水無月 柊は期限が悪い(2)
事情聴取と病院の手続きが終わり麟太朗の家に着いたのは夜だった。
両手を腕組みして待つ柊にようやく千佳が追いついた。その後ろを颯香に桜の二人が付いてくる。4人そろったのを確認するとインターフォンを押して大声で命令した。
「『バミ』!!麟太郎を出すか鍵開けて」
呼び声に答えるように鍵がカシャンと開く。
「え?なん?えええ?」
音声に対応して色々する技術は普通。が、コンピューターが学習して臨機応変に対応するなんていう物は普通じゃない。が、それに驚いたのは颯香一人だけだった。
「いやあ、麟太郎パイセンのやることに一々驚いてたら体がもたないですからねぇ」
誰に答える訳でなく千佳が独り呟く。勝手知ったる幼なじみの家。勝手にスリッパを借りて上がるとリビングに向かう。
「おじゃましまーす」
「お、おじゃまします」
いつものように桜は。颯香は少し緊張しながら挨拶するとスリッパを履いて上がる。千佳だけは靴を脱ぎ捨てて勝手に行動していた。
「悪いな。柊」
「……別にいつものことだからいいけど。それよりちゃんと情報をくれるんでしょうね」
「ああ。……桜とだれ?」
「あ、蓮見颯香と言います」
「高校で知り合ったんです。うちとか緋奈子に物怖じせず言いにこれる希有な子で」
桜のその説明を耳にしながら麟太郎自身は一瞬目を大きくする。その行為に颯香は値踏みされてる?と本能的に感じ取っていた。じっくり覗くようにみる。
が、すぐに興味なくなったように視線がそれる。
「へえ……。まあいいや座って待っててくれ。んじゃあ、説明する前に。バミ。テレビに映像を再生してくれ。ちょっと探し物してくる。」
「わっかりました」
スピーカーから声。すぐに映像が再生された。




