表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
混世界  作者: 慧瑠
学園で七不思議!
79/140

既に遭遇していた七不思議。

多分、明日は更新できないかもしれません。

別棟へ着き、そこからは何事もなく探索をする事ができていた。だが、本当に何も無い事に林檎達は何にとは言えないが不安になり始めていた。


「一応、『隔離された別棟』の七不思議は解けたって事でいいんだよな…」


「こうして来れたわけだしねぇ」


ラトの後を着いて行く武は、持っている明かりを向け周囲を見渡しながら歩き呟くと、先頭を歩いているラトはラトで言葉を返しながら手近な扉を適当に開けてみては閉めてを繰り返し進んでいた。


「にしても何もないねー。

もっとこう…ドワッ!っとなるような事があると思ったんだけどな―」


「さっき林檎にドキッとはさせられたけどね」


林檎もメイも明るく喋っているが、真剣な表情で武と同じ様に周囲を見渡しては近くの部屋を覗いたりしている。

だが、中には特に何もなく。本が乱雑に積まれている部屋だったり物置と化している部屋だったり、本当に何もない部屋だったりと七不思議に繋がるような手がかりは一切見当たらない。


「この様子だと別棟は破棄されてる状態に近いから、これ以上は何もないのかもな」


「どうだろう…。

それにしては、なんか埃っぽさが無いんだよねぇ」


武の言葉にラトが返しながらドアノブを指で擦り確認すると、その指先にはホコリ一つ付着することはない。

先程から真っ先に部屋を開けているラトは、どの部屋を開けるてもホコリ一つ付かないしカビ臭さなども感じていなかった。掃除がいき届いている、誰かが住んでいる。そんな感覚をラトは覚え始め隈無く周囲を見ては、まだ開けていない部屋を開けていく。


「…あれ?」


「どうしたの?」


四人は、なるべく離れない様に歩いて探索していると、突然林檎が声を漏らし足を止めた。

自分が移動しなくなり、林檎の様子に気づいたメイが振り返ると、林檎は壁の上の方を眺めて首を傾げていた。


その様子に、メイも言葉をかけながら林檎の視線を追うと文字が見え、林檎が言いたい事を察する。


「ねぇ、メイちゃん。

私達階段か何か降りたっけ?」


「そんなはずはいわ。

車椅子の感覚からしても、スロープにはなっていないと思うし…仮に緩やかなスロープ状になっていたとしても二階層分も移動するほどは移動はしていないはずよ」


「そうだよねー…」


林檎とメイの会話に気付き、ラト達は少し戻り林檎達が見上げている先を見た。

四人の視界には壁に張り付けられたプレートがあり、そこには'2F'と書かれている。


ラトは、その文字を見た後、一番手近な部屋に入り外を眺め窓から頭を出して上や下の様子も見始める。

その行動を見ていたメイは、謎の違和感に襲われた。その違和感を理解するため、メイが考えていると林檎がメイに聞こえる程度の声で小さく声を漏らした。


「あの部屋は窓があるんだ」


その言葉でメイはある事に気づく。それが違和感の正体であると確信を持って確認をする為にラトが入っていった部屋とは廊下を挟んで向かい側の部屋に入り室内にある窓を見た。


そう、窓が向かい側の部屋にもあった。


物置なのだろうか、乱雑にダンボールが積み上げられた部屋にも窓が…その窓の外にはしっかりと外が見えていた。


「おかしい…」


「そうだね、おかしい」


メイの言葉に返したのは、メイが居る部屋に入ってきたラト。

武と林檎は、二人の会話が理解できないように首を傾げているが、メイは外を窓から眺めラトは身を少し乗り出し上や下、周囲を確認している。


「どうだった?」


「間違い無いかなぁ。

向こうとこっち側だと地上までの高低差が違う感じ。まぁ、それよりもどっちも同じ様な外に通じてるね。

別棟が吹き抜けでドーナツ型ならそれでもいいんだけど」


「もしそうなら、どっちからも本棟が見える事は無いわ」


「だねぇ」


それを聞いて、やっと林檎は理解した。

さっきラトが見に行った部屋の先でも本棟は見えていた。そして、今メイが見ている先にも本棟がある。

何より、階層を移動するほど歩いていないとは言え、探索でそれなりには歩いたのにも関わらず本棟は正面に見える。

それも、自分達が渡ってきた透明な足場の先の螺旋階段がしっかりと正面に…。


「って事は、別方向なのに一方しか外が見えないのか?」


「結果的にはそうなのかな?」


武も状況を理解してラトに聞けば、その答えはどこか歯切れが悪い。

その事が気になり武が聞こうとする前に、変化は起こっていた。それに気づいたのはラトだ。


「あれ?部屋の扉は開けっ放しだったはずなんだけど」


ラトの言葉を聞いて林檎達もラトの視線の先を見る。

今、自分達がいる部屋の向かい側、ラトがさっき外を確認するのに入った部屋の扉はしっかりと閉まっていた。

閉まっている事は別に不自然ではないのだが、開けっ放しだったと言うラトの言葉からして今閉まっている事は違和感でしかない。


「気になれば確認していこ!

今の所、手がかりはあんまりないし!」


「まぁ、そうだね!」


林檎の言葉に頷き、ラトが再度向かいの部屋の扉を開ければ変化はしっかりと起きていた。


「違う…?」


それに気付くのは、室内に入ったラトだけだが確かに変わっていたのだ。部屋の中が配置が置かれている物が数カ所ではあるが確実に…まるで別の部屋に入れ替わったかの様に。

ラトの後を着いてきた林檎達は、その部屋の変化に気付く事は出来ないが林檎達もそれを実感する事になる。


部屋を出て振り返った林檎は、今さっきまで居た部屋の扉が閉まっている事に気付き扉を開けた。

そして、その部屋は配置どころか部屋自体の広さまで変わっている。


「あ、あれ?」


「そういう事なのかしら?」


林檎の少し困った様な声に反応して振り返れば、メイも部屋が変わっている事に気付きラトが警戒しながら部屋を見ていた理由から推測してラトと同じ結論にたどり着く。


「部屋が入れ替わっている可能性があるのね」


「可能性じゃなくて、多分それは答えだよ」


ラトが一度扉を閉め、数秒してから開ければ室内の様子はまた変わっている。

それでラトもメイも、林檎も武も自分の置かれた状況をしっかりと理解した。


既に自分達は七不思議に遭遇している。

そして、この七不思議に遭遇して自分達に現れた問題が…


「これ、帰れるのか?」

七不思議一覧

済『動く人体模型』 

 『鼓動する水晶』

 『不在の学園長』

 『隔離された別棟』

 『隠された地下』

 『真実無き一日』

 『蠢く部屋』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