ねぇ、知ってる?
ほぼ会話だけの会話回です。
別に飛ばしても問題はないですが、林檎は運動もある程度できる!そんなお話です。
その頃。
「そういえば、話しは戻るんだけど」
「どうした?」
アルコール臭が漂う理科室で、ガラガラとした声でアルフレッドが思い出したように呟いた。
横に座っていたメイビスはアルフレッドの言葉に反応しながらも裂いたチーズを口へと放り込む。
アルフレッドは、メイビスから裂いた片割れを貰いながら続けた。
「いや、別棟の事なんだけどよ…。
教員の許可持ってなかったら、あそこに保管してる戦闘訓練用の道具に襲われなかったか?」
「あー…そういえばそうだったな。
あそこ、許可無く入ったら迷うわ襲われるわで面倒なの忘れてたわ。
まぁ、でもリミッター外れて防衛用になっているとは言え、旧型だから平気だろう」
「平気なのか?」
「怪我しても不法侵入したアイツ等の責任だしな」
「おい教師」
「ははは、一割は冗談だ」
「残り九割は本気なんだな」
「一応、死にゃしない程度にはなっているはずだし…もし防衛システムに引っかかっても最悪捕まって本棟に戻ってくるだけさ。
後は、俺がそこで迎えに行って釘を刺しつつ治療してやりゃ…ほら俺の評価もあがるだろう?」
「俺はお前になんで教師が務まってるか不思議だわ」
「妖精は、悪さする為の知識だけは豊富だからなぁ
成長すりゃ、それを勉学に応用もできるんだよ」
「質が悪いな」
「最近、なんか俺がやる気ないとか言われてメイビス先生は不服なんだ」
「事実じゃないか」
「ちげぇよ。やる気ないんじゃない…やる気が足りないだけなんだ…」
「何を真面目に言ってんだか」
「まぁ、それは置いといて…お前の心配は杞憂だよ」
「なにか根拠があるのか?」
「あるよ。
ラトが居るってさっきも言っただろ?
それに、お家柄で道中もそれなりには動けるだろうし…何より、同じお家柄で橋本が居るからな」
「橋もっちゃん…嬢ちゃんにも何かあんのか?」
「いや、何かあるってわけじゃねぇよ?
ラトみたいな秘密があるわけでもねぇし、道中ほど総合的に運動神経がいいわけでもねぇ。
現に、体力測定とかでも女子ではトップだが、一般的と言えば一般的。超人の様なスコアを叩き出す事も無い」
「なら、どうしてだ?」
「まぁ…別に隠す事でも無いし、本人もそんなつもりじゃないから話してもいいか。
お前も、ここの職員だしな…うん。
橋本の家も道中と同じ武道の家系なんだ」
「ほぉ…あの嬢ちゃんの家がねぇ」
「だが、決定的に違うのが…なんつーかなぁ…
道中が現代武道なら、橋本のは古武道だ」
「古いのか?」
「いや、道中の家系も由緒正しき道場だ。
道中の家系は、こんな世界になる前から道場を開いていたらしいし、今でもしっかり道場経営も生徒達も居る。
家庭訪問に行った時に、家系図まで出されて長々と話しを聞いたから覚えてる」
「ほぉ…体作りをしっかりとしているなと印象を受けていたが…剣道家だったのか」
「そういうこった。
まぁ、実力もあるらしいぞ。なんせ、高校生のくせに四段取得したらしいしな」
「高校生で四段は凄いのか?」
「さぁ?でも、道中の親御さんはすげぇ事だって言ってたからすげぇんじゃね?
元の世界ではありえないらしいし…この世界になって規則の改正とかあったらしく最年少合格者らしいぞ」
「そりゃ、きっと凄いんだろうな。
んで?嬢ちゃんも剣道の四段とか持ってたりするって事なのか?」
「いや、橋本は剣道の段位は持ってねぇよ?
言ったろ?道中が現代武道なら、橋本は古武道。
橋本は武道に関して段位は持ってねぇよ。簿記とかはなんか取ってた気がするが」
「なら、どうして橋本がいりゃ杞憂になるんだ?
