フラグは折るためにも回収するためにも一度は立てなきゃ(使命感)
実は、七不思議…まだ決まってないんですよね。
この行き当たりばったり感が恥ずかしい。
林檎達四人は迷っていた。
「ダメだ…この部屋、さっきと同じだ。目印がある」
開け閉めをする度に変わっていく部屋を見分ける為、メイが持ってきていたメモ帳に適当に四人で印を付け置いていく方法を使い始め、来た道を戻りながら部屋を確認して何度目だろうか…。
一直線であるはずの廊下を来た時以上の時間を掛け歩き、扉があれば開き中を確認すると見慣れてしまった即席サインが書かれた紙が部屋の中に置いてある。
武が言った帰れるのか?の言葉に不安を抱き渡ってきたはずの場所を探すが、一向に見つからず…見つかるのは新しい部屋か既に確認した部屋のみ。
廊下を室内を繋ぐように紙を挟んで扉を閉めて試してはみたが、紙は綺麗に切られ別の場所で確認した部屋で切られたもう片方の紙が落ちていた事も確認しており、林檎達には部屋の移動を止める術も扉の先の部屋を予測する事もできていない。
その為、何か脱出の方法が無いかと扉を開けては移動しを繰り返していた。
「うーん…どうしよ。
外にも出れなかったしー」
少し歩き疲れた林檎達は、休憩も兼ねて今開けた扉の先の部屋に入り休憩を始める。
気が滅入り始めた武とメイは、気持ちを落ち着かせる様に目を閉じ精神統一を図っている。対してラトと林檎はテーブルに置いたサイン入りの紙を確認して、一応と部屋を探索し始めた。
林檎が、新しい発見が無いことに飽き窓の外に向かって手近な物を投げると、投げた物は窓の外へ完全に出た瞬間に消え林檎達が入ってきた扉から室内に戻ってきた。
だが、別に林檎達はこんな事で驚く事はない。林檎達にとってはこれも何度か見た現象であった。
窓から外に出れるのなら最悪メイの車椅子を使い一人ずつでも脱出すればいい。と考えたのだが、メイが車椅子からワイヤーを窓から外に向け射出すると少し伸びた先で霞み、部屋の扉からワイヤーの先が飛び出し武の頬を掠めたのが最初だった。
それを見たラトが外に向け室内にあった本を投げれば、同じように本も扉から戻ってくる。
幾つかの部屋で試しても同じ結果で終わっていた。
「今、私達が遭っている七不思議が『隔離された別棟』なのか『蠢く部屋』なのかも分からないもんねぇ」
「私的には、『隔離された別棟』は入った時点で解決!今、迷っている理由は『蠢く部屋』だと思うんだけど…アルーテちゃんはどう思う?」
「もし、『隔離された別棟』ならむしろ別棟に隔離されちゃってるのは私達だよね!」
「確かに!」
暢気に会話をしている林檎とラトの空気に当てられ、メイと武も気分が落ち着き始めた頃、扉が急に閉まった。
「お?」
音を立てずに閉まった扉に気づいたのは、窓に寄りかかりラトと話していた林檎だった。
閉まった扉を確認するために林檎が移動すれば、ラト達も林檎の動きを目で追い扉が閉まっている事に気付く。
「あれ?開かない」
何度かドアノブを捻り押したり引いたりをしてみるも、扉は一向に開く気配が無い。
「今度は個室に閉じ込められたのか…」
進展したと言っていいのか、今までとは少し違う状況に武が苦笑いしながら言った。
その後、武が林檎から代わりドアノブを捻ってみると簡単に扉が開く。
「…」
「わ、私はちゃんと開けようとしたよ!」
残念な子を見る様な目で武が林檎を見ると、林檎は両手を振りながら弁解を必死にしている。武は武でそんな目線を送ったものの、林檎と目が合うと恥ずかしそうに頬を染め顔を背け扉の先を覗き込む様に確認し始めた。
「ねぇ!道中くん!私、非力じゃないからね!ちゃんと扉は開けられるんだよ!」
「お、おう。分かってる。
多分、移動中だったから開かなかったんだと思う」
そっぽを向いた武の顔を覗き込む林檎に、武は更に顔を赤くして怪訝の目で見てくるメイと面白そうに見ているラトに自分が見た事を伝えた。
外は普通に廊下だったが、向かいに部屋はなく壁に掛かっていたプレートに'1F'と書いてあった事を。
「室内に一定時間いると、部屋ごと移動させられるのかな…?」
ともあれ。と階層を移動出来たことで進展と呼べる結果に少し気分が良くなった林檎達は部屋を出て一階の探索を開始した。
部屋を出た林檎達は、一応確認と扉を一度閉め開け直してみると、やはり扉の先の部屋は変わっている。
林檎達は分かっていた結果に驚く事は無く、扉を閉めて一階の廊下を歩き始めた。
「でも一階って事は別棟とは言え靴箱とかある玄関があってもいいよな」
「そうね。
それも含めてとりあえずは進んでみましょう」
武が周囲を確認しながら言えば、後ろから林檎と一緒に着いて来ているメイが答えた。
「でも、こんな流れだと何か出てきて逃げたり戦闘あったりするのがゲームとかではベターな展開だよね」
「アルーテちゃんは、逃げる派?戦闘派?」
「私は戦闘派かな!」
「おぉ、私もビシビシ戦う派!」
ラトがニヤニヤしながら先頭を歩いて話すと、林檎が聞いた。そしてラトの答えに嬉しそうにボクシングの真似をしながら話している。
「私は逃げる派よ」
「俺は…その場次第だな」
林檎がボクシングの真似をしたことでメイの車椅子が止まってしまい、それに合わせラト達もその場で足を止め気分転換も兼ねて話し始めた。
四人に笑みが戻り少し空気が緩み、注意力が散慢した時。それを見計らったかの様に物音が響いた。
「おいおい…アルーテさん、さっきのフラグだったみたいだぜ」
「そんなつもりは半分ぐらいしか無かったんだけどな」
鉄が擦れる様な音と足音が継続的に響き、それは確実に林檎達の方へと迫ってきていた。
その方向を見て、武は警戒を現し探索途中で回収した木の角材を中段に構える。そして未だ近付いてくる音の方向にラトが光を向けた事で音の正体の姿が見えた。
-人物紹介-
橋本 林檎
性別:女
備考 天然?可愛い系健康よきかなボディー女子 JK 成績良し
牧之瀬 メイ
性別:女
備考 綺麗系 牧之瀬カスタム車椅子を愛用(AI搭載) 林檎の親友 JK 成績良し
ラト・アルーテ
性別:女 (本来:性別無し)
備考 神話生物ナイアーラトテップ 只今、女子高生生活謳歌中 JK(仮) 成績普通
道中 武
性別:男
備考 恋する男子高校生 剣道四段 剣道ができる普通の男子 成績そこそこ 三尺九寸程の角材装備中




