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01 詩あ 閉ざされた未来
「未来へ行くための扉は、私達の目前で閉まっている」
「鍵はない。扉を開ける方法はない」
「壊そうとしても無駄で、そんな力も残されていない」
未来などない
明日などない
たった少しも残されていない
私達は今歩いている道の先へはいけない
理解できないという人間がいる
理解しているという人間がいる
理解していたという人間がいる
それぞれ人類である私達は言葉を口にした
「よく考えてみても、どうしてこうなったのか分からない」
「よく考えたら、こうなったのは必然だったんだろう」
「よく考えなくても、こうなる事は分かりきっていた」
私達は同じ場所に立っている
しかし別の物を見てここにたどり着いた
私達は同じ場所に立っている
けれど別の物を見続けている
未来などない 消滅したから
明日などない 消え去ってしまったから
どの方向を見たって そんなものはありはしない
私達は今歩いている道の先へはいけない