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混世界  作者: 慧瑠
彼女が見た夢
98/140

コヒュー…コヒュー…

まさか、二日に一回の更新すらできないとは思いませんでした。

本当にすいません。一日、死んだように寝ていました。

飯すら食わずに。


寝てたおかげか…少し、体調は良くなりました。

「そういう夢部むべは、太夫の客人をひっ捕まえて何してるんだ?

檻影かんえいの連中まで引き連れて」


「は?太夫の客人?」


「お前が首を飛ばしかけた人の事だ。お前、店員さんが避けてなかったら…明日にはお前の首が晒されてたところだったぞ」


「……」


ロッパチの話しを聞いて、きょとんとした目でリュコスを囲んでいる者達を見る。

夢部の部下であるその者達は夢部の視線に気付き、知らなかったと首と手を振りながらアピールで返事を返した。


そのやり取りの中でリュコスは、自身への敵意が薄れた事で安堵するが、自分の原付の椅子を占領している女性の事を思い出し、どうするべきなのかを悩み始める。


「客人、良く避けてくれてたな。おかげで俺の命が繋がった」


「避けないと死ぬからな」


「危うく俺もな」


悩んでいたリュコスの後ろには、スルリといつの間にか移動してきた夢部が立っていた。


その言葉に、リュコスは冷たく返してみたものの、夢部は軽く笑いながらリュコスと肩を組み馴れ馴れしく答える。

そして、耳元に顔を近づけ続けて言った。


「ところで、お前が太夫の客人って事は分かったが…ソレを返して貰っていいかな?

客人であるなら、尚の事ソレは関係ないだろう?」


夢部は、原付に乗せられている女性を指差し目元しか見えない顔で笑って見せている。


その言葉の返事にリュコスは悩んでいた。


別に女性と自分は深い関係でもなければ、知り合いでもない。このままこの男、夢部に渡してしまえば終わり。


それだけのはずなのに、先程まで向けられていた敵意もそうだが…なにより、女性が言っていた’外へ’との言葉がリュコスの中で何度も響いてる。

そして、リュコスは答えた。


「わりぃ、この人は外に連れて行く」


「……お前は、ソレの知り合いか?」


「違う」


「そうかぁ」


笑っている目をしたまま夢部はリュコスの肩をポンポンと数回叩き、背を見せ離れていく。

必死に追っていた割には、呆気ない夢部の退きに驚いていると夢部は懐から小さな縦長の何かを取り出し耳に当て話し始めた。


「もしー、親方か?

そう、その件なんだが予定ずらしていい?え?ダメ?

あー…違う、実力行使はできるが相手が悪い。無理無理、俺の首が飛ぶ。

そう、なんか太夫の客人らしい。外へ運ぶんだとよ。


おん…いやぁ厳しいわ、だって俺、ミチコちゃんとデートだから。

はいはい、あー…はいはい。それじゃそうするわ。

承知。んじゃ」


話を終えた夢部は縦長の何かを懐へ戻すと腕を上げ周囲のガスマスク集団に向けて命令をした。


「はい、撤収」


その言葉に疑問も疑念も見せず、文句一つなくガスマスク達は散り散りに屋根を飛び越え移動し消えていった。


その素早い移動を目で追いながら、今度こそしっかり安堵できたリュコスに夢部は近付き何やら紙を一枚渡してくる。


「まぁ、そういうこった。

今はソレを預けとくよ。俺は今からミチコちゃん所に行くけど、それ連絡先だ。

何か用事があれば連絡してくれ。


あと、ソレは後日回収しに行くから…ま、それまでに持ってきてくれると俺が楽だ」


警戒しているのか、中々紙を受け取らないリュコスの服のポケットに紙を突っ込むと、夢部は他の者達と同じ様に屋根を伝い消えていった。


「なんか、大変だったな」


困惑しているリュコスに近付きながら、未だ気絶し原付に座らせられている女性を一瞥しつつ苦笑いを浮かべているロッパチ。


ガスマスク集団が居なくなったことで、野次馬と化していた者達も収集がつき終わったのだろうと興味が無くなった様に自分の目的へと歩き始めている。


「一体なんなんだ…」


「まぁ、大方検討はついた。

さっき、電話していた奴は夢部むべって言ってな。

常夜之夢の太夫と対になる存在、男共の纏め役が代々従えている御庭番…というよりは何でも屋の檻影かんえいって連中の頭領だ」


ロッパチは、リュコスの疲れた様子に同情しながらも質問に答えつつ夢橋へと先導し始めた。


リュコスもロッパチの後に続き、先程の連中の事を聞いたりしていた。

何故、狙われたかは聞けなかったが…答えを聞かずともリュコスにも検討はついている。


その原因である女性を外へと連れて行くのはいいが、その後どうすべきか考えていなかったリュコスは、自分の突発的な行動に呆れ大きな溜め息をつく頃には夢橋に着いていた。


「それじゃ、また会おうだろう。

気をつけて帰れよ店員さん」


「ロッパチさんも色々ありがとうございましたっす。

また、店に来てください。コーヒーぐらいは奢ります」


「そりゃ、受け取りにいかなきゃな」


ロッパチはカラカラと笑いながら、頭を下げ礼を言ってくるリュコス、哀愁すら漂い始めているリュコスの背中を見送った。




「…とりあえず、こういう時はあの人に相談だ」


女性が占領しているため原付に乗れないリュコスは、原付を押しながら色々考えた結果、面倒事の時はあの人へと方程式が出来上がりかけている思考に従い、新たな目的地へと足を進める。


そう面倒事や厄介事の時はあの人、自分を助けてくれた事もある黙示を訪ねてみようと…。

-人物紹介-


月無つきなし リュコス

性別:男

補足:コンビニ店員 狼男 突発的な行動をする自分を直したいと思っている


ロッパチ(仮)

性別:男

補足:現在、夢橋の門番勤務 赤ラークLong愛煙 コーヒーは微糖派


夢部むべ

性別:男

補足:檻影かんえいの頭領 檻影の頭領は代々、夢部と名乗っている 本名は別



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檻影の皆さんが付けているガスマスクのイメージは、ダブルファンのハーフガスマスクです。

顔した半分だけで、ファンが両サイドに付いてる大体ガスマスクっていったらアレ!みたいにイメージできそうなやつです。

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