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「っへ?」
Aは頭の上にも?な感じな
声を上げた。
暗くて、やはり良くは見えないが
少女がそこにいたような気がしていた。
しかし、目を凝らすとそこには、
エレベータがやっと8階まで上がった。
Aはこのなんとも言えない、エレベーターの不快感が
好きでは無い。
とそこに、列車がやってくる。
「jsjjb線電車が発車しま~す・・・。」
まずい、乗り遅れる。!
ダット走りだす。
「うっわ!」
思わず、ちょっと叫んでしまった。
少し恥ずかしい。
よくあることだ。
つり革に掴まりながら、
寝てしまって脚ががっくんなる
あれだ。
「次は~、・・・・・・。」
おっと、降りなければ...。
「ふぃ~。太陽が眩しいねぇ。」
ビル群が立ち並ぶ、大都会。
Aの呟きなど誰も気にしない。
そう、誰も気になどしないのだ。
それ程に一人の存在は小さくあやふやなのです。
あなたが居なくても、誰も気づきはしないんですよ。
ぴしゃっ・・・。
「離してくださいっ」
咄嗟に振り返る、
そこには、エレベーターの少女が佇んでいた。
一人ではなく、黒い人影に囲まれている。
ここは、大都会だ。
人なんて、数えきれないほどいる。
しかし皆が皆、彼女の叫びを聞き流す。
まるでそれが、当たり前のように。
違う・・・。それは、当たり前なのだ。
Aを除く人々には。
Aには、その声が聞こえる。
見えるし、触れるし、声も掛けれる。
しかしAは何も出来ない。
そんな自分が憎い。
憎い憎い。
「関係ない。めんどくさい。やる気がない。力がない。金がない。」
Aは言われる。
誰に?
自分に・・・。