第2話
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時刻は既に六時半。
駿と『告られたドッキリ』の概要について話合ってる内に、太陽が落ち始める時間帯になってしまった。
「もうこんな時間か」
「付き合ってくれてサンキュー、もう帰るか」
「そうしますか」
駿とちょっとした雑談を交わしながら正門へ向かう。
「今日はありがとな」
「ジュース一本奢れよ?」
「はいはい」
駿とは家の方向が違うためここで別れなきゃいけない。
駿に「じゃあな」とだけ言い、俺の家へ向かい始めた。
「年齢=彼女いない歴かぁ.......」
正直な話彼女は欲しい。
けどそんな人、いないんだよなぁ......。
美女が俺に告白してくれたらいいのに。
そんな事考えていた時、俺の後ろから聞きなれた声が聞こえる。
「年齢=彼女いない歴がどうしたの?」
「ゲッ」
「そんな驚かなくてもいいじゃない」
「なんでここにいるんだよ.......」
「うーん、鈴の気配がしたから?」
「なんだそれ」
蒼依はいつも唐突に出てくる。
もう監視されてるんじゃないかな.......。
蒼依さん怖いっす。
「で、年齢=彼女いない歴がどうしたの?」
「なんでもないわ.......」
「ふーん、絶対嘘だ」
「嘘じゃない!」
一番聞かれたくないやつに聞かれた.......。
これ以上馬鹿にしてくると怒っちゃうぞ。
「そんなに怒らなくてもいいのに」
「怒ってないよ?」
「顔が笑ってない」
やべ、顔に出てたか。
そんなやり取りを交わしてる内に俺の家まで着いた。
「家着いたから帰るな」
「えー、もっと話していたかったのにー」
「駄々こねるな」
「仕方ないなぁ、もう」
「じゃ、また明日」
「バイバイー」
やっと蒼依から開放される.......。
帰って漫画でも見よ.......。
そう思っていた時だった。
「あ、そうだ、明日こそ年齢=彼女いない歴卒業出来るといいね」
声が聞こえた方を見ると、蒼依が、満面の笑みを俺に浮かべてくる。少しやんちゃな笑顔は不覚にも少し可愛いと思ってしまった。
「う、うるせぇー」
多分、蒼依のことを可愛いって思ってしまったのは、今日一日蒼依の事を考えていたからだ。
いつも年齢=彼女いない歴を馬鹿にしてくる幼馴染が可愛いわけ.......ない、よな?
◆◆◆
我が家の食卓にて。
「そういえば最近、蒼依さんとはどうなの?お兄ちゃん」
「別になんともないぞ」
「えー、絶対嘘じゃん」
そんな会話を交わしているのは俺の妹『涼希 奏音』
多分、蒼依の次に厄介な人だと思う。
蒼依みたいに、年齢=彼女いない歴を馬鹿にしてくるわけではないが、とにかくウザイ。
奏音に、蒼依と一緒にいる所を見られると必ず。
「鈴、ようやく蒼依さんと付き合ったんだね.......」
って言ってくるのがウザすぎる。
しかも蒼依の目の前で言うからね!?
めっちゃ恥ずかしいのよ。
しかも......。
「あらあら、蒼依ちゃんと付き合ったの?」
「いいじゃないか。節度を守ってな」
そう、俺の両親まで、蒼依との関係を探ってくるのだ。
面倒くさすぎる。
前に、蒼依が俺の家に来たことがあったが.......。
「鈴とはどうなの?」
「鈴が変なことしてない?」
「どこまで進んだの?」
「え、いや.......」
めっちゃ質問責めされてた。
もう俺の家族がまるで、獲物を狩る狼のように見えたよ。
その時は止めることが出来たが、次は分からない。
それ以降は蒼依を家に入れないようにしてる。
「ハァ.......」
もう嫌だこの家。
その後も蒼依との関係を聞かれたが無視した。
だってめんどくさいもん。
そういや『告られたドッキリ』って蒼依が俺の家に来た時するんだっけ。
この人たちどうしようかな.......。
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