その後。
お読みの皆様、ここまでありがとうございます。
長くなりましたが、フェリシテ君編終わりです。
もしかしたら、今後またスポットが当たる事があるかもしれません。
それは、私も分かっていません。。。
あと、今更ですが本作にプロットなどは一切無く、その日その日で考えて更新しているので矛盾が出る場合もありますが…
できるだけ、後付なども駆使して消していくつもりです。
便利な世界観を利用して…。
混世界という世界観の一本の木から、黙示だけではなくそれぞれの物語が伸びている。そんなイメージでいつも書いています。
なので、主人公が定まっていない感じがありますが…まぁベース黙示君なので一応、黙示の過去や考えている話しもありますよ!
まぁ、うだついても仕方ありませんので潔く。
終わりなどは決めていませんし、あっちゃ行きこっちゃ行きするでしょうが!
是非!末永くお付き合い頂ければと思います!
日が沈み、先程残っていた最後のお客も帰った。
今日は、もう閉めようと後片付けをしていた黙示の耳に来店を告げる音が聞こえた。
外に出していた看板を下げるのを忘れていた…と、黙示は思い出しながら今日は終わりである事を言わなければと顔を上げ入ってきた客を見た。
「すいません。今日は…終わりなのですが、そうですね、カウンターにでも座って待っていてください。
すぐに片付けを終わらせますので」
顔を上げた黙示が見たのは、屈強な大柄の男だった。
フード付きローブで全身を隠しては居るが、その巨体は隠せていない。
入ってきた男は、黙示に軽く頭を下げると言われたとおりカウンターの席に座った。
「さて…飲み物を用意しましょう。何がいいですか?」
「紅茶で頼む」
「かしこまりました」
黙示は手早く表から看板を引き、残っていた食器も下げてくるとカウンターに座る男に聞き飲み物を作っていく。
男も黙示もお互い会うのは初めてだった。
最後に連絡を取り合ったのは何時だっただろうか。そんな事を考えてながら淹れる紅茶は、心地良い香りを男へと伝え、男は紅茶の香りを感じつつ肩に下げていた鞄から一冊の古びた日記帳を取り出してテーブルに置いた。
「随分と痛みましたね」
「大事には使っていたが、初めの頃は中々トラブルも多くてな。
雨に濡らしてしまったり燃え盛る家に飛び込んだりしていたら、そうなってしまった」
「そうですか。
確かに、少し焦げてもいますね…よし、新しいのを用意しましょう。
これはどうしますか?」
「持っていてもいいか?
一応、内容はどうであっても形見なのでな」
「えぇ、もちろん」
黙示は紅茶を男の前に置き、同じように古びた日記と同一の新品を男の前に置く。
氷水だが、自分の分も手早く用意した黙示は珍しく男の横に座り二冊とも男に渡した。
「それで、あれからどうしたんですか?
日記は途中で終わっていたので何かあったのかと心配したんですよ?」
「あぁ…アミリアの我儘をどうしようかと悩んでいたエンベルだったが、横からカーレが提案した内容がそのまま通った「」
「まぁ、爵位を簡単に与えるのは国としても問題ですからね」
「エンベルも説明はしていたが、アミリアが納得しなくてな。
それで、ほら」
男は、首から下げていたカードを黙示に見せた。
「おや…王家発行特別信用通行証、結局エンベル王が折れたんですか?」
「しっかり見てくれ」
「おやおや、これは」
そのカードを知っていた黙示は驚いたが、男に言われ裏までよく確認すると、しっかりと隅の方に書いてあった。
発行した日付と、『使用期限二年』という本来それには書かれないはずの文字が…。
「カーレが、期限付きならば渡しても大丈夫だろうと提案したところ、エンベルもアミリアも一応納得できたらしく異例ではあるが期限付きの特別通行証だとさ。
決まって二日間リスコッチェ国に泊まり、新しい期限付きの伯爵として俺と魔王ソミラが国民の前でコレを受け取ったよ。
初めは困惑気味だった国民達も、エンベルの演説で無理矢理納得させられてたのを今でも覚えている。
平等な協力関係、国の危機には彼等は惜しみなく力を貸してくれる。ならば、私はリスコッチェ国の者として、王として誠意で応えたい!だの何だのと嘘も本当も当たり障りなく混ぜては話し…本当に長かった…。
ああ言うのも、一種の洗脳だよな」
