〜家を共有して使う話〜
「ではこれから、チキチキ分担決めを始める!」
と、ぴょこぴょこアホ毛を揺らして、1人の少女が話し出す。
「・・・えっと、これ何ですか?」
と、俺はアホ毛の持ち主に質問する。
「よく聞いてくれた新人君」
と、ピョン毛はぴょんぴょんして答える。
「これは、新しい住人がここに入居してきたり、出てったりすると発生するイベントであーる!
家事を分担して手間を減らそうって、この私、管理人が考えて始まった天才的なシステムだ!」
と、アホ毛とこの家の持ち主が堂々と腰に手を当て言う。
「つまり、家事を分担しようってことです」
と、ゆるふわ少女が言う。
「でも俺、家事できないんですけど」
「大丈夫、慣れるさ」
と、イケメン風髪型の青年が言う。
イケメン風が言うのだから間違えないと思い、質問する。
「あの、どうやって決めるんですか?」
「ジャンケン! と言いたいところだが、それでは自由意志では無くなってしまうし、押し付けられる事はしたくないだろう? だから、自分の得意な家事を選択してやってもらう。被っても良いし、選択したもの以外をやって貰っても構わない。そこは連携して欲しい。んで、重要な家事の種類なんだが・・・」
と、管理人は何かを探し出す。
棚の1番上の引き出しを横にスライドし、中から箱を取り出す。
箱を開けると中には透明なファイルに挟まれた、数枚の紙と鉛筆が入っていた。
管理人は鉛筆1本とA4程の大きさの紙を一枚取り出し、近くにあったテーブルの上に置く。
紙には文字が書いていた。
1.ご飯作る人
2.ご飯を買いに行く人
3.食器洗う人
4.お風呂洗う人
5.ゴミの分別と捨てに行く人
6.リビングなど共有のスペースを掃除する人
(個人の部屋は個々人で掃除すること!)
7.洗濯機に洗剤を入れて回す人+干す人
「新人君、この中で得意な物はあるか?」
と、管理人はアホ毛を揺らして聞く。
「全部やったこと無いのですが・・・」
「そんな真剣に悩む事はないさ。出来そうな物は無いかい? 挑戦してみたい事は無いかい? ここに居る皆、君が困っていれば手伝ってあげるから、一個でも良いから言ってみてよ」
と、イケメンは言う。
俺は少し悩み、
「じゃあ・・・」