表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カタルシス  作者: 翠玉
3/4

記録2 会議

「失礼します」


第二会議室に着いた真白は、

コンコンと二回ほどノックをし、扉を開ける。


「あ、ましろん!大丈夫だった!?いつもの!」


先に会議室に来ていた同じ班の美鈴(みすず)が真白に聞く。美鈴は小柄で黄色いヘアバンドがトレードマークの明るい女性だ。


「美鈴さん、大丈夫です。もう治りました」

「本当かね〜、ましろんすぐ無理するってことはまだ入社して二週間だけどわかってるからね。無理しちゃダメよ?」


ありがとうございますと真白は返事をし、席に着く。会議室には、ホワイトボードとまだ見慣れない白と黒の椅子と机がある。一班五人なので椅子が五つあるが、真白は二つ席が空いているのに気がついた。


極夜(きょくや)さんと名月(めいげつ)さんはどこに?」

憂衣(うれい)は珍しく遅刻。硯はいつも通り遅こ…」


遅刻と結晶が言おうとしたところで勢いよく扉が開いた。勢いよくというより、思いっきり壊している。


「おっはよーございまぁす!今日は遅刻してないっすか!?」

「いや、二分遅刻だ…っておぉぉぉい!何回も扉を壊すな!開け方が乱暴なんだよ!」


「今日ツッコミのキレいいっすね!」と硯が言う。硯はこの班の副班長だ。なのに遅刻するし、硯が扉を壊してしまうのが六班の恒例行事になってしまうほどおちゃらけている。悪気はないらしい。

おかげで硯が会議室の扉を壊すのは、今回を入れて七回目だ。結晶は胃が痛いのか、机に突っ伏して胃を撫でている。そんなことはお構いなく、

硯は扉を結晶に言われた通り、優しく床に置き、先にいた二人に話しかける。


「染稀、ひなりおはよー…ってあれ、憂衣は?」

「珍しく遅刻だ。今ちょうどその話をしていた。お前の扉を壊すバッコーン!って音でかき消されたけどな」


もう諦めた結晶が説明する。

もう一人の班員の極夜が遅刻することなど滅多にない。何故ならビビリだからだ。怒られるのは耐えられないらしい。


「ずみまぜん!遅れました!ごろざないでぐだざぃ」


タイミングよく来た極夜が半泣きで結晶に向かってスライディング土下座している。

美鈴はそのスライディング土下座の綺麗さに笑いのツボにハマってしまった。

真白も堪えきれずにクスクスと笑い声が出ている。


「とっても綺麗なスライディング土下座だな。ていうか殺すわけないだろ。遅刻っていっても、憂衣はいつもしないし、今日は二分くらいだし。

硯なんか最高一時間二十八分だぞ?」

「なぁんでそんな正確に覚えてるんすか!?怖いっす!一時間半くらい、とかで良くないっすか!?」


二人の茶番が始まったところで極夜は結晶に深く頭を下げ、空いている二つの席の内の一つに座る。


「ハンカチ、使いますか?」

「ありがどゔ」


怒られず安心して、ポロポロ涙を流す極夜に真白が自分のハンカチを手渡す。

結晶はギャンギャン騒いでいる硯を鎮め、書類を手に持ってホワイトボードの前に立った。


「遅くなったが、会議を始める。一同、起立」


ガタッと一斉に立つ。

先ほどの空気が嘘のように消え、緊張感のある空間になる。


「礼、着席」


全員が礼をし、着席したところで、今回の案件について結晶が話し始めた。


「今回は集まってもらったからわかると思うが、単独での案件ではなく、六班全員の案件となっている。そして恨者を浄化させる案件ではなく、

恨者がいると思われる所に調査しに行く案件だ」


案件には二種類ある。

単独、一人で解決させることが望ましい案件と、

所属している班に課せられた案件の二種類だ。

大きな案件だと他の班と協力が要請される時もある。そして、集団で行動する恨者は事前にどこら辺が拠点になっているのか調査する場合がある。

今回はその場合ということだ。


「集団で行動する恨者は夜に活動することが多いというのは、訓練学校で習ったと思う。だから今回の調査は午後二時から始める。つまり夜勤だな」


恨者には集団で行動する者と、単独で行動する者がいる。単独行動は大体、朝。集団行動は大体、夜だと調査結果が数年前に出ている。

集団行動をしている恨者達は夜勤をして、調査したり、浄化したりする。

その後も話が続き、書類を配った後、会議は六時ちょうどに終了となった。


「また明日〜」

「明日ー」


皆んなが続々と帰っていく。

真白も帰ろうと荷物を持った時、結晶がにっこりと笑って話しかけた。


「この後、稽古でもするか?真白の指導者として。話したいこともあるし」


真白は腕時計を見て、六時であることを確認した。

この後は予定もない。


「はい。お願いします」

(何でそんなに胡散臭そうな顔してるんだろう…)


二人は五階の練習場へと移動した。

第二回カタルシスキャラクタープロフィールのキャラクターは!!結晶さんです!


名前:結晶晃介 ケッショウコウスケ

身長と体重:176cm.64.9Kg

誕生日:12月1日

31歳 特別級下浄化官 

六班所属班長兼、真白染稀の指導者

弓矢型の清器を使用している


ブックマーク、下の評価を5つ星、よろしくお願いします!次回、《記録3 前兆》お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