「それはなんとも…見ていたかったですねぇ」
「楽しそうに言わんでくれよ」
その時は、本当に疲れたのだろう。笑いながら言っているはずの男の目は一切笑いなど含んでいない。
黙示もその様子を見て、大体は予想できたのだが本場の空気と言うやつがあるのだろう。その場に観客として居たかったと思った。
「それからはすぐに旅に?」
「あぁ、やはりいい顔をしなかった者達も少なからずは居たからな」
「えーっと、でしたら今日で約三ヶ月程は経っている事になるんですかね」
「そうだな。魔国から混沌国に入ってから一月程度たったから…それぐらいか?」
男と黙示は、カウンターに置いてあったカレンダーを見ながら確認をする。
その後は、この約三ヶ月間の事を男が話し、黙示が興味深そうに聞いては質問してみたりを繰り返した。
途中で明日の分の仕込みに使う材料の買い出しから帰ってきた雪を混ぜ、男は旅の始めから話した。
なんでも、旅の始めて二週間程はソミラも同行してくれたと男は話す。
黙示と雪は、封印中は誰とも関わる事が無かったから寂しかったのでは?と勝手に想像しながら続きを聞いた。
そして、数日掛けてリスコッチェ国の最寄りの村に到着し一泊。その夜に盗賊騒ぎに巻き込まれ、ソミラが盗賊を血祭りに上げる中で人質になっていた子を救出し、その子を捕まえていた盗賊を確保した男は、翌日ソミラと共に盗賊のアジトに殴りこみをしたとのこと。
村で飼っていた馬の中で一番速いのを使い、リスコッチェ国に盗賊の事を伝えると一足先にオレイアが来てソミラ達を見ると苦笑いされたそうだ。
それからも何度かトラブルに巻き込まれ、ソミラと別れると混沌国を目指して旅を続けたと言う。
とある大きめの街では祭りが楽しく、時間を忘れてしまいオークの姿を晒したが、催し物だと誤魔化したのだと。
その街はリスコッチェの領土内ではなく、お隣の国のセンペルセコと言う国の国境代わりの街だったらしくセンペルセコの王都の方では勇者育成を掲げた学園があるらしい。
男は、王都の方には足を運ばなかったが、その祭りをしていた『センペルセコ国境街イア』で勇者見習いと知り合いになったと嬉しそうに語った。
数日、イアに滞在し勇者見習い達と別れた後は遠回りをしながらも混沌国に入ったと言う。
魔国と違い、様々な文明や技術などが好き勝手に混ざり合っている混沌国は、男にとっては驚きの連続だったらしい。
混沌国に入って一度オークの姿を人に見られたが、引かれはしたものの騒ぎになる事も無かったと微妙な表情で男は語った。
それからも嬉しかった事や、驚いたこと、楽しかった事や悲しかったこと、奮闘した事など色々話した男は、既に日が変わった事に気づき黙示と雪に謝る。
黙示と雪は、別に構わないと言いながら、今晩泊まる場所を手配すると男が申し訳なさそうに出て行くのを見送り、その時に黙示は男に聞いてみた。
「フェリシテ君、旅の目的ってなんですか?」
「特に決まってはない。
だが、そうだな…色々見て知って、その内に親父以上の恋と言うのをしてみたい」
「それは、楽しそうですね。
また、遊びに来てください。お話を聞くために僕はいつでも待っていましょう」
「あぁ、必ず来る。日記も書く。
また来るその時は、か、彼女も連れてこれる様にガンバロゥ」
「えぇ、期待していましょう」
彼、フェリシテは少し照れくさそうに恥ずかしそうに、語尾に連れ小さくなりながらも言い残して店を出て行った。
フードからチラリと見えた顔は、やはり頬が赤くなっていた様に見えた。
「雪さん…今、フェリシテ君はカッコつけようとしたんですかね?」
「さぁ?分かりませんが、私はきっとそうだと思います。
それにしても、楽しそうでよかったですね」
「そうですね。
オーガス君も、エリカちゃんも少しは安心できるでしょう」
「死んで尚、心配はしていましたからね。
今度、許可が下りてエリカちゃん達が来る事があれば日記、見せてあげましょうか」
「その日が来る前に、死期を終えて生期に入る方が早いかもしれないですけどね。
まぁ、それはその時にでも考えましょう。さ、残りの片付けをしましょうか」
「ふふっ、そうですね。
黙示さん黙示さん」
「なんですか?」
「今日は少し飲みたい気分です」
「では、そうしましょうか」
