危ない七不思議も結構ある。
ゴタゴタは、タイミング悪く重なりますね。
もう少し、更新が不安定です。
さて、次の七不思議です。
「中に何かあったの?」
日頃から想像できない程に焦っているラトが気になって仕方がない林檎は、そう言いながら扉の方へと近付いていく。
だが、林檎が扉に触れる前に素早い動きでラトが林檎の肩を掴み、バッチリ貼り付けた笑みを見せつつ首を横に振った。
「あ、あのアルーテちゃん?」
その必死な様子に林檎は珍しく引き気味に声を掛けてみるが、ラトは口は笑みのまま血走った目で必死に入るなと訴え続けている。
「ぐふっ」
その隙に、こっそり扉を開けようと近付いた武は、腹部に謎の衝撃が走り扉に触れる前に腹を抑え、その場に蹲ってしまう。
一連の様子を離れて見ていたメイは、あまりにも必死なラトの様子に諦めたのか傍観する事にした。
それから林檎と武が扉を開けようとチャレンジしてみるが、全てラトの妨害により失敗に終わった。
「う~ん…」
扉の先が気になる林檎は、何とかしてラトの隙を掻い潜ろうとして開けようと試みるが、素早い動きのラトに止められ扉に触れる事すらできずにいた。
林檎は考える。
何とかして、何とかしてラトの隙を作り扉を開けられないかと…。
そして林檎は思いついた…ラトの隙を作れるであろう一言を。
謎の衝撃に翻弄されている武をチラッと見た後、林檎は手をガッシリと掴んでいるラトを見て言った。
「あっ!ヨトさん!ナフルルさん!」
その言葉を言う瞬間に、武とは反対方向を見た林檎の言葉と視線先に釣られ、ラトも林檎と同じ方向を見た。
瞬間、林檎の言葉に気を取られ力が抜けたのを確認した林檎はスルスルとラトの拘束を抜け、無音に近い足捌きで扉の前に移動し、それに気付いたラトが林檎を止めるより先に林檎が扉を少し開け中を見た。
「あっ!」
「どれどれ~」
扉から引き離そうと肩を掴み引っ張るラトに抵抗しながら顔を覗かせた林檎は、中にあったモノと目が合った。
いや…正確に言えば、目など存在していない。だが、ソレを見た林檎はソレと目が合った気がした。
「…?」
目が合った林檎は、身体の隅々まで心の底まで、ありとあらゆる何かまでも覗かれている様な感覚と名状しがたい悪寒に似た何かが林檎を支配した。
だが、林檎はその感覚に恐れを感じる様な事は無く。今、自分を見ているであろうソレが何をしているのか、何をしたいのかが分からず首を傾げた。
「橋本―、中はどうなってんだ?」
「んー…七不思議があったよー」
もうラトは諦めた様に手を離し林檎の様子を見ていると、同じように様子を見ていた武は覗いてから動く様子のない林檎に声を掛けた。
それに林檎は、目の前でおそらく自分を見ているであろうソレについて答え、武は林檎の言葉を聞いて進展があった事に喜び、林檎の後ろから勢い良く扉を開けた。
それにより武はもちろん、後方で一連の流れを見ていたメイにも室内のようすが伺える。
室内を埋めるほどの大きさのあるソレは、歪んだ球体…と言うよりは二枚貝の様な形で、不気味に七色に発光している水晶だった。
「あれが『鼓動する水晶』かしら」
自分で車椅子の車輪を回し部屋に近付いたメイは、林檎もそう思ったであろう七不思議を上げた。と同時に、二枚貝の形をした水晶はドクン…と聞こえる程の低音を響かせ収縮と拡大を一度だけした。
「おぉ…」
鼓動する水晶を見て、林檎が声を漏らし武とメイも驚いた様に見ている中、ラトだけが顔を手で覆い大きな…それは大きな溜め息を吐き、その水晶を冷たく睨んでいた。
「はぁ……。
ここ一世紀程度姿も夢も見ないと思ったら…」
溜め息以外は聞かれない様に小さく呟いたラトに答える様に水晶はもう一度鼓動する。その様子にラトは水晶を睨み気付いく。
水晶は自分を認識しているが、その意識が自分にではなく別の…林檎に向いている事に。
