表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/218

一、ロジュ・ソリスト

 彼が孤独を感じていなかった時間は、彼の人生の幾分にあたるのだろうか。


 肩に届きそうなくらいの深紅の髪、そして藍色の瞳。彼の名前をロジュ・ソリストという。彼はソリス国の第一王子でありながら、王位の第一継承者である王太子には指名されていない。通常なら十歳くらいの頃に指名されていているのが通常だ。しかし、現在、ソリス国ではまだ決定してない。

ロジュには王としての素質がなかったのか。そうではない。足りなかったとすればただ一つ。

赤い瞳。ただそれだけ。

 

 ソリス国の慣例として「王となるものは赤の瞳を持つこと」というものがある。

 ロジュの目は藍色だった。それに対し、ロジュの弟である第二王子、テキューの瞳は鮮やかな赤。


 どちらが王に相応しいのか。適任者が複数いるときに生じるのは、


 王位継承争いだ。


 ロジュにとっての最大の不幸は何だったのだろうか。瞳の色が赤ではなかったことか。瞳の色が赤の者しか王位を継承できないという慣習か。あるいは彼自身の能力が高すぎたことか。  


 どれが悪いとかではない。全ての条件がそろってしまったおかげで、彼は「王に相応しいはずなのに王になれない」と言われている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