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ハウスシリーズ

雪女の住む家

作者: リィズ・ブランディシュカ



 しんしんとした寒さの中、静かに雪が降り積もる。

 風のない日だった。

 人里離れた山の中、小さな家に一人の女が住んでいた。


 その女は、遠くから雪を踏みしめる音が近づいてくるのを感じた。

 ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ。

 規則正しく刻まれる足音。


 それが家の前で止まる。

 女は、家の扉を開けた。


 するとそこには、さむさに身を震わせる男がいた。

 吐く息が白くなり、消えていく。

 そんな中、白銀の世界を歩くのは辛かっただろう。


 そう思い、女は楽にしてやろうと家の中へと招き入れた。


 男は、寒さから解放されたことを喜ぶが、女の生活を案じ、すぐに家を出ようとした。


 このような場所で一人暮らし、なにかと大変だろう、と述べる。


 しかし女は首をふった。


 大変などではない。


 掃除は、たまに家にやってくる旅人を一晩泊めるかわりにやってもらう。


 洗濯は、その男から着る物をわけてもらう。


 料理は、冷たくしたものを胃に入れるだけなので手順は簡単だ。


 胸騒ぎを覚えた男は女の身なりを見た。


 女は男物の服を着ている。


 その奇妙さに目を見張った男を、次に瞬間凍てついた風が襲った。


 家の中に吹く雪風が、瞬く間に男を凍らせていった。


 数分後、男は寒さから解放されて、楽になった。



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