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異常


 ダンボールハウスではなく普通のガラスの有る家で布団に寝たい。

 風呂に入り温かい部屋で過ごしたい。

 其れならアパートを借りるべきだろう。

 とは言え借りるなら最低二十万要る。


 だけどホームレスを雇ってくれるところは少ない。

 そうなると今の現状ではキツイかな?

 いや待て。

 確か昔テレビでホームレスが自活出来るような政策が有ったな?

 役所に申請すれば良かったかな?

 確か収入の三割で住める施設が有ると聞いたことが有る。

 上手くいけば普通の生活が出来る。

 良し。

 やるか。


 其の時だった。

 声がしたのは。


「おらあああっ! 社会の屑どもショバ代を貰い来たぞっ!」


 威張り腐った声がしたのは。


「おらおらっ!」


 公園の入り口でバットを振り回しながら男がダンボールハウスを潰していく。


「また来たよ」

「みんな逃げろっ!」

「くそ弱いもん虐めをしやがってっ!」


 金髪に髪を染た十代後半の男だ。


「俺らのショバに居るんだ家賃を払えやっ!」


 口汚くホームレスに家賃を払えと口汚く言いながら歩いてくる。

 家賃?

 はて?


「家賃て……何の事です?」


 なんの事かと近くのホームレスに聞いてみる事にした。

 

「呆れたことにあいつ等はここら辺を自分達の縄張りだから住むなら家賃を払えと言ってるんだ」


 と寝ぼけた事を聞きました。


「うわ~~馬鹿じゃない?」

「そうだな」


 何とも呆れた事である。

 市が管理している場所に不法に住んでいるホームレスより浅ましい奴等だ。


「オラオラ」


 とはいえ凶器を振り回してる馬鹿をどうにかしないといけない。


「何なんだ騒がしい~~」

「何だ爺っ!」

「うっ!」


 ゴキッ!


 あっ!?

 信じられないよ。

 諫めた老人をバットで殴るなんて。

 あ~~折れて無ければいいけど。


「死んどけや糞爺っ!」

「お前がな」


 ゴスッ!


「ぎやああああああっ!」


 気が付くと僕は其の男を殴り倒していた。


 アレ?


 あれ?


 何で?


 気が付いたら殴っていたぞ。

 何でだろう?

 まあ~~良いか。


 何でか知らんけど腹立つし。


「何すんだ此のガキッ!」


 うわ~~今度は子供を殴ろうとするか~~屑だな。

 そう思いながら僕はバットを掴んでいた。


「うん? 柔いな」


 グニャリ。


 思ったより柔らかいバットだった。

 まるで玩具だな。

 いや玩具だろう此れは。

 何だ玩具だから振り回してたか此奴。

 でも玩具でも人に向けるのは感心しないな。


「ひっ!」


 はあ~~ん?

 何で顔が青いのさ?

 反撃されないと思ったの?


「ひいいいいいいっ!化け物っ!」

「逃げていきやがった」


 あれ?


「お~~坊主助けてくれて有難うな」

「あっ……田中さん」


 僕の後ろに田中さんが居た。

 

「すまんな」

 

 えっ?

 ああ~~僕が田中さんを金髪男から守った形になるのか?


「気にしないで下さい同じ所に住んでる仲間じゃないですか」

「そうだ御礼に水炊きにを作ってやろう」

「いやその……」


 断る間もなく三度目の水炊きを作ってもらう。

 美味かったよ。

 美味かったけど。

 もういい加減に食いたくないです。


 はあ~~此れからどうしよう。

 仕事の当てはないし。

 

 とはいえ水炊き美味かった~~


 人助けはするものですね~~。

 無自覚だけど。


 さてと腹も膨れたし寝るかっ!


 今後の事は明日考えればいいかっ!




 

 

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