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混世界  作者: 慧瑠
学園で七不思議!
78/140

知ってるか?AIは別に万能じゃないんだゼ

すいません。

色々ありまして、更新時間がズレました。


い、一応二日に一度更新は守れてると思います!思っています!思い込んでください。



車椅子の重さもあってメイは、先に足を滑らせた林檎に追いつきそうな速度で落ちていった。


「先に地面に衝突しちゃいそうだわ」


だが、そこまで高層では無かった為、すぐに地面が迫ってくる。メイは冷静に車椅子から放り出されない様に、車椅子を引き寄せ体勢を深く据え片方は車椅子の肘置きをしっかりと掴み、もう片方はニコニコと笑っている林檎に向け手を伸ばした。


「林檎!手を!」


「うん!」


メイの声に反応して、待っていました!とばかりに笑顔で両腕を伸ばしメイに向け手を差し出す。

その手を絡める様に握りメイは林檎を素早く引っ張って抱き寄せ、寄せられた林檎は嬉しそうにメイが言う前に抱きついてくる。


それを見たメイは優しく微笑むと林檎が抱きついた事で使える様になった手を使い、強く肘置きを叩いた。


『イてぇよ』


「いいから助けなさい」


『マスターは優しさがねぇな。物使い荒すぎダロ』


叩いた肘置きが回転扉の様に一部かクルリと回転し液晶パネルが表に出てくると、機械地味た音声で流暢に喋る声が聞こえてくる。

それに驚く事はなく、メイは冷たく言い放つと'声'は抑揚が無い割には楽しそうな言い振りでメイの命令を実行した。


声は、自身が制御している機能から現状に合うモノを即座に探しそれを実行。車椅子は実行されたプログラムに従い結果を出す。


覆われている車輪の面から無数のワイヤーが伸び広がり、地面に壁に足場にと関係なくワイヤーが刺さり、場所には巻き付いていく。そして慣性を殺す様に計算された速度と時間で幾つかのワイヤーを別々のタイミングで巻き集め、残ったワイヤーにより地面スレスレの所で林檎を抱えたメイの車椅子は停止した。


『あっ』


訂正。

少しタイミングがズレたせいで殺しきれなかった慣性により車椅子が傾き、少し車椅子が地面を擦り削った。


「……」


『マスター言い訳をキいてくれ、聞いてくれるよナ?』


「修理費は貴方持ちよ」


『待ってくれ!ボッタクリ修理費なんてトられたら!オンゲに課金デきなく「問題があったかしら?」……ナイ、デス』


明らかに声は落ち込みを表していたが、そんな様子を気にする事なくメイは淡々と声には返し、車椅子の肘置きに足を掛けているせいか、お姫様抱っこの様に抱きかかえている林檎の頭を撫でながら言った。


「林檎、私は別に大丈夫だったのに危ない事をしないで」


「えへへっ…大丈夫だと分かってても何もしないなんて出来なかった!

でも逆に心配かけちゃったね…ごめんね?」


「えぇ…心配したわ。

もし林檎が死んだらなんて考えたくもないもの。

でも、ありがとう。その気持は嬉しい」


メイと林檎が互いに頭を無であっていると、その自分達の空間みたいなモノを破る様に機械音声が喋り出す。


『相変わらず仲イイな。

林檎ノ嬢ちゃん、俺からもたまには礼を言うゼ。

こんなマスターの友達で、しかもイツモ俺を押してくれてアリガトよ』


「好きでやってるから!メイちゃんの車椅子押し係は誰にも渡さないよ―!

車椅子さんも助けてくれてありがとっ」


『ヨセヤイ、照れるぜ』


「……いいから貴方は早く上へ連れて行きなさい」


『へいへい。

マスターも林檎ノ嬢ちゃんぐらい優しけリャ』


声がブツブツと呟きながら新たにワイヤーを上へ伸ばすと、メイは呟きを止める軽く肘置きを叩いた。

それに声はケラケラと笑うと、再度喋り出す事は無く車椅子のバランスを崩さない様に巧みにワイヤーを使いラトと武が待つ別棟へと上がっていく。


「別棟は部屋が少ないのかしら」


「そうだねぇ…窓とか少ないみたいだもんね」


上へと上がっていく中、別棟の様子を外から見ていた林檎とメイは別棟に窓が少ない事に気づく。

教室とかがある本棟に比べ、窓が圧倒的に少なく階層間も広く取られている様に感じた。


『そろそろ着くカラ、俺は戻るゼ』


「えぇ、ありがとう。

もしかしたら、また頼むかもしれないわ」


『ユニークレイド中は控えてくれるト嬉しいナ』


「無理ね」


メイの返答に声はグヌヌと声を漏らしながら、表に出てきていた液晶パネルが回転すると声は聞こえなくなった。

液晶パネルがあった場所は、一見すれば普通の肘置きに戻っている。

それでも実行された事を終える為にワイヤーはバランスを保ちながらメイ達をラト達が待つ場所へと運んだ。



「ただいまー」


「お待たせ」


程なくして林檎とメイは、ラトと武が待つ場所へと戻ってきた。

二人と見た武は安心してラトは興味深そうに車椅子を見つめている。


「心配したぜ…大丈夫なのか?」


「だいじょーぶ!メイちゃんが助けてくれからね」


「平気よ。林檎が助けてくれたから」


林檎は、所定の車椅子の後ろに移動しメイを後ろからむぎゅっっと抱きしめ、メイはそんな林檎の頬を優しく撫で微笑み武に言葉を返した。


もはやピンク系の雰囲気を周囲に振りまいている二人と、その空気に入りづらそうにしている武の横でラトは車椅子に興味を示し巻き取られているワイヤーを目で追っていた。


「私が生まれた時から学習型AIを積んでいるのよ。

それを利用したギミックが幾つか仕込んであって、今のワイヤーもその一つね」


目を輝かせ始め見つめてくるラトに、気恥ずかしさと居心地の悪さを感じてメイは一応車椅子の説明を簡単に説明した。


それを聞いたラトは何度か頷き車椅子を触って確かめると、気が済んだのか先へ進もうと進言し歩き始める。

少し御機嫌なラトの後を武が慌てて追い、林檎も車椅子を押しながらメイと一緒に着いて行った。



そして、ここから別棟の探索がやっと始まる。

人物紹介はカッツ


-紹介-

車椅子君

人格:オート

備考:メイの車椅子に搭載された学習型AIで、車椅子に搭載されている機能を全て把握している。

人格などは設定されておらず、学習からの成長により現在の様な言動をする様になっている。

最近はオンラインゲームにド嵌り中。

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