閑話 やっぱり、気になってました。
閑話です。
時間的には、林檎達がザーラの部屋を出た辺りですかね。
べ、別に登場予定だった子の名前が思いついて居ない訳ではありませんよ!
-本の蟲-
「はぁ…」
「おや?お疲れですね」
日は沈み、日付も変わった深夜。その日の-本の蟲-は、珍しくまだ開いていた。
本の蟲は、時たまこうして遅くまで開いている時がある。もちろん、お客も居るが基本が常連や黙示の知り合いだ。
一見さんを断っているわけではないが、外から見ればカーテンを完全に閉め切り明かりは漏れず、閉まっていると勘違いして当然なので、開いていると気付いた常連ばかりが店に訪れる。
そして今日も初めてのお客は居らず、見慣れた客が数人訪れ、昼間とは雰囲気の違う-本の蟲-で夜しか用意されない酒と雪特性のつまみを堪能していた。
そんな中、カウンターに座る二人のお客。一人は不気味に脈打つ皹が、露出している肩口から頬まで伸びている物静かな雰囲気を持つ男と、完璧と呼ぶに相応しい美貌とスタイルを持ちながら溜め息を漏らした女が一人。
その女のグラスが空になっていた為、赤ワインのおかわりを注ぎながら黙示が声を掛けると女は不機嫌そうな目を黙示に向け愚痴り始めた。
「お疲れだね。本当にお疲れだ。
完全に興を削がれた気分だよ」
女は背もたれに寄りかかり、そのまま後ろに反る様な体勢のままぶっきらぼうに言った。
「大体、今は普通を楽しんでいるのにアレはないわ。
私は私が楽しんでいる所に横槍が入るのが大嫌いなんだ。私が傍観者だろうと当事者だろうと、他者が追加要素として介入してくるのには良いんだよ?それはそれで楽しいから。
なのに、全てを無駄にしかねない様な奴が乱入してくるのは許せないんだよ。
そこが分かってないんだよなぁ…。
私は、今、女子高生を楽しんでいるの!黙示!分かる?
阿鼻叫喚の様な風景も面白い、崩壊していく精神や表情を見るのも面白い、運命に抗おうと足掻いている様子を見るのも面白い、抗った末に報われるのも無駄に終わるのも面白い!色んな面白くて楽しい事を見て感じて、今は普通の女子高生の楽しいや面白いを普通に楽しんで面白がって、普通の日常に加えられる些細なスパイスが刺激となって普通に楽しいを見ていたのに…アレはないわぁ…
しかも林檎に興味持つとか…ないわぁ…」
一度カウンターから身を乗り出して、早口気味で熱弁したものの最後の方では椅子に任せ投げ出し、完全にだらけきってしまっている女に、横に座っている男と黙示は苦笑いを浮かべている。
その二人の態度が気に食わなかったのか、女はテーブルに身を預け上目遣い気味に黙示を睨みながら聞く。
「黙示はアレが居るって知ってたの?」
「えぇ、まぁ…『鼓動する水晶』なんて呼ばれているとは知りませんでしたが…よくまぁ噂が流れる様な状況になったなぁとは思っています。
生還した方が学生に居る…あぁ、いえ一人ぐらいなら心当たりがありますね。
それでも、彼女から漏れたとして面白い感じで広がっていますね」
その美貌で上目遣いをされたなら、普通であれば全てを捧げたくなる程に精神も理性も支配されても良いものの、黙示はしっかりと見上げてくる瞳を見つめ返しながら、いつも通りの笑みを浮かべ答えた。
「ヨトは知ってたの?」
「俺か?俺は知らなかったな。
最近、見ないな。とは思っていたが…そんな事より俺は今、忙しいからな」
「忙しいってなにさ」
「シュニーが飼っている羊と犬が、気がついた時に脱走したらしくてな。
羊はすぐに捕まえたが、駄犬共が抵抗してきてな…特にミゼーアが。
駄犬共、この世界では時間外移動をしないとは言え足だけはいっちょ前に早かった。
もう少し丸くなれば可愛げもあるんだがなぁ…」
