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混世界  作者: 慧瑠
学園で七不思議!
75/140

七不思議! 動く人体模型!らすと!

謎は謎のままであるべきだと思う。

エデンはエデンのままであるべきだと思う。

つまり、スカートの中は宇宙のままであるべきだと思うんです。

たとえ予想や現実を知っていたとしても浪漫はロマンのままであるべきだと思うんです(力説)

「へぇ~、七不思議ねぇ」


場所は変わり、林檎達は人体模型の提案のもと理科室に戻ってきた。


「うんうん!人体模型さんは七不思議の一つなんですよ!」


「そうかそうか。いつの間にか俺も有名になっていたんだな」


人体模型は、こなれた手つきでビーカーを使い作った熱燗と、網焼きしたスルメを食しながら林檎達から事情を聞いていた。

お誕生日席の様に長机の側面に人体模型が座り、林檎達は授業の時の用に向かい合う用にニ対ニで座っている。


「人体模型さんは、ここ長いんですか?」


「んー?設立初期から居るからなぁ。

元々はスケルトンって言う魔物だったんだが、ここの自称理事長兼学長兼学園長に拾われて早百年。

その頃に付喪神が俺に取り付いて今や二重人格で、日替わりで俺と付喪神とで意識の主導権が移動して…もう五十年ぐらいかなぁ」


「この学校の設立は百七十年程度だから、大体は合ってるね」


林檎の質問に熱燗をクイッと一口飲み、炙ったスルメを口に投げ込みながら人体模型は懐かしそうに答えた。

その姿に、メイと武はなんとも言えない顔をして見ているが、ラトは知っていた知識を元に何度か頷いている。


「おぉ…人体模型さんは古株さんだぁ」


「あ、あのさ!人体模型さんは、そんなに飲み食いして平気なのか?」


「あん?別に平気だよ。

外せばモノだが、こう戻せば各臓器はそれぞれ機能してるからな。

元々、骨だから無くても問題ないし、あったらあったでこんな感じで娯楽に興じれるってもんよ」


一人関心している林檎が言葉を漏らしキラキラとした目で酒とスルメを堪能している人体模型を見ていると、やはりその奇妙な光景に耐えかねた武が聞いた。

すると、人体模型は言葉通りに動いている肺や心臓と取り外しては戻してを各パーツ何度か繰り返し見せながら答える。


その様に、更にキラキラと尊敬する様な眼差しの林檎。それを受けて得意気な人体模型。


武達は、どう言っていいものか…と困惑した顔で人体模型を見ていた。


「おー、もう先にやってるのか?アルフレッド」


「あっ」


「あ?………見て見ぬふりしたのに、なんでまだ居るんだ?」


そんな空気の中に新たな声が投げ込まれ、それに反応して皆が声のする方へと向くと…そこには林檎達の担任が一升瓶を片手に理科室の扉を開けていた。

バッチリと目が合った武が声を漏らせば、怪訝そうな目で担任は林檎達を見ていた。


「おせぇよメイビス!先に始めちまった。

いや、丁度切れた所だからベストタイミングでもあるな」


しゃがれた声でスキットルを逆さにしながら手を挙げる人体模型ことアルフレッド。

そして、メイビスこと林檎の担任の男は、少し悩んだが面倒臭くなり理科室に入りアルフレッドの対面に座って


「道中、そこ代われ」


「あ、はい」


アルフレッドから一番遠い事に気付き、林檎に一度視線を送るとメイビスの事を気にしつつもチラチラとアルフレッドを見ている様子を見て、林檎の対面に座っていた武と場所を代わり空になっていたビーカーに持ってきた酒を注いだ。


「あの…メイビス先生」


「あーっと…お前は俺のクラスじゃねぇな」


「二組の牧之瀬です」


「牧之瀬?牧之瀬ね。はいはい、牧之瀬…二組つったら安藤先生の所の子か」


表面張力全開で注いだ酒に口をつけようとしたが、呼ばれてしまい残念そうにそっちを見れば林檎の隣に座っていたメイと目が合った。

メイビスは、特徴的な車椅子に座っている少女に覚えがあったような無かった様な…でも自分のクラスには居なかった様な…などと考え聞いてみれば、返ってきた名前を聞いて林檎と仲の良い隣のクラスの子だと一応思い出し、満足に再度酒を口にしようとする。


「見回り終わったのか?」


「終わっちゃ居たんだが、こいつ等さっき理科室に居ただろ?

