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混世界  作者: 慧瑠
怪談と恋話は夏の風物詩
7/140

夏と言えば怪談4

ペース配分など考えていません。

「私!彼氏いた事ありません!」


「そ、そう」


突然の林檎の告白に、呂呂はもうどうしていいか分からず、ちょっと引きながらを返してしまう。


「星の数ほど女は居ると言うけど!

男も星の数ほど居ると思います!


でも…う、運命の相手はきっとお月様なので…えっと…

星が一つ見えなくなっても…えっとお月様はあります!

だから…その…」


急に自分で言っている台詞が恥ずかしくなったのか、顔を赤くして照れながらモゴモゴと何か言い続け、限界だったのだろう…

残っているパフェと勢い良く口の中に流し込み始めた。


「もしかして、慰めてくれてるのかしら?」


「えっと…いや…はい…」


照れ続け、とても言いづらそうに答えるモキュモキュとパフェを貪っている林檎を見て


「カワイイー!

え?何?林檎ちゃんすっごく可愛いんだけど!

雪さん、林檎ちゃん可愛くない?」


呂呂は、席を一つ空け横に居た林檎に抱きつき林檎の頭を撫で回し始めた。

抱きつかれた林檎は、いきなりの事に驚き、ふと目線を上げると大きな口が開いておりプルプルと呂呂の腕の中で震えたが、撫で方が意外と上手とその感覚に身を委ねていた。


「林檎ちゃんは可愛いのは知っているから、落ち着きなさい」


「はーい」


呂呂は、林檎を離し横の席に座る。


林檎が空けた席一つ分の距離は無くなったが、先程よりは恐怖心は無く

どこかで頭の中にあった'食べられるッ!'と言う不安はなくなっていた。


「でも本当に、林檎ちゃんは可愛いわねぇ…ロマンチストな台詞も


うーん、食べちゃいたいな」


「えっ!」


ビョクッと身体を強張らせる林檎を見て、ニタニタと呂呂は笑う。

林檎は林檎で、先程消えたはずの恐怖心がチラリと顔を出していた。


「ふふっ、冗談よ。


でも、林檎ちゃんこんなに可愛いのに未経験なの?」


冗談と言う言葉にホッと胸をなでおろすが、未経験と言う言葉に今度は顔を先程の様に真っ赤に染めている。

高校生である林檎は、乙女トークは仲間内でする事はあっても、その初心さからかそっちの話になると顔を赤らめる事もあり、仲間内でも初林檎(うぶりんご)と呼ばれる事もある。


「はい…その…まだ…」


顔を真っ赤にしたまま両手人差し指をツンツンと合わせ弄りながら、恥ずかしそうに上目遣い気味で林檎は答える。

頭の中では、自分より先に大人の階段を登ってしまった友人を思い浮かべてはツンツンのスピードが少し上がる。


(あざといわねぇ…)

(あざといわぁ…)


初々しいその動作を、雪と呂呂は林檎が無意識と分かっていても意図的に感じ

あぁ、初々しさを忘れてしまっていると思ってしまった。


「いえ、私の事はいいんです!

それより!…?

どうかしたんですか?」


このままではイジられると考えた林檎は、話題を変えようと顔を上げたが

二人は、どこか遠い目をしていた。

-自己紹介-


喫茶店-本の蟲-の店員(厨房担当)

性別:女

いつもの:アイスティー

店の料理は彼女が作っている


常連客

橋本 林檎

性別:女

いつもの:ミルクティー

初心(うぶ)なJK


朽木 呂呂

性別:女

いつもの:緑茶

口裂け女


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