七不思議! 動く人体模型!さんっ!
昨日、なろうにアクセスできず更新ができませんでした。
サーバーの調子が治った頃には、もう仕事なり用事なりで追われていたので…。
い、一応二日に一度ペースを心がけて居るので…ね?
「メイちゃん?」
「私じゃないわ。
咳でもあんな野太いのはアルーテさんも私もでないわよ」
「なら…」
「俺は健康だぞ?」
咳の様な声を聞いた林檎達は、お互いを確認するが誰も咳をしていない事は分かっていた。
明らかに野太く掠れ切った様な咳は、一体どこから…。
周囲を見渡してみるが、それらしき人物は居ない。
「理科準備室…かな?」
林檎は、理科室の隣にある部屋に目を向けた。そこは理科準備室とプレートが掛かっている。
ラトは持っていた光源を扉に付いているガラスに向け、中の様子を伺うが特に変わった様子はない。
ただ、いつもと違う所があるとすれば…人体模型が窓側にある事。
「人体模型、こっちにあったんだねぇ」
ラトの後ろから覗きこむように見た林檎も人体模型を見つけた。
いつもある場所と違い、それは準備室の開いている窓側で夜風に晒されている。
体の右半分に皮膚はなく筋肉が露出し、喉の下から下半身に掛けては臓器がモロ見えだ。夜に見る人体模型は月明かりに照らされ、かなり不気味な雰囲気を醸し出している。
「あれだよな…『動く人体模型』って…」
「まぁ…でしょうね」
林檎に続き覗く武が言えば、車椅子から少し身を乗り出しガラスから中を覗いたメイが同意する。
四人は少しの間、中を覗いているとラトがゆっくりと音を立てない様にドアノブを捻ってみると、準備室の扉は簡単に開いた。
「おろ?」
開かないと思っていた林檎は、扉が開いた事に少し驚き目を丸くした。
それはメイ達も同じようで、少し戸惑いながらも準備室内へと入っていく。
「おじゃましまぁす」
小声で囁きながら準備室内へ入った林檎が真っ先に向かったのは人体模型の前。
メイの車椅子も押している為、一緒にメイも人体模型に近付いていく。
「やっぱり少し気持ち悪いわよね…これ」
人体模型の前まで移動したメイは、まじまじと佇んでいる人体模型を見た。
どこにでもある人体模型と同じだが、違う部分がある。それは臓器が機能しているのか脈打っていた。
心臓からも鼓動が聞こえる。もちろん、取り外しはできるし外した臓器を更に分解する事もできる。
だが、人体模型にハマっている臓器に触れれば、妙な生暖かさすらあった。
「正直、実は生きてました。って言われてもあんまり驚かないわよねぇ」
「外したら冷たいのに、戻したら動いて暖かくなるもんねぇ。
冬の時とかの生物では暖房代わりだったりするもんね!」
ラトと武は先程と同じように準備室内を見回しているが、林檎はメイと話しながら動いている臓器に触れ、妙に温かい肺を堪能している。
取り外しては冷えていく肺を戻して、別の臓器を取り外しては戻してを繰り返していた林檎は、柑橘系の匂いを嗅ぎとった。それと同時にアルコールの匂いも感じ首を傾げ、肝臓辺りを外した時に体内に隠されていたソレを見つけた。
それは、ちょっと柔らかい小腸を押しのけて、肝臓と胃の間に隠すようにハマっていた。
「なんだろうこれ」
それを取り出した林檎は、メイ達に見える様に高めに持ち上げ少し振った。
ちゃぽちゃぽと液体が入っている音を奏でるソレが、メイもどこかで見たことあるような…と首を傾げていると、ラトと武が光を当てソレを見た。
そして二人は、別々の反応を見せる。ラトは呆れ頬を引き攣らせ、武は驚きソレを林檎から受け取って蓋を開けた。
「うっ…やっぱり。
これ、スキットルだ」
「スキットル?」
強めのアルコールの匂いを感じた武は蓋を締め、林檎に返しながら説明をする。
「ほら、西部劇とか洋画とかで酒が入ってるやつだよ。
いつかは一度使ってみたいと思うロマンアイテムの一つだと俺は思ってる」
「ふーん。
私はドリルとかの方が好きだなぁ」
ビシッっと拳を突き出しながら言う林檎を微笑ましく見ていたラトとメイは見てしまった。
林檎の後ろで困ったように剥きだしの頭部と掻いている人体模型を…。あー…っと納得しかかっていた武も遅れて人体模型を見て固まった。
皆の反応に、変なことを言ったのかとアワアワ慌てている林檎の肩をちょんちょんと人体模型が指先で叩き、そこでやっと林檎も人体模型に気付いた。
「そろそろ、肝臓とスキットル返してもらっていい?」
ガラガラの声で人体模型は確かに喋った。
唖然とする四人。突然の事に林檎は手に持っていた肝臓とスキットルを落としてしまい、肝臓は肝右葉と肝左葉とで割れた。
「し、し、しゃべったぁぁぁぁぁぁぁ!」
「お、おう」
やっとの思いで出た林檎の声は大音量で準備室に響き、その煩さでメイ達は逆に冷静になってしまう。
その大音量を引き出した人体模型は、困惑気味にとりあえず返事をした。
人体模型とは
人体模型は80%以上が夜になると走るか表情が変わるという。
-アンサイクロペディアより抜粋-
スキットルとは
スキットルは主にウイスキーなどアルコール濃度の高い蒸留酒を入れる携帯用の水筒である。フラスクボトル、ヒップフラスコ、ウイスキーボトルなどとも呼ばれる。 -wikiさんより抜粋-
ちなみに、私も持っています。




