やったね!友達増えたよ!
もっそい林檎が喋ります。
心理描写も難しい。
思っている事は()←これで思わせていいものか…描写として組み込むモノか…。
などなどと試行錯誤しながら書いていってますが、今後ともドーゾよろしくお願いします。
目だけを動かしソレは四人を一人一人、ゆっくり見ていく。
メイと武は、その瞳に自分が捉えられると吐き気と共に、目を合わせてはいけないと本能が警笛を鳴らし続け、それでも外せない視線。
身体を支配する恐怖と湧き上がる虚無感と喪失感に、武は体の力が抜けその場に座り込み、メイはそれに加えてぐちゃぐちゃとした理解しつつも隠していた欲が心を満たしていく。
二人が、そういった感情に揺さぶられ狂いそうになる中、場違いにも楽しそうな声が二人の耳に聞こえてきた。
「私そっくりだー!あ、でもかたーい」
林檎は、理解できない違和感を感じては居たが、そんな事よりも目の前で姿を変えた水晶を面白そうに触ってみたり眺めてみたりと近付いていた。
あまりにも無警戒な行動に、恐怖を感じていた武は声すら出す忘れ、メイも先程までの高ぶりが嘘かの様に落ち着き水晶を同じポーズをとって遊んでいる林檎を見て笑みを浮かべる。
「林檎ちゃん、次に行こう。
あとニ時間もすれば朝になっちゃうよ」
この部屋にあまり居たくないのか、ラトは少し苛立つ様に林檎を呼んだ。
呼ばれた林檎は、可愛らしい腕時計を確認すると短い針が三に差し掛かろうとしている所だった。
えっと、会ったのが人体模型と別棟とたぶん部屋と水晶と…と、指を折りながら確認した林檎は、残り三つある七不思議を思い出し、探索の時間なども考えてあまり長居ができない事を理解する。
「本当だ!ちょっと急がなきゃ!」
少し慌てた様子で、もう一度だけと水晶の胸を触り自分の胸を触り…満足そうに頷くとメイ達が居る場所へと移動して、腰が抜けて立ち上がれなかった武に手を貸し部屋を出ていこうとする。
「最後、何をしてたの?」
「おっぱい触ってた!私のほうが少し小さかったよぉ…」
満足そうに頷いた割には、メイに答える時はショックを受けた様にへなっとメイの肩に顎を乗せて口をとがらせボヤいた。
その会話に、先程まで見ていたのが林檎の裸体だった事に武は顔を赤くして、まともに林檎の顔を見れず後ろを着いて歩いていこうとする。
そして、四人が部屋を後にしようとした時、声が聞こえた。
林檎の声に似ているが別物だと直感的に理解している。だが、林檎達は惹かれ振り向く。
「私は私に似ている。
恐れを知らず、恐れに屈しず。
知を知らず、知を持ち。
無知な私は、無知な私と似ている。
私は私を理解できていない。同じ姿同じ声同じ思考同じ。
私は私を私以上に分かっている。記憶も知識も私が記憶している以上に記憶している。
私が忘れた記憶も私は覚えている。
なのに理解はできない。
答えよ私。
私が見る夢とは。私が私に成れぬ理由とは。私が私を理解できぬ理由とは。幾多の思考の末に答えよ私。
その知恵、知識、思考にて私を満たせ」
林檎の姿をした水晶は、ピクリとも動かず無表情のまま問いかける。
多少なりとも自身の興味を惹いた'守られ続けているモノ'へと問いかける。
「え?んーっと、私に聞いてるんだよね?
ちょっと、何のことを言っているのかはわからないけど…。
私の夢は、メイちゃん達と色んな事を経験して楽しく生きる事かな~。
後、私が私に成れぬ理由は…よく分からないけど、水晶さんは私じゃないからじゃない?
姿形、声とか思考が同じでも私じゃなくて、水晶さんは水晶さんだから。
どうして私になろうとしたのかも分からないけど、私が忘れた部分も私だから。
それを覚えているなら、きっとそれは別の人なんだよ。
私の行きつけのお店のマスターが言ってたけど、この世界は沢山の世界とか可能性とか未来とかが混ざっていて、今いる私は沢山の私の中から生まれた私なんだって。
だから、きっと水晶さんも沢山の水晶さんの中からこうして私と話してる水晶さんになってるんだよ。
それなら、別に私になる必要は無いんじゃないかな?
えっと…あと、私を理解できない理由だよね!
なら、お友達になろう!そしたらきっと、私以上に私の事を理解してくれると思うよ!
だって、私よりもきっとメイちゃんの方が私の事分かってリするもん。
私も私の事を理解してるか?って聞かれたら私も全部わかってるわけじゃないから!だから、私の分からない私の部分はきっと私の友達が分かってくれてると思うことにしてる。
だって、自分の事って自分で決めるでしょ?でも違う所がある。なら、それは自分が勘違いしてる部分で自分で決めたのは自分の理想だから、それに向かって進めばいいんじゃないかな。
答えになってるかは分からないけど…私に興味があるならお友達になろう!私も水晶さんと仲良くなりたいな」
水晶からの問いに、林檎は腕を組んでみたり顎に指を当ててみたり…メイの髪を弄ってみたりと悩みながら答えた。
メイ達は、一言も喋らず割り込むこと無く黙り。水晶もピクリとも動くこと無く七色に彩られた双眸で林檎を見つめ聞いていた。
そして、言い終えた林檎はこれまた満足そうに頷いて、その手を水晶に向け伸ばす。
水晶は、その視線を林檎の顔から差し出された掌に視線を落とし、無表情だった表情が少し和らぎ口角が僅かに上がった様に林檎達には見えた。
「私は無知だ。
遥か昔より盲目白痴であり、夢を見ていた。
なるほど、あの玉座にて言を呟く事を辞めるのもまたいいのだろう。
しかし、私はもう少しここに居る事にしよう。
それでも私は私と友となるか?私はそれすらも飽き記憶の隅に忘れるかもしれんぞ」
「その時はその時!きっと、それも水晶さんが水晶さんであるが故ってやつなんだよ!
それに、私は忘れないからだいじょーぶ!」
手を差し出されたまま答える林檎に、水晶は無表情のまま林檎の顔を見た後に少し驚いた表情のラトの方を向いた。
暫くラトを見ていた水晶は、もう一度林檎のへと向き直るとゆっくりと一歩だけ踏み出す。
すると、林檎は差し出していた掌にチクリと痛みが走り確認するが、特に血なども出ておらず不思議そうに首を傾げる。
「いつか、会うことがあるかもしれない。
その時には、林檎の知を私に話してくれ。私は私の知を教えるとしよう。
橋本林檎、牧之瀬メイ、道中武、ラト・アルーテ、君等を忘れぬように私は暫し眠るとするよ。
ザーラ・アザト。次、会う時は君等に習いそう名乗ろう」
一方的に喋り終えた水晶は大きな二枚貝の形に戻ると、殻をピッタリと閉じ背景に溶け込む様に姿が見えなくなっていった。
人物紹介は一人だけ。
新しい林檎の友達(仮)です。
ザーラ・アザト
性別:?
備考:不思議と惹かれ目が離せなくなる不気味な七色を放つ水晶
神話生物アザトース
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だんだん林檎ちゃんの周りに危ないのが増えていきますが、林檎ちゃんは危ないのなんて認識してないので仕方ない。
と言うより、生きてりゃ知らぬ間に意外と危ない奴が身近に居たりするもんですよね。