ヨトもヨトで疲れが溜まっていた様で、横に座る女に答えながら顔を覆い女と同じ様に溜め息を吐いた。
それを聞いていた女、よく見れば名残があり女子高生の姿が成長した様な姿のラトは疲れ切っているヨトを指差しながら声を殺して笑っている。
「くくっ…ヨトも…っふふ…あのビッチにくふふっ…よく付き合うわ」
「マイラが泣きついて来たんだよ。
反抗期で駄犬共は言うこと聞いてくれないし、お前に頼んでも、どうせ笑って面白がってややこしくするだけだって言ってな」
「んふふふふ、マイラも言ってくれるなぁ。
くふっ…でもご苦労様ですヨトさん、私の変わりっふふにんふふ」
ヨトが疲れている様子がそれほど面白いのか、涙を浮かべ机に伏しながら笑いを堪え、横に居るヨトの背中をペシペシと叩いている。
もうヨトは諦めているのか、ラトの行動を気にする事無く白ワインを一気に流し飲み、黙示へと空になったグラスを差し出す。
黙示は、差し出されたグラスにヨト用のストックボトルを新たに一本開けグラスに注いだ。
「お二人とも楽しそうですねぇ」
「嫌味かっ!」「嫌味か?」
「ふふっ、そんなつもりはありせんよ」
奥で話しを聞いていた雪が、ラトとヨトにつまみを持ってきた。
甘い香りのスタッフドデーツ(アーモンド)や生ハムに包まれたチーズボール、薔薇の形にカットされたチーズを使ったカプレーゼなどを小皿に可愛く盛り付けられたおつまみ達。
そのおつまみ達が並べられていく中、ラトがワクワクしながら並び終わるのを待っていると…
「ん?進展…なのかな?」
「どうかしましたか?」
ピクリと何かに反応したラトに黙示が聞くと、ラトは首を傾げながら答える。
「いや、林檎達が誰かと会ったみたいなんだけど…。
何というか…存在が希薄?」
「あぁ…別棟で会ったんですね。
夜更かしでもしていたんでしょうか…」
ラトの言葉を聞いて、黙示は誰と会ったのか予想がついたらしく、そんな事を呟きながら自分用に用意したアイスコーヒーを一口飲んだ。
-人物紹介-
喫茶店-本の蟲-のマスター
明示 黙示
性別:男
喫茶店-本の蟲-の店員(厨房担当)
雪
性別:女
いつもの:アイスティー
店の料理は彼女が作っている
ヨト・ネクロ
性別:男 (本来:性別無し)
備考:神話生物ヨグ・ソトース
ラト・アルーテ
性別:女 (本来:性別無し)
備考:神話生物ナイアーラトテップ 大人の女性モデル
シュニー・レンズ
性別:女 場合により男
備考:一応ヨトの嫁 神話生物シュブ=ニグラス
マイラ・グラリーア
性別:女
備考:ラトの従姉妹 女神マイノグーラ シュニーの不倫相手の一人 夜行性で放浪癖あり
ミゼーア
備考:ティンダロスの王の一体
駄犬
備考:ティンダロスの猟犬
羊
備考:黒き仔山羊
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シュニーやマイラの登場予定は、あるにはあります。
いつになるかは、分かりません。
ちょっと、一気にクトゥルフ神話系を出し過ぎな気がしてならないので…。
ラトやヨトが絡むとどうしても…出しやすいと言いますか、設定決めるのが楽といいますが…。
テヘッ
ま、まぁあくまでイメージ的な、ベースはという話なのですけどね。
リスペクト的な…ね?
言い訳もほどほどに、神話大好きなんです。クトゥルフ系に限らず色々な神話が好きなので、出したくなっちゃうんです。
でも、次の話しはロボっ娘をアンドロイドな娘を!リュコス君達と一緒に出す予定です。
長くなった上に支離滅裂な感じになりましたが、いつもの事な気もするのでこの辺で…
毎度、月並みな言葉になっていますが、素直にそう思い、遠回しにするのも違うと思うので
読んでいただきありがとうございます。
今度も、どうぞよろしくお願いします。




