夏の終わりに
「もうすぐ夏が終わるね」
察してよと言わんばかりの顔でそう言われた。
分かってる。
ずっと曖昧にしてきたもの。
「何かやり残したことはある?」
痺れを切らしたのか、流石にもう限界だったのか……彼女はそう言った。
だけどきっと彼女もまた一緒の感情を抱いていたと思う。
思い返せばそう――
彼女とは隣の家だったけど、幼馴染なんて関係はなかった。
お互いの両親でさえ接点も低かった。
ただまあ、知っている人はからかいはあった。
あった、とは言え幼いころの話だけどね。
何気ない日常を過ごしていた。
それは彼女も同じのはずで。
偶然なのか何かしらが一緒になることが多かった。
クラスが別なら委員会とかね。
そのおかげかな?
それなりの仲は築けたと思う。
そう思いたい。
じゃなきゃ今年の夏に、何回も遊びに出掛けるなんて出来なかったと思う。
お互いに声掛けて何回も出掛けた。
彼女は知らないけど、私は明確な想いを抱えて誘って出掛けた。
距離を今以上に届くところにして、真っ直ぐに伝える為に。
だけど同時に怖くもあった。
このままがいいんじゃないかってね。
だけど今日はそうしない。
ようやく進めるんだ、伝えるんだ。
「好きなの。ずっと好きなの」
「……私も大好き、愛してる」
2人は夏の終わりに想いを伝え合った。
夕焼けの河川敷で2人はゼロセンチメートルになった。