その事に気付いたラトは、林檎達が居る事を一瞬考えたが今から起こる事は林檎達程度では到底認識できないであろうと確信すると、行動に移った。
林檎達にとっては、室内に少しだけ風が流れた様に感じた。
だが実際は、水晶から林檎に向けて伸びた無色透明の触手を制限が掛かっていない身体と入れ替わったラトが林檎の前に立ち全て音もなく消滅させ、元の位置に林檎達の知るラトの身体で戻った。
その攻防で、入れ替わった身体の一部が削がれ破片が落ちかけたが、ラトがその破片も消滅させる際に少しだけ風が起きてしまい、そよ風が林檎達の肌を撫でた。
認識外で行われた攻防を林檎達が分かるわけも無く、風が密封された室内で吹いた事に違和感すら覚える事はない。
『わぁお…』
しかし、それは林檎、メイ、武の三人だけの話しであり水晶とラト…そしてメイの車椅子に搭載されている人工知能は機能をフルに使いラトの動きを見ていた。
それでも、ラトの動きは消え現れ消え戻るを繰り返した様にしか確認できていない。だが、人工知能は確かに確認していた。
水晶から伸びる無色透明の触手が林檎に向かって伸びていた事を、普通の人の目では見えない視界で様々な計算を利用して音も温度も変化の無い触手が空気を飲み込む様に動き林檎に迫り、ラトが人間ではあり得ない速度で人工知能が確認できる領域を越えた域で動き何かをした事に。
(君は口が硬いと信じてるよ。無機質君)
『マジかよ…』
今、起こった事に驚いていた人工知能は更に音声を漏らさぬように思う。
まさか、自分の機能に自分が気付く事なく介入され、言葉を無理矢理叩き込まれた伝えられた事に人工知能は戸惑いよりも驚きが勝った。
そんな攻防や、やりとりが行われている事など知らない林檎達は興味深そうに水晶を見ていると、水晶に変化が起き始める。
水晶は、ゆっくりとゆっくりと縮み始め、その姿を変えていく。
「お?おぉ!」
「あら不思議」
「ちょ、えっ!お、ぉお…」
その変わっていく姿に三人は驚き、変化が終わる頃にはそれぞれの反応を見せた。
林檎は単純に驚き目を丸くし、メイは変化したソレを隅々までまじまじと観察し、武は目のやり場に困った様で驚きながらも一生懸命目を逸らそうとしている。
そんな風に三人が反応を見せていると…生まれたままの姿で林檎の容姿に変化したソレは、ゆっくりと閉じていた目を開き、不思議と惹かれる不気味な七色で彩られた双眸で林檎達を捉えた。
-人物紹介-
橋本 林檎
性別:女
備考:ぴっちぴちの女子高生 健康的な良きかなボディ 橋本流薙刀術習得者
牧之瀬 メイ
性別:女
備考:綺麗系 幼少の頃より足が悪く牧之瀬カスタム車椅子を愛用 百合傾向
ラト・アルーテ
性別:女 (本来:性別無し)
備考:神話生物ナイアーラトテップ 只今、女子高生生活謳歌中 校内では基本色々と制限されている
道中 武
性別:男
備考:恋しちゃってる系男子 剣道四段 剣道ができる普通の高校生 林檎との距離が近付いていると思いテンションが上がり始めている 水晶の変化した姿に色々と妄想しちゃってる
鼓動する水晶
不気味だが、惹かれ見続けてしまいそうになる七色の光を変色させ続けながら淡く発光する二枚貝の様な水晶。
コレに心当たりがある方も居ると思いますが、また今度書きます。
現在は林檎の姿。
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友人が読んでくれていた様で、先日LINEで「林檎ちゃんでどんな見た目の子なん?」と聞かれたので…
「(檎>ω<) 薙刀は淑女の嗜み! こんな子。」と返事をした所、まったく分からん。と言われました。
すいません。私自身もビジュアルができている訳ではないのですよ。
もう、読者様に丸投げしてるんですよ…。あ、でも一応キャラの見た目を考えて描いてみて決まって出す予定のキャラとかも居るんで安心(?)してください。