古武道だったらなんか違うのか?」
「武道には違いないんだけどな。
橋本の家は、薙刀を教えててな。道場を開いている訳ではないんだが、希望者が居れば教えてやる程度だ。
金は取らねぇし、橋本の親御さんの気分次第でその日やるかやらないか決まるんだが、橋本は楽しくて毎日やってるらしい」
「あの嬢ちゃんが薙刀ねぇ…あんま想像できねぇな」
「まぁ、俺も見るまではできなかったな」
「しかし、そんなすげぇのか?」
「すげぇってか…現代武道と古武道って言った理由だな。
基礎を極めて試合に勝つのが現代武道だとしたら、基礎を発展させて生死を決するのが古武道ってのが俺のイメージでな。
橋本の薙刀は、試合向きじゃなくて実戦向きなイメージが強かったんだよ。
まぁ、そういう感じもあるし…何より、橋本は言動こそアレだが天才よりだからな」
「強いのか」
「伸びしろはある。と親御さんは言ってたよ。
実戦経験者と比べりゃ、そりゃ負けるだろうが訓練用人形相手にゃ苦戦はあっても負けはしねぇだろ。
まぁ実際の所は、橋本は運動感覚らしいから段位を取ろうともしなければ、冒険者や傭兵なんかには興味がサラサラないから才能あるのに宝の持ち腐れだと親御さんは気にした様子も無く笑っていたけどな」
「その親あって、その子ありみたいだな」
「その薙刀を教えてる奥さんの方は、凛とした雰囲気はあったが離せばふわふわしてる人だったし…
旦那の方も優しい雰囲気を持った人だったしなぁ」
「ほぉ…俺は会うことは無いだろうから実物は分からんが、橋もっちゃんからイメージするとできてしまうな」
「だろ?」
「あぁ」
「つかお前、嬢ちゃんって言ったり橋もっちゃんって言ったり忙しいな。
そんなに橋本と仲良くなったのか?」
「話しやすくてな…勢いで愛称で呼んでたのが抜けねぇんだ」
「まぁ、どっちでもいいさ。
俺にとっては分かりゃなんて呼んでようが大して気にならねぇし」
「なら、やる気のない先生で通じるのも気にしなけりゃいい」
「自分の事は別だ」
などと話しながらも、空になった酒瓶と食い散らかされたツマミは増えていく。
翌日、酔いつぶれて起きた時に片付けが面倒になって逃げようとしたメイビスとアルフレッドの追いかけっこがあったの事は林檎達が知ることはない。
今回は人物紹介をカッツして剣道のお話を…。
剣道をしている方などには違和感があるかもしれません。と言うより道中 武の設定を見た時に'ん?'と思ったかもしれませんが…ここで後付と言うより設定を話す隙が無かったので今回ぶち込みました。
本来であれば剣道四段は、絶対ではないですが基本高校生では取れません。
以前あった改正から変わっていなければ、剣道の段位は満十三歳から取得可能です。
そして、十三で初段を合格しても、すぐに二段を受ける事ができないんです。
規則として初段取得後、一年は修業しなければいけないのです。
そして、二段から三段は、二段取得後二年以上。
三段から四段は、三段取得後三年以上修業と規則が存在し、現実では最短でも十九歳でしか受ける事も取得する事もできないんです。
もちろん、例外もあります。
三十五歳以上であれば、現役から離れて復帰した際に規則期間を満たしていなくても地方代表団体の長が認めた場合に限り、二段を受審できる事があったりもします。
そして、もう一つの例外として、優秀者の修業期間短縮が存在します。
私の周りで、これに値する方が居なかったので詳しい内容は知りませんが、以下の様に短縮される場合もあるそうです。
初段 一級受有者 最短十三歳
二段 初段取得後3か月 最短十三歳
三段 二段取得後1年 最短十四歳
四段 三段取得後2年 最短十六歳
記憶が曖昧なので、間違っているかもしませんけど…。
で す が…この物語の舞台は混世界なので、色々変わります。
外に出れば、襲われる危険なども多々あるので規則が改正しています。
設定内容としては、受審規則の修業期間短縮の排除と初段受審規則年齢が十歳からと設定してます。
なので、最短で十六歳になれば四段は受審又取得できます。
市区町村や都道府県の概念は破棄しているので、各連盟審査ではなく国連盟審査の様な感じのつもりです。
錬士 教士 範士などの称号規則はあまり変えるつもりもありません。私がそこまでの事を語れないので…あまり改変など加えても使う機会も少ないですしね。
まぁ、今回は道中 武が四段を取得している辻褄合わせだと思ってください。事実そうです。
長くなりましたが、今後もちょこちょここういう事で'ん?'とは思うかもしれませんが、そういう世界です。
色んな世界が混ざってしまえば、改正があってもしょうがない。
それだけ私に都合のいい世界なので、ご了承ください。そして、これからもよろしくお願いします!もう切願です!




