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黒龍会  作者: あるでるの
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立会人

そうこうしていると、日本平に到着した。

日本平の駐車場には既に多くのバイクと車が停められていた。右側に車が。左側にバイクが。わかりやすいな。


そして中央には、ヤクザっぽい人が鎮座している。

あれ、誰なんだろう。清水には代表的な存在はいるけど、目立ってでてこないから、特に気にしていないし、

両親からも特に情報は入ってこない。


まぁ、確認は必要かもしれない。


「成川さん。あの真ん中に鎮座してる立会人ぽい人だれです?」


「ん?あぁ、清水興行の桂川さんだな。山口組系の3次団体の若頭をしている人で、俺の先輩に当たる人だ。」


「ヤクザなんですね…。」


「ヤクザだけど、暴力団じゃない。今時珍しい、カタギに一切手を出さず、迷惑もかけない生粋の極道だ。だからこそ、まだ30代だったのにシノギの数で若頭までのし上がった人だ。また、もうすぐ2次団体の組織を新造するって話だ。面識を持っていて損はないぜ。向こうも、警察のトップの息子さんなら喜んで協力してくれるだろうよ。」


「まぁ、挨拶くらいするか。」


俺は、成川さんに連れられて、その極道の桂川さんのもとに向かった。たしかに面と向かってみると、そこらのチンピラとは格が違う。


「桂川さん。お疲れ様っす!」


「ん…?あぁ、悟か。遅かったな。それで、隣の子は?初めて見るの子だな。」


「こいつは、冴島大輝。今日の主役ですよ。」


「何言ってる?主役はお前だろ。」


「俺、こいつが勝ったらこの人の下に付くって話してるんですよ。この人こう見えても、あの黒狼を壊滅に追い込んだあの、中坊なんすよ。」


「ほう…。あの噂の。」


「どうも。」


「加えて、こいつの親、静岡の警察組織のトップなんすよ。こんな心強いやついないっすよ。」


「ほぉ…。そりゃ凄い。」


そう言うと、桂川は立ち上がり、俺に頭を下げてきた。

その瞬間、周りで見ていたチンピラ共が驚嘆の声を上げた。そりゃそうだろうな。尊敬の念を感じていた存在の男が中坊のガキに頭下げたんだから。


「山口組直系嶋野組傘下清水興行若頭兼、嶋野組内桂川組組長桂川大河だ。」


「凄い肩書ですね。組長になっても、若頭続けるんですか?立場的には格上になるんですよね?」


「清水興行の組長は、俺の実の親父でな。いずれは、うちの若いやつに継がせる予定なんだが、そいつが育つまでは、俺が2つの組織を纏めて行く感じだな。」


「そうなんだ…。あぁ、俺も自己紹介しないとですね。冴島大輝っていいます。なんか、流れで今日のタイマンの大役を任されました。よろしくお願いします。」


「黒狼を一人で倒したってんなら、今日の相手は役不足かも知んねぇが、まぁ気軽にやってくれや。」


「はい。ありがとうございます。」


「じゃあ、立ち位置に向かってくれ。」


「立ち位置?」


「こっちだ、冴島。」


俺は、成川さんに連れられて、車が集まっている場所に来た。そこには50人はいないけど10人ほどのメンバーが揃っていた。


「50人いませんけど?」


「黒豹との抗争が始まって、多くがビビって抜けやがったんだ。結局幹部だけが残った。まぁ、そのほうがあんたには都合がいいがな。」


「?」


「コイツラは、バリバリの武闘派だ。全員何かしらの武道や格闘技をやってきた奴らだ。あんたには勝てねぇけど、そこらのチンピラとはわけが違う。」


「…でしょうね。それで、さっさと始めませんか?」


「まぁ、そうだな。さっきの話もあることだし、本題をさっさと済ませようか。」

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