黙示と雪は、フェリシテの姿が見えなくなるまで後ろ姿を眺め話し、フェリシテの姿が見えなくなると残っていた片付けを終わらせる為に店内へと戻り、黙示は片付けを雪は今日の残り物を使い、肴を作り始めた。
-人物紹介-
フェリシテ
性別:雄 種族:オーク
備考 不思議な飴玉飲まされて人間になる事も可能 旅をするオーク 人脈を着々を広げている
エンベル・リスコッチェ
性別:男 種族:人間
備考 リスコッチェ国王 アミリアの父 前王である父の尻拭いから娘の面倒も含め苦労人。 愛妻家
カーレ・リスコッチェ
性別:女 種族:人間
備考 リスコッチェ国王妃 アミリアの母 ふわふわした空気を漂わせている おっとり系人妻 スレンダー 数字に強く経済面の管理などに携わっている。
アミリア・リスコッチェ
性別:女の子 種族:人間
備考 お姫様 頑固は父から方向音痴は母から強化して引き継いでいる
アーナム・ヘイリスカ
性別:女 種族:獣人狐族
備考 ギルドリスコッチェ支部ギルド長 通常時ニ尾(戦闘時?尾) 気遣って言葉を選ぶのは苦手
ギルド員から姉御やお姉様と慕われている 脳筋
アンナ・イガール
性別:女 種族:人間
備考 ギルド受付 ギルド古参 アーナムとは結構長い付き合い 気の利く人 基本喋るの面倒だと思っている
オレイア・ホンベルド
性別:男 種族:人間
備考 リスコッチェ国第一騎士団長 歴戦の猛者 前王の頃より騎士団にて仕えている おじ様っ!って感じの雰囲気 ダンディなナイスガイ 正義感が強い
レミア・フランド
性別:女 種族:人間(魔族とのクォーター)
備考 騎士団所属 魔眼'鷹の眼'所持 キリッとしたかわいい系 魔族の血が入ってる事はオレイアしか知らない
ソミラ・ロンベルハート
性別:男 種族:魔族
備考 孤高の魔王と呼ばれた魔族 四枚二対の黒い翼を持っている(一枚消失の為、現在三枚)
魔王の中でも上位の強さを誇る
ノーヴァ・クラティア
性別:雄 種族:オーク
備考 オークキング 大魔王軍序列二位魔王 オークの割には人間よりだが巨体で牙すんごい
オーガス(故)
性別:雄 種族:オーク
備考 恋したオーク フェリシテの父 アーナム達が遠征中にかち合い死亡 ドラゴン討伐者
エリカ・ハーリ(故)
性別:女 種族:獣人狼族
備考 銀狼系 オークに恋した獣人 フェリシテの母親 凛とした美人系
上記の様にキャラの外見や設定などは、あんま考えていません。
皆様の想像にぶん投げています。
なにせ、私は絵が描かけませんので…こう、センスも無いんです。
骨組みあれど、肉付き無いそんな感じ…
今後彼等が出るかは…分かりませんが、魔王勢は確率高めです。
補足説明。
今度、作品内で説明は入れる予定ですが、単語を出してしまったので一応ここでもしておきます。
この世界では、死後の世界が明確に存在します。
呼び方は、地方様々ですが…大まかに言って、天国も地獄もあります。二つとまとめて『冥界』とも言います。
そして、『死期』は死後の期間です。
死んでからは、それぞれ死期が割り当てられ、死後の世界で死の期間を過ごします。
その死期と対になるのが『生期』です。
これは、生きる。もしくは生きている期間です。
'死期に入っている者を亡者''生期に入っている者を生者'そんな感じで呼んだりもします。
亡者は冥界で、生者は現界(現世)でと組み分けして生きていますが、亡者が現界で生きている事もあります。
理由などは追々出しますが、冥界の亡者が現界に来れる時期や期間があったり許可が下りたりとあります。
もちろん、それが出来ない亡者の方が多いです。故に生者が死を恐れ悲しむ事はあまり変わりません。
むしろ、死後の世界が確立されている分、死して尚…という事があるかもと恐れる生者もいます。
亡者は、死期が終えると冥界から現界に転生します。
記憶や経験をリセットし、正常であればそのまま、壊れかけの魂は別の壊れかけなどと掛け合わせ新しい魂として…まぁリサイクルです。
基本は、死んだ魂は壊れていたり擦れていたりが普通なので、新しい魂になる方が多いです。
もちろん、転生未経験のNEW魂も普通に生まれます。
まぁ、色々と今後も設定を追加はしていきますが、『死期』と『生期』の単語を出してしまったので、取り敢えずの説明をさせてもらいました。




