チーム結成の決意!?
「済まなかった!」
信じられるか?俺の家族がいる前で、というか俺の実家で俺に向けて見事な土下座をかましているこのスーツの男性。世界的に見ても大手の国際企業の支店長なんだぜ。
「別にいいっすよ。咲子のお父さん。あいつのお転婆は今に始まったことじゃないし、あいつが発端待ったとはいえ、俺も煽ったわけですし。」
「君が気にしていないと言うなら、いいんだが。」
「浩二。折角なら、飯食べてくか?」
「嫌、株価の暴落の影響で緊急会議を開かねばならん。すぐに発たねば。悪いな、今度また改めて寄らせて貰うよ。」
「なら、気をつけろよ。」
「あぁ。」
「大輝、玄関まで送ってあげなさい。」
「へーい。」
玄関には、ランボルギーニウラカンが止められていた。
咲子のお父さんは、座席から随分と分厚い白い封筒を取り出した。中身は言わずもがな現金だろうが、形式上断らざるを得ない。
「それは…」
「形式的な断りはいらないよ。君がいなかったらあの子はとっくの昔に一人ぼっちになってしまっている。それにこれは先んじて渡す投資でもある。」
「投資?」
「あの子は、狙われやすい。私の影響力は自分で言うのも何だが、ある方だ。あの子を助けるためなら何でもする。そうなると裏の人間や金欲しさに狙うやつがでてくる。」
「それで投資ですか?」
「君は、ご両親のスパルタ的教育に耐え、自他に認める武道の実力者だ。君の両親も同僚たちに自慢してるらしいよ。それに君は次男だ。跡を継ぐ必要はない。」
「でも、婿入りするつもりはないっすよ。」
「それも理解している。だが、SPならどうだろうか?君のご両親の権限と私の影響力があれば、護衛における暴行の罪はもみ消せる。あの子を守る。これだけを約束してくれれば、資金の援助もしよう。」
「護衛のために僕独自のチームを作っても良いんですか?」
「乗り気と考えて良いのかな?」
「どうせ、両親はそうさせると思いますし、ならより楽しい方を選ぶべきだと思いまして。それにチームを作ることに関しては、先程ある方から提案されておりますので。資金援助してもらえるならその方針で進めようかと思いまして。」
「良いんじゃないかな。チーム結成したらまた知らせてくれ。長話になってしまったな。それじゃ、失礼するよ。」
咲子のお父さんは、こちらの返事を聞くことなく、走り去ってしまった。つい、勢いで言ってしまったが…。
「チームか…。」
あの男が言ったことを利用して、いくつかのチームを協定かなんかで結んで将来的にエージェントとして、雇えばよいのではないだろうか…。まぁ、今度あったら相談してみるか。、