それは、信じた証11
お姫様の頃は、少しヤンチャしてるぐらいが可愛げありますよね。
背伸びして澄ましてる感じも可愛いと思います。
つまり、幼女って可愛いですよね。
いぇすろりーた のーたっち。
暖かく見守るだけでも事案になる世の中ですけどね。
場所は変わり城内。
用意された一室に集まり座っているのは、エンベルにアミリアとカーレ。後ろにアーナムとオレイアが控え、対面にはフェリシテとソミラが位置している。
人払いは既に済んでおり、その部屋の周辺には使用人などおも居らず、外ではギルドからアンナが騎士団からはレミアが人が来ない様に待機していた。
「改めて、この度は助かった…。
フェリシテ君にも魔王ソミラにも感謝しなければな」
先程とは違い、エンベルは疲れきった様子で頭を下げていた。
その態度にソミラは目を丸くする。
「おいおいどうした?さっきよりも随分と態度がちげぇじゃねぇか」
「他国の者も居た故、下手に出すぎてもね…。
いろいろと問題があるんだ。あまり頭が回らず、失礼な条件を提示してしまったね。
一応、形式だけでも結んでおかないと問題になるから、始めようか」
エンベルがそう言うと、アミリアを挟み座っていたカーレがテーブルの上に書類を数枚用意し始めた。
それを見て、アミリアも席を立ち紅茶を用意しようとし、それをアーナムとオレイアが手伝い始める。
さっきと比べ、敵意も何も無く疲れたオーラ全開のエンベルに毒気を抜かれながらソミラは準備が終わるのを待った。
だが、少しまだ掛かると分かると横に座っているフェリシテに話しかける。
「てめぇは、こうなる事を予想しててあん時黙ってたのか?」
「予想していた訳ではないが…なんだろうか…。
あのまま終わるならばそれでもいい。だが、あのままで終わらす様な者達ではないと信じてみたと言うのだろうか…」
「んだそれ。
オークがそんなセリフを吐くなんて驚きだ」
「そう言われてもな…」
普通に驚いているソミラの反応に、少し困ったようにフェリシテは頭を掻きアミリアが用意してくれた紅茶に口を付けた。
そんなフェリシテにニヤつきながらソミラも一口目を飲む。
「照れんな照れんな。
別にわりぃことじゃねぇだろうがよ。
あの豚よりは好感持てるぜお前」
一口で一気に紅茶を飲み干したソミラが、気恥ずかしいのか少し落ち着きが無くなったフェリシテに言った辺りで書類の準備が終わった。
「待たせてすまないね。
フェリシテ君が私達を信用してくれた分、それに応えなければね」
エンベルが照れているフェリシテに追い打ちを掛けると、フェリシテはカップを置く時に反応してしまい残っていた中をこぼしそうになった。
それを見ていたアミリアが、おかしそうに笑う。それに釣られフェリシテも笑い、緊張が解れたところでとエンベルが内容を説明しはじめた。
「内容は先程話した通りではあるが、一応確認してくれるかな。
私達リスコッチェ国とリスコッチェ支部のギルドは、オークと魔族を本日より二年間討伐対象から外す。
しかし、魔族もしくはオークの方から行動があった場合はこれを例外、討伐対象と判断し対処させてもらう。
とまぁこんな内容でどうだろうか」
「割りと穴だらけだな。
どちらが先に仕掛けたかの証明の仕方も乗っていなけりゃ、破った場合の処罰内容も無い。
この契約に意味があるのか?」
渡された書面を見てソミラが思ったことを口にした。
それを聞いたエンベルは、苦笑いをしながら返す。
「これに関してはこれぐらい穴だらけの方が、後々の対処がしやすかったりするもんなんだよ。
正直、君達を嫌悪し恨み敵視している者も少ないくないからね。
あんまり厳しくしても結局は破ってしまうのが見えているんだ。
表面上は結ばれているから問題はないし、問題が起きても規定には違反していない。
明確にどちらかと分からなければお互い曖昧にできるだろう?
それにね。この契約を結ぶ一番の理由は、『魔王と契約した』と言う事実が欲しいんだ。
今回の件、少し他国の動きが怪しくてね。牽制と言うやつさ。
我々リスコッチェ国は、魔王と契約をできる立場にいる。君達が下手に手を出せば協力関係を築くこともできる。と言う牽制さ。
もし、他国が攻めて来た時に君達が協力してくれる可能性は低いだろうけど、その可能性があると言うだけで手は出しづらくなる。
だから、できれば魔王ソミラとフェリシテ君には契約を守ってくれると効果的だから助かるんだ。でも他の魔族やオークは納得しない可能性の方が大きいからね。
これぐらい表面上は明確だけど、穴だらけの方が便利なのさ。
さて、長々と説明をしてしまったが、これは我々が求める結果を得る為の契約だ。
ちゃんと褒美を別に用意したいのだが…何が良いか聞かせて貰ってもいいかな?」
隠す事もセず、この契約の意味を一通り話し終えたエンベルは紅茶を一口飲み、喉を潤しながらフェリシテ達の返答を待った。
ソミラとフェリシテは、一応エンベルの話しを聞き納得はできた。
別に、ソミラ自身はこの国には用はない。この契約を結び終えれば即座にでも旅立つつもりだ。
フェリシテも同じように考えており、雪が言う前から考えてはいたが、雪に言われ旅に出ようと意思が固まっていた。
故に、褒美と言われてもフェリシテもソミラも思いつかない。
隠れ家が残っていればある程度の金銭はあるし武器も必要の無いソミラと、旅をするにあたって必要な物が思いつかず、宿や入国に使わなかった為、金銭は黙示から受け取った金が手付かずで残る事となったし武器も普段は特に必要としないフェリシテは悩む。
「御二人とも悩んでいるようですが、これからどうするのですか?」
悩んでいた二人に、突然アミリアが聞いた。
「俺は旅にでも出て、色々と見て学んでいこうかと思っている」
「あん?んー…特に決まってねぇが取り敢えずは寝ぼけてる分の感覚取り戻す為に魔界に一旦戻るか」
それを聞いたアリミアは、首を傾げ少し悩むとハッと思いつたように顔を上げエンベルに笑みを見せた。
初めは、どうしたのかと見ていたエンベルだったが、アミリアの笑みを見て若干引き攣った顔になっる。この笑みを見せる時はとんでもない事を言い出すと分かっていた。
「まず、フェリシテには旅支度をさせてください。
資金は幾らあっても問題はないでしょう?武器は少し大きめの剣で良いと思いますわ。
少し大きめの鞄と、テントに古いものですが馬車を用意しましょう!
そして、ソミラさんには魔界はあまり御飯が美味しくないと聞きます。そこで食料と幾つかの保存食。
魔界のお金はありませんから…そうですね…リスコッチェ国のお金をお渡しします。
最後に、お二人にはリスコッチェ国王家発行の特別通行証をお渡ししますわ!」
途中までは暴走しかかっている娘に苦笑い気味で済んでいたが、最後の特別通行証でエンベルは、若干だった引き攣り顔が更に引き攣り固まった。
正式には『王家発行特別信用通行証』
それはギルドや役所で発行する物と違い、その名の通り王家が発行する特別な通行証。
国々によって異なるが、リスコッチェ国の場合では、基本的に伯爵以上の爵位持ちにしか発行されない物である。
その通行証があれば、魔国内の国であればリスコッチェ国が認めたとして身分証明の変わりにもなり、リスコッチェ国と親睦の深い国であれば、少し特別なサービスを受けられたりもする。
簡単に説明をすれば、アミリアはフェリシテと言うオークと、ソミラと言う魔王にリスコッチェ国での伯爵以上の爵位を渡すと言ったのと同じなのだ。
「ア、アミリア…旅支度や食料などに関しては良いのだが…
流石に特別通行証は…普通の無期限通行証なら「いいえ、私はフェリシテとソミラに特別通行証をお渡しします」…困った…」
こうなってしまっては、中々意見を意見を変えない事を知ってるエンベルは疲れ気味だった顔が更に窶れ頭を抱えた。
前書きは反省しています。
私は、ロリコンではありません。




