来事って何かしら?」


「実は以前あの借家の住人が、石を動かそうとしたのよ。

そうしてしばらくすると突然亡くなったのよ。

何だか不気味な話でしょ?それも一度や二度じゃないのよ。

だから最近ではあの石には誰も近寄らないわ。

何かいわくの様なものがあるのかも知れないわよね。怖いわよねぇ。」



寿子は聞き返した。



「もしかしたらそれで石を動かせなくて道が二本に?」


「ええ多分そうねぇ」


寿子は特別迷信を信じる方ではなかったが、夢を見た後に、

何故かその話を思い浮かべたのだ。



第三話へつづく・・・。





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