見つけて注意も面倒だし、酒も部屋に忘れてたからな取りに言ってたわ」


「俺も見つかって臓器弄くり回されたから声かけたら流れで話し相手になってもらってたわ。

なんでも七不思議探索してるんだとよ」


「へぇ…青春ってやつだな」


「青春ってやつだ」


アルフレッドがスルメを齧りながら聞くと、着ていた上着のポケットから6Pチーズを長机に置きながらメイビスが答え、ちょっとソワソワしている林檎達を見ながら酒を一口。

それに合わせて、アルフレッドもメイビスが取り出したチーズを口に投げ込み林檎達を見ながら酒を一口。


「んで…七不思議ってなんだ」


「知らね。

俺も七不思議の一つなんだと」


見られて更にソワソワと落ち着きが無くなり始めている林檎達を面白そうに見ながらメイビスはアルフレッドと話している。


そこで、七不思議という単語が聞こえた林檎は思い出した様に着けている時計を見てキョロキョロと周りを見始めた。


「どうした橋もっちゃん」


話して気分を良くしいつの間にか林檎の愛称を決めたアルフレッドは、少し様子が変わった林檎に気付いた。


「私達、まだ人体模型さんしか七不思議を見つけてない事に気付いたんです!

あと六つ探さないと行けないのに、人体模型さんとのお話が楽しくて忘れてました」


えへへっと照れたように言う林檎に、メイビスは苦笑いをしつつ何故かよく分からないが感動しているアルフレッドから七不思議とやらの詳細を聞いた。


「ほーん。アルフレッドが七不思議とは、昔から知ってる身としては感慨深いな。

それで、残りは六つだっけか?

『蠢く部屋』とか言う気色悪そうなのと、『真実無き一日』ってのは全く分からねぇが…残りはちったぁ心当たりがあるな」


「メイビス先生知ってるんですか!」


「おうおう。先生なんでも知ってる」


「今、二つぐらい知らねぇとか言ってたじゃねぇか」


残り少なくなったビーカーの中身を軽く回しながら遊び聞いていたメイビスが、チーズを齧りながら少し考える素振りをして思い出しながら言えば、思わぬ情報に嬉しそうに聞いてくる林檎に少し得意気なメイビス。

それを茶化す様にメイビスの言葉を掘り返しカラカラと笑うアルフレッドにメイもラトも武もついていけないとばかりに困惑している。


「まぁ、自称理事長兼学長兼学園長なら残りも知ってるかもしれねぇな。

とりあえず、別棟への行き方教えてやるよ」


「え、帰れとか言わないの?」


「せっかく青春してるんだし、少しぐらい手を貸す大人が居てもいいだろうよ。

あと、ここで酒飲んでたのは内緒にしてくれ」


「それが本命だね…」


思ったより協力的なメイビスの対応にラトが驚いていると、メイビスはドヤ顔決め込んで言った後に林檎達しか居ないのにも関わらず声を小さくして周囲の様子を伺いながら言葉を付け足した。

それにラトは呆れた様子で、メイや武も同様。林檎だけが真剣な顔で頷いている事にアルフレッドとメイビスの中で林檎の好感度が少しだけ上がった。

-人物紹介-


林檎達はカット


アルフレッド・S(スケルトン)・付喪神

性別:どちらでも

備考:人体模型 付喪神付き 元々はスケルトンだったが、自称理事長兼学長兼学園長の計らいにより骨組みを元に臓器などが着脱可能になり人体模型として就職。


メイビス・フェアリー

性別:男

備考:妖精(詳しくは次で) 林檎、ラト、武のクラスの担任

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