データ1:4
会が始まるまでの二ヶ月間を追手から身を隠しつつ穴の探索を行うという依頼。私はこの依頼を受諾することにした。
(46:ノーマル)
「かしこまりました!私も今しばらくご同行させていただきます♪」
キャリーも同様に心づもりをしたみたいだ。
さて、それから一週間後。私達は国内にある各所安全を確保出る場所、言わば隠れ家に各々分散して生活をしていた。一週間の期限はエリンからの提案で、グレイシス率いるロゼルディンからの追手の数や動向を調査する為に設けられた。彼らは自国の王女が公の会に出席することを何としても阻止したいらしい。
穴の探索を行う日取りはサリアが決め、通信魔力を用いて伝達してくれるという取り決めだが、未だその連絡は受け取っていない。つまり、現在暇を持て余して居る状態にある。追われていると言っても私の顔は正確に晒されていないはずだし、軽く変装をして街の様子でも見に行ってみようか。
(選択肢ダイス1~4)
(2:キャリー)
私は市に顔を出してみることにした。
世界中から物が集まるというこの国の市には一体どんなものが出店されているのだろうと喧騒に包まれた露店通りを歩いていると……
「おや、もしかして祭司様では?」
背後から声をかけられた。この一ヶ月間でよーく聞き慣れた声だ。
「奇遇だなキャリー。それと祭司様呼びはいい加減変えてくれ」
グレイシス達と対面した時に見られているからいつもの白い服装は控えているのだが……
ハハハと笑い声を上げてキャリーは答えた。
「申し訳ございません、ずっとこう呼んできてしまったものですから慣れてしまって…それではお名前の、レジさんとお呼びしましょうか」
「ああ、そうしてくれ」
「それでは改めまして、レジさんも市を見に来たんですね。一緒に行きましょう!」
キャリーと市を見て回ることになった。
彼女はとても開放的で新しい物好きみたいだ。旅を仕事にしているのも恐らくそういう性格からなのだろう。しかし、そのせいで露店を10m歩くだけでも彼女の足をスムーズに進ませることは出来ない。
「見てください!この剣、赤く輝いてますよ!店主さん、これもしかしてグラーボ産の物ですか?」
「お、よく分かったな。最近その色付きの武具が冒険者によく売れるんだよ。何でも素材になった鉱石自体に魔力が宿ってるとかでな」
本当に楽しそうに商品を見て回っている。良い機会だし彼女について色々聞いてみようか。
(15:バッド)
仕事のことや旅のことや魔力のこと。一体何から切り出そうか悩みながら、右に左に首を動かす彼女にいざ声をかけようとした所……
「レジさん!これどう思います?」
彼女の方が一瞬早く声を発した。こちらもまさに今話し掛けようとした瞬間だったため口が半開きだ。彼女から見れば、まるでずっと口を開けっ放しにしていた情けない男ではないか。
「えっと…どうかされましたか?」
何とも間が悪い、質問はまた次の機会にしよう。
「いや…何を見つけたんだ?見せてくれ」
「あ、はい!こちらはですね……」
(13:バッド)
その後もキャリーと二人で市を回り、解散して各自帰路に着いた。キャリーはいくつかの掘り出し物を買って満足したようだ。
三日後、ついにサリアから連絡があった。旅人から冒険者へ転職する時だ。
「皆さん、お久しぶりです」
私達は、オースディンを出て南へ数kmの砂上で集まっていた。周囲には大きく口を開けた穴を除いて何も無く、砂漠の色ばかりだ。この砂漠にぽつんと佇む穴は他の国で管理されるものと同じように見える。せいぜい違いは見張りの兵士がいるかいないか程度。
「何か異常はありませんでしたか?」
「ああ。そちらも?」
(58:ノーマル)
「はい。今日までロゼルディン兵の様子を探っていましたが、大きな動きはありませんでした。もちろん私達の住処がバレたような痕跡もありません」
一週間以上も時間をかけて様子を探ったのだ、きっとその言葉は信頼できるものだ。さて、ここに集ったのは四人、共に旅をした三人に加えてサリアの旧知の仲であるエリンも、この穴の探索に協力するようだ。
今回の探索の目的は三つ。なるべく深い階層まで進むこと。階層ごとの魔力濃度や穴の構造等研究材料になるものを調べること。そして、サリアがかつて見た男の手がかりを見つけること。果たしてどこまで進めるだろうか。
挨拶もそこそこに私達は穴に向き直った。
「それでは、行こうか」